教則本とかビデオの類って買ったはいいもののザッと読み飛ばして放ったらかしみたいなことが多いですよね。(ですよね?)
僕の場合は性格もあってかエクササイズ系は本当にやらないです。
今回は、そんな僕が実際に有用に思えた作品をいくつかご紹介します。
まず一つ目はジョー・パスのジャズブルース教則。これは過去にレビューしましたね。
本人による譜例と解説に実際の演奏が収録されています。
内容はタイトルの通り、(ジャズ)ブルースに焦点を当てたもので、コードボイシングやリズムパターン、代理コードの使い方等が載っています。
注意点は、あくまでコードバッキングに特化した本なので、リードプレイには一切触れられてません。
又、譜例の一部は読み手の努力に委ねられる箇所もあるので、1から10まで親切なものではないですね。
多少は理論的な解説がありますが、この本で知るというよりは事前に最低限は知っている事が前提な書き方になっています。
なので、初めてジャズブルースを学ぶ為の本というよりは「多少はやってきているけど、それらに裏付けを取りたい&発展させたい人向け」です。
とはいえそれで変に敬遠するよりは、とりあえず譜例に手をつけてみてジャズブルースのコードの響きを体感するのが手っ取り早いとは思いますし、それには適した本だとも思います。
ちなみに和訳されています。
二つ目もジョー・パスから・・・。これはパス自身のスタイルを大まかにまとめたような本です。
難点は洋書なのと、全ての音符が五線譜であること・・・。
内容は本人が使用するアイデアをエクササイズ/エチュード的な譜例で端的に解説してくれています。
比率的には単音でのリード(スケールアイデア)が7~8割、残りがコードアイデアといった感じで、後半には長尺のソロがいくつか載っています。
ただやはり全て五線譜なのである程度は譜読みに慣れている人向きです。
音符だと単音はともかくコードになると結構大変です。(慣れてくると積み方の絵面でフォームが見えてきますが・・・)
僕は積極的に取り組んでいる訳ではないですが、困った時にちょくちょく目を通してる本です。
なんというか辞書を引く感覚です。笑
三つ目はジョー・パスから・・・おいおい今日はジョー・パス特集で終わるんじゃねえのか??
これは完全にコードソロに特化した内容です。理論解説もなく、6曲のスタンダードを題材にした「コードソロの譜面のみ」が載っています。
教則というよりは教則の為に書いたコードソロ楽譜って感じの内容ですね。
これも全てが五線譜なので、本当に読譜が苦じゃない人向けです。コードソロなので全てが和音になっていて、ポジションを試行錯誤しつつ頭の体操にもなりますよ(白目)
根気は要りますが、コードソロの参考には十分な本です。これも洋書ですが、99%が譜面なので問題ありません。(一応、最初の1ページだけこの本の解説というか補足が書かれてます)
弾きながら自分で分析できる人向けです。
マーティン・テイラーのソロギター奏法を解説する本です。本人の解説と音源(音源は本書内のURLから別途無料ダウンロード)、それらの譜例が載ってます。
これはジャズギター的にも需要が分かれる内容だとは思いますが、マーティン・テイラーの奏法が好きな方は持ってていいかと・・・。
本人の奏法解説を始め、いくつかのシンプルな譜例、終盤にはDanny Boyを題材にした7パターンのソロアレンジ例が載っています。
特定のアーティストに焦点を絞った教則にしては文章量も多く、解説自体は丁寧に書いてくれている印象ですが、それゆえ洋書なのが残念ではあります。
これまた知識のある人向けの内容ですが、あのスタイルの根底にはどういった考え方があるのかが多少は譜面から読み取れると思います。
個人的にはDanny Boyのアレンジバリエーションが流石のマーティン・テイラーといった感じで模範音源聴くだけでも楽しめます。笑
僕自身、この本の内容全てを落とし込めてはいませんが、知らない時よりは読んでからの方が理解は広がりましたし、ヒントを得る事は出来ました。
余談ですが、譜例を採譜したのはガスリーらしいですよ。笑
こちらは紹介するか迷いましたが、ついでに・・・。
本人による楽曲解説のDVDで上述の本とは違い、マーティン・テイラーが発表しているアレンジを基にそれぞれの弾き方を解説している内容です。
これは単純にコピーしたい人向けですね。内容は至ってシンプルで、通しの模範演奏と各曲の部分的な解説といったものです。
譜面は全てPDFで収録されています。
ジャズが続きましたが、こちらはカッティング教則。故・ロス・ボルトンによる教則で、基本的なファンクカッティングを解説してくれます。
ボルトンはカッティングの名手で技巧的な演奏も得意としてますが、この教則ではとてもシンプル且つ初歩的な内容を扱ってますので、ボルトンの派手な部分や職人的な細かいアイデアを期待すると物足りないかと思います。
最初から最後まで本当に基礎的なリズムバリエーションにボイシングやコードパターンといった内容です。
とはいえカッティングの入門にはそれくらいが丁度良く、個人的にはいきなり派手なものに挑戦するよりは無理なくこなせる内容が魅力的で嫌味のない本だと思います。
特に一流のスタジオワークをこなしているギタリストが書いているというのがミソですね。説得力があります。
カッティングの入門にオススメします。逆に基礎を抑えられている人はスルーしてもいいですね。
洋書ですが内容はシンプルですし、付録CDの模範演奏がありますのでそれほど困ることはないかと。
譜例も見やすいです。
他にも教則の類は沢山手元にあるのですが、見返す頻度や実際に得られる実感を考慮すると上記の6作品になりました。
洋書だと英語力が無い自分は結構損してしまいますが、逆に言えば英語がスラスラな人にはかなりの情報量なんだろうなーと思ったり。
ちなみにラインナップがジャズ教則ばかりですが、僕自身はガチジャズ勢では無いです。