Nakaji(ナカジー)の日々のギターとか音楽ネタとか。     ~Slight Return~

Nakaji(ナカジー)です。ギター弾いてます。講師も。気まぐれで採譜したTAB譜を公開したり、ギタリスト主体の音楽ネタや自身の日々を緩く書いていきます。                  更新は不定期ですが最低でもひと月に一回は何か書きます。諸々のご連絡やご依頼はCONTACTからどうぞ。

TRIAL Effects ''PockeTS''


先日のサウンドメッセの試奏で気に入り、後日購入したTRIALのTS系オーバードライブの''PockeTS''です。
TRIALさんは大阪のメーカーで、エフェクター製作以外にもギターやアンプの修理なんかもやってくれます。
エフェクターのラインナップは歪みはファズからディストーションまで、モジュレーションはコーラスやユニヴァイブ風のモノ、補助系はブースター、バッファやプリアンプ等々のアナログ系ペダルを取り揃えてる感じです。大体は全部試奏しましたがどれも高品質でいかにもコダワリのジャパンメイドといった作りでした。

今回のはTS系で、小型を売りにした製品に思いがちですが、中身もちゃんといい音でした。

先に言うと僕は古典的なTSはしっかり試したことがなく、コピーモノだけはちょくちょく弾いたことがあるという程度です。なのでTS基準でみた場合にどこまで正しいレビューができるか分かりませんが、第一印象としては守備範囲の広い歪みだな、と感じました。

というのもクリーンに対してTS単体で音作りした場合ってミドルの持ち上がりのクセの強さやローカット気味な傾向からガッツリしたバッキングには向かない印象(ステレオタイプな印象ですいません・・・)があるんですが、PockeTSは割と芯が残る音で意外にもザクザク、ジャリジャリした弾き心地でした。
TSらしい鼻づまり感とこじんまりした出音もしますが、これが案外いいとこ取りしてるような気もして、リードに対するコンプ感とバッキングで広がりを持たせて鳴らしたいオープンさの両面をうまく妥協し合いながら両立してる感じがします。


歪みの量は並のオーバードライブですが、ゲイン感以上にラクできる弾きやすさを感じました。
それとトーンの効き幅がうまく作られています。
最初にトーン12時くらいで出した時は「スムースだけど少しハリの無い音だな・・・」って印象でしたが、14時くらいからギャリっとした食いつきが出てきてジャキジャキと気持ちのいいクランチになります。
ただ単に高域が増すよりは耳に痛くないというか、音色の傾向が変わってるイメージです。
この時にローが極端に持ってかれないのも良いです。このローの加減が中々絶妙で、歪みへのブースターとして使用した場合には全体のシェイプをシャキッとまとめてくれるのがとても良いです。
ハイゲインを作る際、歪みに歪みを重ねると音がダブついたり、輪郭がボヤける事がありますが、PockeTSの場合はトーンを上げていく事でしっかりエッジのある音に出来ます。


ジャズコでも抜群の相性の良さを見せてくれて、そこもありがたいですね。ビルダーの高早さん自身がジャズコが好きらしく、どのペダルもジャズコとのマッチングを意識してらっしゃるようです。

コンセプト的にはヴィンテージ志向ながら使いやすさも考慮した、とのことです。
ヴィンテージTSの音を僕は知りませんが、単純に使いやすい歪みです。
特にシングルコイルでトーン上げ目で鳴らした時が気持ちいいですね。笑

単体使用、ブースター、どちらにも使いやすい完成度の高さがあります。


各ジャックは上部にまとめられています。このサイズで電池も使えるのでサッと持ち込んで使いたい時に便利ですね。
スイッチはノブに近すぎるので、僕は写真の通りスイッチハットを付けてますが、これ単体での操作なら元のままでもそれほど困りませんでした。
採用されてるスイッチが軽めの踏み心地なのもあり、案外踏みやすかったです。ただ小ささが売りな分、ボードに詰め込んで使いたい人は多いと思うので、その場合は周囲のペダルの干渉もあり踏みにくいかもですね。
スイッチャー使わないなら結局は踏みやすさ考慮して、多少の余裕を持った組み込みになると思うので小型の旨味は薄れるかも。