新年一つ目はこちら。
TC ELECTRONIC ( ティーシーエレクトロニック ) / DarkMatter Distortion
これはもう結構なシェアのあるエフェクターなので特別面白いものではないかもですが、安価な上に僕としてはかなり好きな歪みだったのでご紹介します。
新品だと、6000~7000円程で中古だと4000円ちょっとで出回ってますね。中古在庫の数もかなり見かけます。
TCといえば空間系や、ハイテクな技術を駆使したデジタル製品が多い印象がありますが、こちらは完全アナログの古典的なディストーションです。
見た目はモロに「メタルディストーション」といった雰囲気ですが、意外にも歪みの傾向は「よく歪むオーバードライブ寄り」な感じで、僕的には良い意味で予想を裏切られました。
逆に凶悪なモダンメタルディストーションを期待すると結構微妙かと思いますね・・・。(メタルもいけますが、カテゴライズの細分化が激しいメタルにおいては場面を選ぶと思います)
コントロールは、
・GAIN
・LEVEL
・BASS
・TREBLE
に、音のキャラ(モダン/ヴィンテージ)を切り替えるVOICEスイッチとなってます。
フットスイッチは見た感じは旧式のPolytuneやFlashback、Hall of Fameに採用されていたものと同様に見えますが、あれより軽快な踏み心地です。
サウンドは、敢えて汚れを狙ったのかなという感じでザラつきや潰れがあり、どちらかと言うとオールドスクールなものです。見た目に反してメタル的な冷たくモダンな印象は薄いですね。
少し独特なキャラではありますが、ロックらしいリードやバッキング/リフにも使える扱いやすさを感じる辺りはTCらしいというか、狙って設計してる感ありますね。笑
ダーティだけどクリアネスは確保してる感じです。
中程度のゲインだと音の分離も良く、軽快なドライブサウンドで、70~80s辺りのハードロック的な刻みなんかもマッチしますが、強く歪ませると(大体14時以降)それに伴って低音にグズつきや僅かにファジーさが現れてきます。
ノイズも強めですね。でも最大ゲインでも使える音ではあるのでこの辺りはTCらしい。
見た目の重々しさに反して意外と腰高な出音ですが、高音弦は細くならずに中々に太い音が出るのでリードに妙な安心感があります。
コンプ感は薄めな設計のようで、オープンな鳴らし方にも適してますが、十分リードも弾きやすいサステインや太さはありますので、ロックなバッキングとリードを担える歪みを探してる人にオススメできます。
ピッキングレスポンスも良く、しっかりとした立ち上がりの速さと粒立ちがあるのでピッキングが得意な人ほど良い音で鳴らせて且つ好きになりやすいと思います。
二つのEQノブは、センター(12時)にクリックがあり、そこからブースト/カットといった仕組みですね。機材やアンサンブルに応じて微調整が可能なのは使い勝手良いですね。
Voiceスイッチは大袈裟な効き方はせず、本当にちょっとした違いを出す程度のようです。
公式に説明が無いので上下どちらがモダン/ヴィンテージかは分かりませんが、片方は全体的に音が少しペラくなり、ギャリっとした食いつきが出てくる印象でおそらくこれがヴィンテージ傾向なんだと思います。
音が分厚すぎると感じた時にこちらにするとスッキリしてキレも出ます。
ゲイン量に対してノイズはやや強く乗るような気はしますが、僕の中ではかなり使い勝手のいいペダルでした。
ジャズコでも特に問題なく使えました。
ただ一応の注意として、ダーティな要素がやや特徴的なので苦手な人は苦手そうです。(中古でよく見かける理由はそれ?あとは名前と出音のギャップも?)
昔のロックサウンドが好きだけど、もっと使い勝手良いものが欲しいという人に向いてるんじゃないでしょうか。でもちょっと王道からは外れてるような印象で、その辺りが難しいのかもですね。
ハマる人はかなり気に入ると思います。
古いけど新しいこの感じは例えるなら懐古路線の新人ハードロックバンドとかあんなイメージですかね。笑
Steel PantherとかAirbourneとかHibriaとかSilvertideとかWigWamとかDarknessとかその他色々・・・一時期露骨に昔路線のバンドが出てきましたが、やってる音楽の傾向は古いのに録音の質が新しいので独特な感じありますよね。この現象と似てるかも。笑
TC ELECTRONIC ( ティーシーエレクトロニック ) / DarkMatter Distortion