Nakaji(ナカジー)の日々のギターとか音楽ネタとか。     ~Slight Return~

Nakaji(ナカジー)です。ギター弾いてます。講師も。気まぐれで採譜したTAB譜を公開したり、ギタリスト主体の音楽ネタや自身の日々を緩く書いていきます。                  更新は不定期ですが最低でもひと月に一回は何か書きます。諸々のご連絡やご依頼はCONTACTからどうぞ。

Stringphonic ''Basic Model''

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メインで使ってるジプシーギターです。大阪のギターショップ「Stringphonic」がプロデュースする国産ジプシーギターで、これはラインナップの中でも一番安価な''Basic Model''になります。

 

一番安価とは言ってもそのクオリティはそこらのジプシーギターではなし得ないものになっており、今までミドルクラスでここまでのギターは無かったと思われます。

というのもこれまでのジプシーギターは比較的手頃な機種に関してはもっぱらアジア製(中国製)が中心でした。

今となってはそのアジア製ですらも10万円くらいから流通してる印象で、未知のジャンルに踏み込むには躊躇する値段です。

品質も当然ながらアジア製の域を出ないものでした。

本場フランス製やその他のヨーロッパ製の本格的なモデルとなるとその比では無く、50万円以上は当たり前。仮に欲しくても在庫が出回る事すら稀です。

このように妥協を強いられるアジア製か高価なヨーロッパ製かの二択に近い状況で、絶妙にその中間のクラスが無かったんですよね。

なんていうか誤解を恐れずエレキで例えるならフェンダースクワイヤ(ブランド)と本家カスタムショップ、マスタービルドはあるのに、普通のUSAスタンダードが無い、みたいな感じに近いです。

 

その昔は10万以下のクラスですとARIAが頑張っていたのですが、それも近年は製造をやめてますし、その他ブランドも単純な入荷数の減少によってリーズナブルなものは入手しづらくなっています。

なので、一番安いものでも上述の通り10万前後とお試しで買うには結構なハードルの高さがあります。

ただその中でもこのストフォニのギターは『完全な国内製造』ながらも138000円(今は値上がりしてます。それについては後述・・・)という価格になっており、

品質に関しても同価格帯の他社のものと比較して相当デキが良いです。

 

鳴りの良さは勿論のこと、音色も低音は豊かで適度にタイト、中高域も立ち上がりが良くて程よく甘さがあります。

全体的な音の甘さや太さで言えばDupontの方がありますが、あれが逆に低音のコシが足りないと思う方には特に向いてると思います。

良い意味で国産ギター的なまとまりの良さを感じます。

 

ネックは一般的なジプシータイプの中では普通かやや薄いくらいだと思います。普通に快適なシェイプなので僕はすぐに慣れました。

 

フレットサイドの処理もバッチリですし、ネックセンター位置もバランス良くてストレス無いです。(安価なアジア産だと、指板の左右どちらかに弦が片寄ってたり、ブリッジの位置取りや溝切りが微妙だったりします。・・・というかこれはDupontでもありえます)

 

ネックには特許を取った特殊な仕組みが採用されてるようで、

「一般的なギターと同じく反る時は反るけど、おかしな反り方はしない」ように作られてるそうです。

反りと言っても色々あると思いますが、トラスロッドで対処できないレベルでネックがオシャカになる事は無い、との事です。

ちなみに僕は購入して一年程になりますが、購入時にあえてやや逆反りに動かした以外は一切ロッドは触って無いです。

頻繁に屋外に持ち出してますがネックはかなり堅牢な方だと思います。

 

重量に関してはかなりの軽量になっており、手軽に持ち出せるのも良いところ。

これは本家セルマーに近づけるための拘りだそうで、

材や構造部分で生じる重量差を金属パーツやその他でうまく辻褄合わせて、トータルでほぼ同じ重さに持っていったそうです。笑

 

上位モデルに''Advanced Model''(約35万円)がありますが、''Basic Model''との大きな違いは材や部品のグレード面で、工程や仕上がりに殆ど差は無いです。

一応、Advancedの方がベントトップになってたり、ネックジョイントに違いはあるもののBasicで事足りるので、ストフォニの店長曰く「価格設定をミスった」らしく、色々キツイのでBasicの価格を上げる方針になったそうです。

確かに倍以上差があるのに、基本性能同じなら安い方買うよなって感じで、実際僕もAdvancedも弾き比べましたが「あ・・・(察し)」って感じでした。

 

塗装はかなり薄いラッカー仕上げですぐに傷や剥がれが生じますが僕はウェルカムですね。笑

ホール付近が擦り減ってて、めちゃくちゃ練習してるとよく誤解されますがこれはわりとすぐこうなります。笑

 

 

アジア産のリーズナブルなものだと他にGitane、Altamira、最近だとEastman(普通に仕上がり良いですが、鳴りはストフォニの方が好きでした)がありますが、

それでも新品価格はどれも10万以上したりするので、Stringponicはかなり頑張ってるギターだと思います。

アジア産の場合だと「いつかは本場のジプシーギターを・・・」って事になりがちに思いますが、Stringphonicは「まあこれでもいいや」って思える(当社比)程度には作りの良さや充実感あります。

値上がりしたのは惜しいですが、それでもコスパは良いのではないでしょうか。

 

 

 

↓Stringphonicによる解説ページ↓

 

 

 

余談ですが、僕はシプシー弦は定番のSavarez(011~)が好みです。D'Addario、Pyramid、Optima等も試しましたが、貼りたての頃の心地良さはSavarezが良かったですね。

ちなみにループエンド派です。