Nakaji(ナカジー)の日々のギターとか音楽ネタとか。     ~Slight Return~

Nakaji(ナカジー)です。ギター弾いてます。講師も。気まぐれで採譜したTAB譜を公開したり、ギタリスト主体の音楽ネタや自身の日々を緩く書いていきます。                  更新は不定期ですが最低でもひと月に一回は何か書きます。諸々のご連絡やご依頼はCONTACTからどうぞ。

今になってランディ・ローズを語る。(ほぼ自分語り)

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Randy Rhoads(ランディ・ローズ)

 

オジー・オズボーン・バンドの初代ギタリストであり、ハードロック/ヘヴィメタルのファンにはもはや説明不要とも言える存在ですね。

なぜ急に取り上げたかというと、先月の3/19が彼の命日なのと、単純に僕が大ファンだからです。

 

ジミヘンやヴァン・ヘイレン程では無いにしろ、ロックギター史...特にメタルの分野においてのランディの影響は大きく、死後35年以上経過した今でもリスペクトする人達は多くいます。

いまだに命日のタイミングでは雑誌で特集が組まれたりもしてますね。

 

プレイスタイルは、正統派ハードロックを土台にクラシカルなフレージングやスケールライクなシーケンスパターンが中心になっており、奏法や技術で異質なスタイルを有してたワケではありませんが、その中でもどこか独特な雰囲気があり、プレイにおける存在感やクセは結構強いです。

 

今回はただ単に僕の主観で「ランディのここが良かった」とか「これが好き」とか、どハマリしてた頃の思い出話しを書くだけの自分語りなので、ランディ情報とかそういうのがメインじゃ無いです。

あと、さも知ってる風に書きはしますが自分は完全な後追い世代(僕が生まれる何年も前に亡くなってた)になります。

 

まず、僕の思うランディの好きな部分は沢山ありますが、中でも

 

・オーソドックスなプレイスタイル

 

という要素は大きいです。

R&R的なラフなフィールにクラシック的なキッチリした部分のバランスが良く、それらの表現において技術に頼ってる感じが無いです。

特殊奏法の類ではタッピング程度は使ってましたが、特別派手では無い印象ですね。

こういった影響かは分かりませんが、僕は今でもテクニカルプレイヤーとされる人達の中でもオーソドックスな要素を強く持つギタリストが好きです。

 

その他には、

 

・音楽に対してストイックなところ

 

これに関しては当時を知るメンバーやミュージシャン達が語るランディ像の受け売りですが、ランディはツアー中でもギターの練習を欠かすことはなく、控え室では自主練、オフの空き時間には近場のクラシック講師を探してレッスンを受けに行く、という事をしてたそうです。

ギターオタクで完璧主義気味なところもあったようですね。

 

楽典面への理解でも昔のハードロック/メタル系のギタリストは、

 

「この音が何なのかわからないけどクールな響きだから使ってるよ」

 

・・・みたいなパターン(これはこれで良い)も少なく無いですが、ランディは音階や和音構成を勉強して、五線譜に書いて残してたりと学ぶ姿勢を強く感じます。

(実際どこまで楽典に精通していたかは分かりませんが・・・)

それと有名な話ですが、クラシックギターへの転向を考えていたらしく、好調だったオジーバンドを脱退してまで音楽学校で学ぶ意志があったそうです。

 

・フレーズをキッチリ作ってる

 

これめちゃくちゃ大事。

バッキングからリードソロまでちゃんと作り込んでるのと、それらで楽曲を良くしようとする意欲やこだわりが伺えます。

バッキングギターだけでも存在感ありますし、オブリのタイミングなんかでもボーカルの邪魔をしてないんですよね。ソロ構成に関しては特に評価が高いと思われます。

ランディのソロはコンパクトな尺でもまとまりが良く、「ギターソロを弾いてる」というよりはちゃんと「楽曲を演奏している」という馴染みの良さがあり、手癖プレイヤーにありがちな「間奏をなんとなく埋めた」ような事になってないのが良いですね。

(ただ、2ndの録音は時間が無く、全体的に本人も納得いかない内容だったようで実際にやっつけ(というか間に合わせた)感も・・・)

 

と、挙げればキリが無いですが僕が好きな要素はこういうところですね。

スタジオアルバムにおけるランディの演奏技術は厳しめに見れば怪しい箇所もありますが、それでも狙おうとしている音符の良さや、ちゃんと作り込もうとする姿勢もあり、それほど気になりません。

 

 

 

中学生の頃の僕はリッチー・ブラックモアの信者で、パープルやレインボーをはじめ、兄がネットで見つけてくれたフリーのTABを頼りにZEPやそういった古い世代のロックを中心に練習してました。

情報の先は殆どが兄からで、当時は兄のお下がりの音源やオススメされたものを聴くみたいな感じでしたね。

高校に入ると買いに行けるCDショップの規模がグンと増えて、色々なアーティストを探し回る中でオジーを知り、ランディ・ローズのファンになり、必死で情報を集めるようになります。

当時の僕にはPCでのネット環境が無く、探し物は兄に頼んでネット検索してもらったりという感じで、その他にはガラケーで「PCサイトを携帯向けに変換して見れるようにするツール」とか使って頑張ってました。笑

そして、Quiet Riot(以下 QR)なるバンドの存在も知ります。

 

ジーの1st、2nd、ライブ版の3枚は現行で販売されていたのですぐ買えましたが、QRが見つからない・・・。

調べて分かったのは、アナログレコードのみの発売でCDは存在しないという事。

その後、「The Randy Rhoads Years」なるランディ時代の楽曲で構成されたベスト盤のCDを発見し、リミックス音源ではあるものの初期のランディの音を聴くことが出来ました。

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新品、中古問わずCDショップに入ると絶対にオジーQRの棚をチェックしてました。笑

ひょっとしたらまだ自分の知らないランディ絡みの音源が存在するかもしれない・・・と常に期待してたんですよね。

今でこそAmazonとかですぐ網羅できますが、当時は実際に店に行くしか無く、輸入盤コーナーとかで謎のアルバムを見つけると発掘した感があって楽しかったです。

高校でPCを使う授業とかありましたが、授業の内容無視してランディ絡みの検索かけてた気もします。

 

ブートレッグを知ってからは学校行事で遠出した先でブート屋に寄ったり、非公式なファンサイト(確かEternal Randy Rhoads)で公開されてる音源を前述のガラケーツールで落としたりして漁ってました。

ブートは音像の劣悪なものからサウンドボード録音まで色々ありましたが、公式ライブ盤「Tribute」の元ソースとなった81年5月11日のクリーブランド公演が音質も良く、何より公式では後から差し替え/修正されていたミス等がそのまま収録されてるのでちゃんとライブ感があって好きです。

 

ランディはスタジオアルバムだとリズムが甘かったり、諸々の粗を指摘される事もありますが、ライブ音源聴いてると全く問題なく、しっかりバンドとの一体感がありますね。

ジー参加初期のライブは確かにまだ慣れないぎこちなさや探って演奏してる雰囲気がかなり感じられますが、ツアーを重ねる毎に良くなっていきます。

晩年のライブだと演奏クオリティは勿論、随所のオブリも洗練されてきて作り込みが増してます。

ライブのランディはメチャクチャに歪んだ爆発しそうなサウンドに勢いのあるプレイが相まってかなりワイルドでカッコ良くて、スタジオアルバムとは全然違う音ですよね。

ポール・ギルバートが若い頃にオジーのライブで実際にランディを見たそうですが、当時の様子を「あの細い体でとてもラウドなサウンドを出していて、気を抜いたら手元からレスポールがフッ飛んでいきそうな感じ」と表現してましたが、これは僕も完全同意で、わずかに残ってる映像を見てて同じ印象を受けてました。

ライブを完全に丸々収録した映像が一つでもあればよかった(後述)のですが、断片的なものばかりでそれでもアングルが微妙過ぎたり、画質が絶望的だったり、ランディは映像には恵まれていないギタリストですよね・・・。

 

 

お次は機材面。

 

現行の機材で真似したかったので、

Gibsonの白レスポールカスタムにMXR Distortion+、グライコ、マーシャル(残念ながらJCM2000のコンボ)は揃えてました。

レスポール購入時にランディ好きを伝えたら店員さんがサービスでゴールドノブも付けてくれたのが嬉しかったです。笑

 

僕は元々はフェンジャパのストラトを使っていましたが、一番上達した時期(というか純粋に練習に取り組めてた時期)はレスポールが長かったので、今でもレスポールを使った方が上手く弾けます。あのネックの感じや指板アール、テンション感...等々、全体的に僕に合ってるのはレスポールでしたね。

今はテレキャスが好きですし、レスポールはもう持ってませんが・・・。

 

Distortion+は当時はなかなかうまい使い方が分からず、尚且つ音作りの知識も殆どなかったので使いこなせず・・・。

ランディに釣られて買ったものの「苦手だなこれ・・」ってなった人は多いんじゃないでしょうか??

使いやすさを優先して他の歪みを買ってからはDist+の出番は無くなりましたが、振り返ると味のある歪みです。MXR創設者が設計した別ブランドでの復刻品を持ってますがこれも良いです。個人的にはMXRの現行品よりもギターの美味しい部分が出ると感じます。

 

 

ランディ絡みだと、ヤンギやプレイヤー誌以外にもルディ・サーゾが書いた自伝も持ってます。

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これはルディが当時の日記を元に、オジーバンドでランディ達と過ごした日々を綴ったものですね。当事者とはいえ書籍化に伴い脚色や憶測なんかも含んでるのかもしれませんが、単純に読み物として僕は楽しめました。(しかし、翻訳に癖がありすぎる)

 

最近また新たなブート映像が発掘されたとかで、少し話題になってます。

発掘というよりは持ち主が断片的に公開しているもので、本人曰く「3公演分の映像が手元にある」そうで、客席からのホームビデオ撮影なので画質は相応ですが、これまでのどれとも異なる新規映像でした。 

ファンが交渉はしているものの、持ち主は完全なシェアは拒んでいるそうで現状で確認できるものは上記のみとなっています。(派生映像がまだあったかもですが見つかりません)

貴重なのは晩年のソロタイムにおけるインストジャム(1:47~)が入っているところ。これが映像として残っているものは今まで確認されてなかったはずです。

この感じで3公演分のフルセット映像が存在するならランディ界隈では結構な事件ですね・・・。

ちなみに2019年1月時点から進展は無さそうです。

 

こうした映像は長らく公式撮影の「After Hours」が有名でしたが、近年発見されたものとしては舞台袖からスタッフ?が記録用に撮影していたと思われるものも見つかっています。

スタジオライブのAfter Hoursと違い、通常のライブを映したものでは過去最高に鮮明ですが、アングルが丁度ランディと反対側なのでオジーの陰に隠れたり、撮影者も絶妙に外すカメラワークでイマイチ痒いところに手が届かない内容になっています。笑

音質に関してはカメラ集音ではなく、あとから同一公演の綺麗な音源ソースを当てて補正してるそうなのでバッチリですね。

最近はこういうブート映像でも記念盤(1st、2ndの再発+ブートを元にした映像の公式収録)販売の際にオジーが権利を買ったのかYoutubeSNSから削除されやすいようです。ここに載せたものもいつ消えるか分かりませんね。

 

 

今は昔ほどランディに熱中する事は無くなりましたが、時折こうして音源を聴き返したり、公式・ブート問わず界隈に新たな展開があればチェックしています。

 

もう覚えてませんが、当時は1st収録曲を全部弾けるくらいにはコピーしてました。

''Crazy Train''辺りは今でも指が覚えてますね。笑

 

 

 

命日のタイミングで書こうと思っていた記事ですが、色々あって更新が遅れてしました。

ランディについては語り合いたいくらいに思い入れがありますので、これでも結構省いて書きましたが、長文になっちゃってすいません。

また何か決定的なブートや映像が世に出てくるのを期待しています。