Nakaji(ナカジー)の日々のギターとか音楽ネタとか。     ~Slight Return~

Nakaji(ナカジー)です。ギター弾いてます。講師も。気まぐれで採譜したTAB譜を公開したり、ギタリスト主体の音楽ネタや自身の日々を緩く書いていきます。                  更新は不定期ですが最低でもひと月に一回は何か書きます。諸々のご連絡やご依頼はCONTACTからどうぞ。

Suhr Modernのこと。その2。(+正規品と輸入品)

また例のオーダーしたモダンのことです。長いです。( →その1もどうぞ)

PLEKでの擦り合わせの事は前にも書きましたが、やはりフレットを削った事による手元の違和感は想像以上のもので、相変わらずセットアップに納得のいかない日々が続いています。(というかもうS1しか弾いてないです)
誤解の無いように言っておくと、PLEKでの加工はまず間違いなく正確ですし、対応してくださった工房のTUNEさんの仕事ぶりも誠実かつ丁寧なものでした。
リペア自体がどうこうという話しではないです。

PLEKで擦り合わせすると、信じられないくらいビビリが無くなり、弦高も驚く程に低くできます。ローアクションが好みの人には堪らないですね、これは。
ただやっぱり擦り合わせとなると、全体的に指から指板までの間隔が狭くなるので、本来のフレットの高さに慣れていると、力加減や運指の距離感(と言えばいいでしょうか)、更にはビブラート、チョーキングの際の握り込み加減までも影響してきます。
ヘッドからナットへの角度も浅くなるのでテンション感もやや緩く変わってると思います。

これがプラスに働く人(ようするに元のフレットが高いと感じる人)にはいいですが、僕はホントにダメで、これはもうリフレットもしくはネック交換するしかないという結論に至りました。
勿論、Suhrの工房に出すかどうか考えましたが僕の場合は既にこちらでフレットに手を加えてしまっているので保証外になる可能性が高いです。(フレット以外が原因で起こる不具合(捻れ、波打ち)に関しては保証は考慮されます。サポートチームに確認済み)

なので、送って有料になるならもうこっちでリフレットする事を検討しているのですが、ひとつ問題が・・・。
それはやっぱりフレットの高さなんですね。元の高さに戻したいのですが、PLEKを使ってSuhrのデータに近い処理をするにはこれまた軽く擦り合わせて調整する必要があります。
さすがに以前よりは薄い擦り合わせで済むとは思いますが、例えばJescar製フレットのデフォルトの1.4mmという高さから削って調整するとまた振り出しに戻る可能性があります。
そこで擦り合わせて1.4mmを保つにはどうするかという話しなのですが、シンプルに1.4mm以上の高さのフレットを打ち込んで調整すればいいです。
ただこれが落とし穴で・・・ 実は現状ではJescarフレットに1.4mm以上にものが存在しません。
という事は当然ながらSuhrがギターを製造する段階で使用するフレットも1.4mmのものなので、ぶっちゃけ日本でリペアするにしても条件は同じなのですが、できれば1.4mm以上の状態からSuhrの出荷時の高さに削り合わせた(整えた)ほうがより正確ですよね。

実はこれに関して、東京の工房、Sleek Eliteの広瀬さんから連絡を頂きまして、なんとJescarフレットの製造元に1.4mm以上のものを作ってもらえないか交渉しているところだったみたいです。
僕以外にも1.4mm以下への変化に納得しない人は結構いるみたいで、前からそういった方々への配慮として検討していた試みのようです。
Sleek EliteにもPLEKが導入されていて、かなりの本数のリペアをこなしているらしく、Suhrのデータも豊富なようで、広瀬さん自身もSuhrのセットアップに詳しいそうです。

これはかなり期待できそうです。新フレットの納期に関してはまだ未定ですが、企画自体は通ったようで近々いい報告ができるかもとの連絡も頂きました。

というわけで今はフレットの納期待ちです。

Sleek Elite
http://sleekelite.com/

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ここからはオーダー関係の話しです。
実はこういった問題も含めていろいろ悩んだ末、もう一本同様の仕様のものをオーダーしようかとも考えています。
ただ、今度はネックをサテンにしてもらい、せっかくなのでトレモロブリッジはリセス加工にしようかなー、と。
円安は進んでますし、あの頃よりSuhr自体が値上がりしてるので、予算的な都合もあって今すぐには無理ですが・・・。

正直、僕以外の人からしたら馬鹿らしい投資に思えるかもしれません。そう思ってもらっても構いません。本人にしか分からない価値観だと思います。
まあ、単純にほぼ同じものが二本になること自体は大歓迎ですし、それくらい気に入っているギターですので・・・。
それにもし片方が必要なくなればどちらかを売ってもいいですしね。
ネックの不具合が原因で色々と出費はかさみますが納得できる方向に持っていこうという考えです。

こう書くと、国内正規品を買えば良かったんじゃ?と思う人もいるかも知れません。でもそういうワケにもいかないんですね。

国内正規品(いわゆるオ○ダインターナショナルの代理店経由品。以下O社)のメリット、デメリットを考えると僕的にはちょっと迷いが大きいです。
以下はあくまでも僕なりに考えた事なので、一般論として書いてる気はありませんし、代理店で買う事を悪く言うつもりは微塵も無いです。僕個人の価値観に基づくものと理解して読んでいただけると幸いです。
又、一部憶測も入ります。

迷う点ですが、まず値段ですね。これはホント有名でO社経由だと定価の約2倍の価格で販売されているのが現状です。僕のモダンと同様の仕様だとおそらく約70万円かそれ以上で店頭に並びます。(以前、東京で同仕様の''アウトレット品''を65万程で見ました)
次に代理店保証です。O社での保証は購入後1年間となっています。ただ、Suhr自体はネックに関しては''ファーストオーナーに限り生涯保証''なんですね。
これが何を意味するかというとO社を通すと新品で買っても実質セカンドオーナー扱いとなります。オーダーしたのがO社である以上、連絡をとって掛け合えるのもO社のみとなるので、いくら生涯保証でも、O社が一年間しか間を取り持ってくれないのであれば意味ないです。
ちなみにO社経由で本国に送っても送料を請求されるという話しも耳にします。これなら多少面倒でも自分で送ったほうが安くて済みます。
とはいえ代理店品のメリットはやはり店頭で試奏できるという点ですね。これはホントに大きいです。オーダーは現物が届くまで細かい判断が利かないのが欠点です。又、輸送時のトラブルも怖いですね。
ただ、Suhrは基本的にオーダーメーカーなので、好みの仕様が店頭に出回る可能性が低いです。(というかほぼ無い)
代理店にオーダーしたところでそれだと直輸入と同じ条件になりますし・・・。
ちなみに僕の場合は試奏したものを基にオーダー掛けたので使用感に関してはバッチリでした。
購入後に不具合が出る可能性に関してはどの楽器にも等しくあるので、代理店品、輸入品と優劣は決めれませんね。

あと、Suhrはオーダーしたものが理想と違った場合、到着後すぐの期間内ならば返品可能です(送料とその他手数料はいくらか掛かります)
そもそも代理店品の半額で済むので多少の手間はともかく返品費用込みでも余裕でお釣りがきます。

さっきも書いたように代理店品やそれを買う人がどうこうという話しでは無いのですが、僕としてはやはり納得いかない点が多いです。個人輸入の場合、仮に二本目のオーダーをしても代理店品一本とそれほど差額が出ないのがポイントです。
ホントに個人の価値観の問題なので、高くなろうとも店頭で試して満足して買うならそれが最高だと思いますし、実際オーダーは賭けみたいな部分あります。

ただひとつ間違いなく言えることは、同じ仕様の代理店品を70万近く払って買って今みたいな不具合が起きたらまず立ち直れないw
30万ちょっとで済んだからこそ今があるとも言えます。

長々と書きましたが、要するに二本目をオーダーする事に関して、それに至る理由も兼ねていくつか自分なりの意見を書かせもらったという感じです。
まあ、オーダーするかはまだ分からないのですが・・・。リペアがうまくいけばそれがベストです。