スコヘンのシグネチャーとなるディストーションがようやくお披露目されました。
結構前から情報は出ていた機種ですね。
本機の元ネタとなるMaxon SD-9はスコヘンやランドウが使用している事でも有名ですが、評価が高い一方でトーンコントロールの使いにくさや音量不足が指摘されていました。
今回のシグネチャーはそういった難点を解消するべくオリジナルの設計者、田村進氏の協力のもと回路の改良が施されたモデルとの事で、
こう聞くと「設計者公認のモディファイ」の様ですが、製造/販売はMaxonでは無く海外メーカーのTWAが行います。
(余談ですが、TWAは倒産後のGuyatoneの一部製品を引き継いだりもしてました)
ちなみにSD-9Mという名前でIbanezから公式なモディファイ品も存在しており、そちらはミッドとゲインのブーストスイッチが増設されていますが、評判はイマイチなようです。
上記の動画では、スコヘン本人がSD-9と比較しながらこだわりポイントを説明してくれています。
基本的な音に大きな違いは無いように聞こえますが、
スコヘン的には、SD-9はトーンを上げると尖った音になり過ぎて自分のスタイルには合わないので、少し抑えて9~10時くらい(スコヘンに限らず皆んなそうですね)に設定するのですが、ハイを削った分どうしても音がこもって低音弦がボヤけたり、そのボヤけが高音弦にも干渉して不要な帯域(ボォーっとしたうねり?)として付いてくるのが悩みだったようです。
逆にそれらを解消する位置までトーンを上げると上述の通り尖り過ぎた音になるので、その間を狙ったセッティングが出来ないんですね。
SH-9はそういった要素が改善されているようで、なんとなくで聴くと違いは分かりにくいですが、確かにSH-9の方が全体的にスッキリしていて伸びやかな印象です。
一聴して分かるレベルで音色を変えてしまうと別物になってしまいそうですし、ちゃんとスコヘンが気に入っている要素を残しつつもかなり細かいところで調整して好みに近づけているようです。
同じ単純なフレーズを何度も繰り返して説明しているので、同じ条件下での微妙な違いを伝えたいんだと思います。
又、比較時にSD-9のボリュームが最大なのに対して、SH-9は常に10時くらいにしてあるので音量の調整幅もかなり改善されてそうです。
ちなみに気になるお値段は300ドルで、現状では日本市場でのアナウンスは無いですね。
TWAでは以前にもGuyatoneのワウロッカーを引き継いだ事で一部で話題にはなりましたが、あれは結局日本には入ってきてなかった気がするので今回のもちょっと怪しいです。笑
SD-9の回路図は出回ってたと思うので、今回のも解析されて同等のモディファイ情報なんかも出てきそうな予感はあります。