幅広い音楽性とその演奏力、特徴的なフレーズからセッションプレイヤーの中でも玄人向けな人気のある、Carl Verheyen。
彼がいくつかリリースしている教則の中から''Intervallic Rock''という作品を紹介したいと思います。
これは主に彼自身のフレーズの考え方、アプローチの基礎となる部分をかなり分かりやすく解説しているのが特徴で、それらは平凡なアイデアから抜け出す一歩とも呼べる内容となっています。
具体的な例を挙げると、まず彼のトレードマークとも言えるスキッピング・アイデア。
よくあるトライアドを基調としたものからペンタトニック中心のものや、それら二つを組み合わせた独特なパターンや、はたまたカントリーテイストなものまで幅広く解説してくれます。
極端に言えば、彼のトレードマークに的を絞った内容とも言えますね。バッキング要素は無くあくまでリードプレイが基本です。
流れとしては、リックを何通りか解説してから区切りのいいところでそれらを複合的に用いてオケに合わせて実演と言った感じです。
解説の仕方もいきなり弾いて「はい、これ」と言う様な流れではなく、きっちり土台から組み立て方を教えてくれます。
これは非常にありがたいです。勿論、全ての譜例はタブ譜(PDFファイル)で収録されています。
この手の教則は、アーティストの個性が強すぎるあまりに理解しにくかったり、説明が下手だったり、肝心な部分に触れなかったり、一種のファングッズに終わってしまっていたりと不満は付き物ですが、このDVDはそんなこともなくとても実用的でした。
カールはMIでも講師をやっていますので、説明やその手順、見本演奏もバランスが良かったです。
単純なペンタ一発から脱出したい、もしくはペンタの中でも捻りを加えたい方におすすめです。
カールのバンドでのスタジオライブも数曲収録されています。
この記事とは関係ない映像ですが、カールはこういうギタリストです。
