Nakaji(ナカジー)の日々のギターとか音楽ネタとか。     ~Slight Return~

Nakaji(ナカジー)です。ギター弾いてます。講師も。気まぐれで採譜したTAB譜を公開したり、ギタリスト主体の音楽ネタや自身の日々を緩く書いていきます。                  更新は不定期ですが最低でもひと月に一回は何か書きます。諸々のご連絡やご依頼はCONTACTからどうぞ。

Jetter Gear ''Altair IV''

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以前、紹介した''GS124''同様にダンブル系のODです。

Jetter製品は高価なうえに品薄で試奏が困難なので通販には不安がありましたが、''GS124''が良かったので思い切りました。

結果としては買って正解でした。

 

Altair IVはJetterが新たにデザインしたダンブル系の歪みで、2in1の構成。

音色に極端な違いはなく、基本となるキャラクターは同じでどちらもザラッとした雰囲気がありつつクリアでスムースな音です。

ダンブルぽいかどうかはともかく、それなりにキャラクターが出る歪みなのでそこが好みの分かれ道かも。

アンプライクといえばアンプライクですね。

 

両chの違いは大まかに左側がミドルゲイン(Dist)、右側がローゲイン(OD)といった感じです。

コントロールはどちらも同じものとなっており、

 

・Level

・Drive

・Contour

 

の3つずつ。

Contourは一般的なトーンにあたるので音の明るさを調整しますが、カーブの終点付近でローの出方に大きめに影響があります。(後述)

 

 

左chはわりとロックな方向性。

ゲイン量はディストーションライクなとこまで出せますが、オーバードライブの延長上といった具合です。

適度なコンプ感に、リードとバッキングどちらにもバランスよく対応できる守備範囲の広さがあります。

コードを弾いても濁りにくいですし、低音弦を刻むようなリフ等でも腰の弱い感じになりにくいです。その上でリードでスムースさも出せます。

このバランスの良さはかなり優秀だと思います。今までこういうのを探し求めて色々な歪みを試しましたが、ここまで理想に近いのは初めてですね・・・。

 

右chはローゲインで甘くスムースな方向性。

とはいえフルアップすると案外歪みます。左chよりこっちの方が丸く、甘いサウンドですね。

ブルースからスムースジャズまで浅めに上品な歪みを掛けたい時なんかにハマりそうです。

ただ、ゲインを絞っても極端なクリーンにはならず、コンプ感と僅かな歪み、丸さはついてきますので、張りのあるクランチや、純粋なクリーンブーストには向いて無いですね。 

やっぱりこのペダルで音を完結させるのが合ってるようです。

 

Contourノブの効き方は両ch共に同様で、上げ過ぎてもあまりキンキンにはならず、耳障りのいい範囲での調整といった感じです。

こもらないくらいにしておけば大体いい音になるとは思いますが、かなり上げ目にして丁度イイというか・・・逆に言えば使える音色の幅はあまり広く無いです。

可変幅的には暗めな部分が多いですが、アンプ側の高音を強めに出している(出てしまう)時にはそれを抑え込む方向にも作用しそうなので、ケースバイケースとも思います。

僕はほぼほぼ15時前後の位置に設定してます。ノブの終盤付近でハイがグワッと出てくるような効き方をして、併せてローが少しスッキリしてきます。

初見で「なんだか音が暗いし、丸いなあ」と感じたら躊躇わずContourを全開にしてしまって大丈夫です。そんな効き幅です。

逆にあまりハイを抑え過ぎるとローがモコつきやすいですね。

 

そして、2in1ペダルの美味しい要素の一つでもある「同時にオンにした時」の混ざり方が絶妙で、両者が喧嘩せずに「自然なゲインの上がり方」をします。

こういうのは低音がダブついてルーズになったり、本来の旨味を損なうペダルは多い気がしますが、これは良いところを極力殺さずにディストーションのようになります。

ノイズも少ないです。

流石にメタルとかそういう感じでは無いですが、ロックなハードフュージョンにはかなりマッチしそう。

 

キャラが出る歪みなので、ジャズコでも十分ポテンシャルを発揮してくれます。

自分はセッションでは基本的にジャズコを使う人なんですけど、過去試した歪みの中ではトップクラスに自分の欲しい音が出てくれてます。

 

【GS124と比べて】

124の音の分厚さに勝手の悪さを感じてる方はこっちの方が使いやすいかも。124程暴れる感じや癖の強さは無いですね。

傾向は似てるんですが、Altairの方がだいぶ上品にまとまってる雰囲気があります。

逆に124の巻き弦のザラつきとかハリやパンチを求めると物足りないかもです。

完全に好みの問題ですが、ファーストインプレッションは124程の衝撃は無く、無難な良質ペダル!という感じです。

まあどちらも素晴らしいです。笑

 

筐体がやけに重たい以外は個人的にはめちゃくちゃツボにハマる傾向のメーカーでした。

  

 

最後に余談でこれは代理店情報ですが・・・、

Altair IVに採用されてるフットスイッチは耐久性が低く、故障が多いそうです。

修理交換後も壊れる事が多かったので、代理店ではより信頼性の高いスイッチで修理対応している、との事です。

 

あと僕の個体は電源オフ時にも謎のホワイトノイズが常に乗ってしまう症状がありました。

アース処理(?)の甘さを疑い、念のため分解してインプットジャック周りの塗装を削り取り、ワッシャーの締め込みも改善して組み直す事でとりあえずはノイズは落ち着きました。

僕は電気知識は無いですし、この一連の作業が効果あったのかは分かりませんけど、物は試しですね・・・笑