セルマー/マカフェリタイプのギターを製造するメーカー、Dupont(デュポン)のピックアップです。
厳密には古くはStimer(スタイマー)という会社の製品で、その権利をデュポンが買取り復刻し、現在に至るものが本機になります。
ジプシーギター用のピックアップで、かのジャンゴ・ラインハルトが当時に使用していたものと基本的には同じものになるみたいですね。
レトロな見た目に、サウンドホールにクリップ部分を当てがい噛ませてマウントして、ピックアップ本体横のジャックから線を伸ばす・・・というシンプルかつ時代を感じるアイテムで独特の雰囲気があります。
結構ゴテッとしてて、重さもありますがパッシブです。
ジャックは一般的なフォン-フォンタイプではなく、ピックアップ側は小さいピンタイプのプラグになっており、反対側がフォンタイプとなります。
ピンボケしてますが・・・。こんなプラグです。
取り付けるためのクリップ部分。ここをサウンドホールの付近に噛ませて固定します。ネジとかビスとかそういうのは一切なく、ただ滑り込ませて噛ませたらあとはピックアップ裏がラバーになってるので留まります。
とはいえやっぱり少しづつズレてきますね・・・。まあこれはご愛嬌みたいなもんでしょう。
音はなんか独特な丸い音で、フルアコみたいなニュアンスもありますが、ああ言ったいわゆるエレキ的な感じではなく、不思議な空気感と素っ気なさがある印象で、擬音で言うならポコポコ、パツパツって感じ。
9割型ジプシージャズ用途なピックアップだとは思いますが、他でも使っていきたい気にもなる味わい深い音ですね。
ちなみに本体についてるノブはボリュームノブです。
先述の通り、適当にクリップして固定するだけなので、付ける位置でマイクの拾い具合が結構変動して弦毎の音量バランスがやけに悪くなったり、それを直しても気がついたらズレてきてる、なんてことも多々あるかなり不器用な作りですが、やはりこれにしかない音とルックスには惹かれるものがありますね。
ジプシーギタリストはジャンゴにならい決まって使用するピックアップです。
取り付け後の写真は拾い物が綺麗なのでそれを貼っておきます。
DupontのStimer P.U.はオーバルホール用、Dホール用で分かれていますが、最近Stimer創設者の家族が名前を新たに本家オリジナルとして同一のピックアップを復刻しており、そちらはオーバル、D共に兼用できる作り、と言うか取り付け方法になってるようですね。
あ、それとこの手のピックアップは見ての通りそこそこ高さのある作りなので、ギターの弦高(ブリッジ高)によっては、押弦の際にピックアップ本体に弦が干渉してしまいまともに使えないこともあるそうなので、注意が必要です。
僕のAltamiraは最終フレット付近以外は干渉起こしませんでした。(実用的な範囲で済みました)