Nakaji(ナカジー)の日々のギターとか音楽ネタとか。     ~Slight Return~

Nakaji(ナカジー)です。ギター弾いてます。講師も。気まぐれで採譜したTAB譜を公開したり、ギタリスト主体の音楽ネタや自身の日々を緩く書いていきます。                  更新は不定期ですが最低でもひと月に一回は何か書きます。諸々のご連絡やご依頼はCONTACTからどうぞ。

超マイナーコンピ盤、''Hottest Unknown Guitarists''

知ってる人もいるかも知れませんが、ガスリーの代表曲の''Wonderful Slippery Thing''はアルバム収録ver.の他にいくつかのテイクが存在します。
その中にまだ完成して間もないと思われる昔のテイクがあります。音質はチープでいかにもMTR宅録しましたといった感じで、曲の構成は現在のモノと殆ど変わりませんが、フレーズやサウンドがかなりロックで、ガスリーがジャズに傾倒する前という感じが伝わってきます。
悪く言えばかなり素人臭いですw デモっぽい録音ですが、おそらくこの時の段階では完成と言えるモノだったのでは無いでしょうか。
というのは実はそのテイクが96年に発売されたマイナーコンピ盤に収録されているのです。
前置きが長くなりましたが、今回はそのCDの紹介です。

''Hottest Unknown Guitarists''というコンピ盤でその名の通り、ほぼ無名ギタリストの音源を寄せ集めたインスト・アルバムです。
一応、96年発売とは表記されていますが、収録されている音源の録音時期はバラバラだと思います。
内容は正直なところ全体的にかなりショボイ宅録音源で曲も退屈なものばかりです。ただプレイヤー達は基本的に巧い人ばかりでした。ガスリーに釣られた・・・。
以下に各曲の感想を書いていきます。






1. The Fast Lane - Scott Van Zen 「よくある高速ブルースシャッフルの曲でトッド・デューンやロン・サールのようなピュンピュンした速弾きが特徴的でした。曲は一本調子ですが、テク自体は相当なものです」
2. Moon Dust - Richard James 「やや古くさいミディアムテンポのヘヴィな三連ノリのナンバー。クラシカルじゃないヴィニー・ムーアって感じです。ダサイ」
3. Vigor Of Expression - Robby Lochner 「正統派のハードロックインスト。特別面白い事も無く終わります。巧いけど」
4. Any Questions - Mike Mrunner 「あまり指の動かないペトルーシがヴァイ風に曲作りましたって感じです。多分、このコンピで一番下手。ちゃんとサビというかキメがあるのでまだ曲が分かりやすい」
5. Industrial Type Thang - Kris Niemann & Rob Fransson 「多分、ギターとベースのコンビ。いきなりトッド・デューンやショーン・レーン、スコット・スタインのような謎速弾きで始まります。曲はややカントリー風。これも相当巧いです。凄いけど、何度も聴きたいとは思わないです」
6. Tamara - Glen Tracy 「唯一のアコギインストです。ヘッジスの様なソロスタイルでは無く、バッキングに単音のリードを乗せてます。落ち着いた曲調で聴きやすい。けど、特に記憶に残らないです。悪くはないけど」
7.Seven Below Stress - Joy Basu 「この人の名前なら知ってる方もいるんじゃないでしょうか? ガスリーと同じくマイナーなりに知られてる存在かと思われます。90年代的なロックインストです。時折見せる妖しげな音使いが特徴的ですが特別面白くはないです。なかなかパワフル」
8. Dog Bite - Chris Kemphert 「うわあ・・・これは・・・ 冒頭の八分刻みのリフからショボイw Rattのデモ曲みたいなショボさです。ドラムもペッタペッタ。録音はともかく曲はわりとキメや展開が多くて凝ってます。リフがL.A.メタルみたい。
ちょこっとカッティングテクを聴かせてくれます。ペンタがジェイソン・ベッカーっぽい」
9. Wonderful Slippery Thing - Guthrie Govan 「本作の本命。今のテイクと違い、曲の導入部分にEJ風コードアプローチの静かな展開があります。全体通してかなり過剰なビブラートや、やたらとハーモニクスを入れる辺りに若さを感じます。今のようなジャズアプローチはほぼ皆無と言えます」
10. In My Eyes - Paul Schuster 「ベタベタなコード進行のミディアムテンポのインスト。他のギタリストとは違い、飛び抜けた速弾きはなく、丁寧に音符を置いてる印象です。多分、一番メロディアス。すっきり大人しい雰囲気の曲調です」

と、まあ勝手に主観で感想を書いてみました。好みは別として全体の音質、楽曲クオリティは低いです。・・・まあ、無名人の音源集なので仕方ないですが。
あと一番の問題はですね・・・ CDのクレジットなのですが、9曲目に注目。

誰だよwww 曲名もアーティスト名も全然違うw
本来はここにガスリーがクレジットされてるのですが、さすがにこの誤植は酷いw

内容は勿論、CDの作りも雑な誰得盤ですが、興味ある方は是非購入してみてください。
海外CD通販の有名所、''Guitar Nine Records''で取り扱っています。




http://www.guitar9.com/