結構前から欲しかったけど、いまいち買うタイミングを逃してた歪みエフェクターです。
今から書く内容は知ってる人にはあまりにも当たり前の事なので、面白く無いかも知れません。
かのヴァン・ヘイレンの音(ブラウンサウンド)に最も近いとされるOD~Distです。(雑誌企画の？)VHの音が出る歪みランキングでも見事1位の座に輝いています。
いわゆるFETという回路を使い真空管アンプに近い特性を作りあげているらしく、弾いた感じジャズコでもかなりチューブライクな感触でした。
又、基本となる回路は''BSIAB''(Brown Sound In A Boxの略)を使用しているそうです。
コントロールは見ての通り非常にシンプルですが、このエフェクター独特の仕様が存在します。
それは、先に書いたFET回路なんですが、なんとデフォルトで搭載されている物の他に予備で二本付属しています。
勿論、デフォルトと違う型番の物です。
本来は''102''という型番のFETが二本搭載されているのですが、それとは別に''5457''というのが同じく二本付属しています。
拡大写真。
HIGH GAIN 5457とプリントされているのがそうです。
これらはゲイン幅に関係していて''5457''のほうはハイゲイン傾向にあります。なので、''102''から''5457''に付け替える事で最大ゲインを大幅に増やせます。
ちなみに解説書にも一切触れられていない仕様ですが、愛用者の間では常識の様ですね。
簡単に使用感を書いていきます。
まず、FET交換の利くゲイン幅に関してですが、正直デフォルト状態でかなり歪みます。好みの程度はあれど一般的にはハイゲインの部類だと思います。
音色的にはローミッド主体のドッシリした歪みです。ハイはややこもりがちなのでトーンをかなり上げ目に設定して丁度いいくらいでしょうか。
ボリュームの大きさが僅かに歪みや高域の張りに干渉してきます。こちらもやや上げ目にすると気持ちのいい歪みが得られますね。
全体的には正直言ってVH程アメリカンな印象は無かったです。低音の雰囲気とか似てますが、ミドルのエッジが結構甘いですし、VHほど粗くなく音に艶や滑らかさがあります。
確かに似てると言えばそうですし、これ以外でVHっぽい歪みと聞かれると即座に答えられませんが、僕の印象だとむしろユーズ・ユア・イリュージョン発表時のスラッシュのほうが近いんじゃないか？って感じです。
ローがしっかりしているので音も潰れにくくて良いですね。ただ人によってはこのローが暑苦しいかも知れません。
又、倍音がよく出るので勢い任せな演奏の時はともかく、落ち着いて聴かせたいときは倍音のせいで少し気が散るかもしれません。
バッキングにもリードにも使えてかなり優秀です。さらに特筆すべき点は、クランチの良さです。
強く歪ませていても手元の操作でジャキっとしたクランチが作れます。
最後にFET交換ですが、''5457''二本にするとメチャクチャ歪みます。ここまでは必要ないわwって言いたくなるくらい歪みます。
ただ、それでも素晴らしいのはデフォルトの良さを損なわないところです。ゲインが増えてもその分ツマミを絞ってやればデフォルトとなんら遜色ない歪みを作れました。
勿論、下限は狭まりますが元々ハイゲインにしたい人には必要ない部分でしょうし、そもそもこのペダルはローゲインで使う代物じゃないと思います。
そこそこ歪まして、音量も出して真価を発揮するタイプですね。
そしてFETの組み合わせは自由なので、''102''と''5457''の組み合わせも可能です。
・・・が、これだけは微妙でした。単純にデフォルトとハイゲインの良いとこ取りが出来ると思ったのですが、音色に影響してしまい、なんだかローが余計に主張するのでダメでした・・・。残念。
と、ここまで書いておいてアレなんですが、この予備FETは現行機種ではもう付属しないようです。いつの間にか仕様変更されてたようですね・・・。
石橋楽器の商品ページに書かれていたので、制作者本人に質問したら本当のようです。返答と共にFETを買える店のURLまで添えてくれましたw
現行品は''102''のみが二本。要するにノーマルゲインという事になります。
僕のは新品の購入でしたが、サウンドハウスにあった在庫に賭けたら見事ビンゴでした。しかも石橋楽器の価格を提示する事で値下げもしてくれました。
国内最低価格保証ってやつですね。初めて適用されました。
それなりにハイゲインで硬く無く、タッチレスポンスに優れた歪みを探してる人にはかなりおすすめできます。
「VHの音」だとか先入観持たずに弾いてみて欲しいですね。単純にスグレモノです。
