Wamplerの2chタイプの歪みです。僕のフェイバリットの一人、カントリーギタリストのBrent Masonのシグネチャーです。''Hot Wired''という名前は彼の代表曲に由来します。
Wamplerの歪みはアンプインボックス系(アンプを再現するやつ)が多いのですが、このHot WiredもDist側はプレキシスタイルだそうで、おそらく既存製品からの流用になってる部分もあるかと思います。
OD(右側)とDist(左側)で独立しており、勿論同時使用も可能です。接続順は右から左で固定。
基本的にはVol、Gain、Toneのよくあるコントロール類ですが、v.2になるにあたってOD側だけBlendノブが追加された事により、エフェクト音とドライ音の割合いを調整することが出来ます。
歪んでいながらもクリーンな芯が残るという不思議な感じですね。これはブレント・メイソンがカントリープレイヤーということもあり、複音フレーズやアルペジオを多用するスタイルに配慮したものと思われます。
あまりにドライ音を強めにすると本当にパラレルで鳴らしてる感じで違和感は出ますが、丁度いいギリギリの位置を狙うと歪みと抜けも確保出来て、クリアなドライブサウンドが得られました。
ただ、OD側でもそれなりのゲインを持っているので、いかにもな乾いたクランチ感はありません。マイルドで柔らかい感触のサウンドですね。ブレンドノブで何とかなりそうにも思いましたが、やっぱりあくまで純粋なクリーン感との割合いなのでチャリチャリしたクランチとは違いますね。
伸びやかな音色で最近のカントリーに向いてるなーって感じです。
Dist側はODと比べるといくらかは荒々しいサウンドですが、比較的こちらもスムースなディストーションに思いました。
ゲインはかなり高いところまで持っていけます。単体でも歪み過ぎや!ってくらい歪みます。
「めちゃくちゃシェイプアップされたRAT」みたいな印象ありますね。
ザクザクした低音では無いですが、それなりにズクズクしたハードロックサウンドも出せます。
双方のchで不自然に音色差が出る感じは無く、2in1というよりは一つの方向性としてのまとまりがありますね。
ちなみに「今まで試した中でも最もアンプライク」というブレント本人の評価をどこかで見ましたが、確かにどちらも高いピッキングレスポンスを持っており、指弾きでの感触もかなり良いですがあまりオープンなサウンドでは無いので、人によっては反応性に物足りなさを感じる事はあると思います。
どちらもBass Boostスイッチが付いていて、センター位置をフラットにそこから左にスイッチする事で低音強めの''FAT''、右にするとでさらにローミッドを押し出す''Fatter''を選択出来ます。
これによりプレーン弦でもモッチリとした太めのリードを鳴らす事が出来ます。
個人的には''Fatter''の状態でトーンをカットすると、エリック・ジョンソンみたいな感じにも出来て面白いです。笑
両ch同時にオンにした場合でも音が破綻する事はなく、ちゃんと使える音になりますが僕的には歪み過ぎな感じでセッティングには気をつけたいところ。
トータルとしてはめちゃくちゃ使えるペダルだと思います。
日本での新品価格はかなり高めなので中古で安く出てるタイミングを狙えればかなりお買い得な良質な歪みです。(僕もそれで買いました)
流石スタジオ仕事をこなすブレントのシグネチャーというだけの事はあります。ただ欲を言えば、chを一発で入れ替え出来るトグルモードも設定できれば尚良かったですね。
ブレントが〜とかカントリーで〜とか考慮せずとも日本のスタジオミュージシャンの感じが好きな人(もしくはそういった仕事をしてる人)にもオススメしたいペダルです。
ちなみに電源は9vは勿論、18vまで対応してるそうです。