Nakaji(ナカジー)の日々のギターとか音楽ネタとか。     ~Slight Return~

Nakaji(ナカジー)です。ギター弾いてます。講師も。気まぐれで採譜したTAB譜を公開したり、ギタリスト主体の音楽ネタや自身の日々を緩く書いていきます。                  更新は不定期ですが最低でもひと月に一回は何か書きます。諸々のご連絡やご依頼はCONTACTからどうぞ。

オーダーしていたギターが完成しました。 その② ''Psychedelic Guitars Custom TL'' (TUNE Guitar Maniac)

前回から結構日が空いてしまいましたが、オーダーしたテレキャスの事の続きです。
本当は1週間くらいで書くつもりだったのですが、なんやかんやで遅れました。すいません。

前にも言ったように今回はテレキャスをオーダーするに至った経緯とかそれらに対する僕なりの考えみたいなのを書きたいと思います。完全な自分語りな上にクソ長いので興味ある方だけ適当に読み流す感じで・・・笑


まず最初に言わなければならないのが、3年くらい前にオーダーしたSuhrの事ですね。
これは今までに散々書いたので、過去記事と内容が重複しますがもう一度大まかに事の始まりから説明させてもらいます。

3年程前、結構な円高が進んでいた(ドル80円くらい)のをキッカケに海外に直接オーダーして作ってもらったSuhr Modern。
僕は英語力に乏しいので、翻訳サイトや例文サイトを駆使して色々と頑張ってました。笑
結果としては、ディーラーにほぼほぼ理想通りのスペックを伝える事に成功して、輸送トラブルも無く、かなりのトントン拍子でギターは手元に来ましたが、残念な事にネックの塗装のみ違った仕様になっていました。
ギターの塗装はオイルフィニッシュを選択してましたが、僕の希望は日本の気温を考慮して「ネックのみサテンで」というやや特殊なスペックでのオーダーでした。
オイルを選択した時点で、ギター全体にそれが適応されるので、この場合「オーダーシートのネックオプション欄に別途サテンを記入する必要があった」のは後から知ったのですが、当初それを知らない僕はディーラーに直接ネック塗装の相談をし、結果向こうから「ならサテンがいいんじゃないか」、と提案され、それでGOサインを出しました。
ディーラーからも「OK! サテンネックでオーダー通しておくよ」みたいな返信もありました。
その際に頂いたオーダーシートにはサテン云々の追記はありませんでしたが、あれだけのやり取りをディーラーとしたし、何も心配してませんでした。そもそも先述の通り、ネックオプション欄の存在を知らなかった(気づけてなかった)僕の落ち度でもありますね・・・。

そうこうしてたら予定とは違いギター全体がオイルフィニッシュとなって完成してました。
届いた当初は驚いてディーラーに問い合わせたりしたものの、少し使ってると逆にオイルの手触りや質感の良さから「まあこれもありか」となり、結局ディーラーには「案外いい感じだしもうこれでいいよ」と連絡して終らせました。
塗装が違うという事に対するディーラーからの最初の返答は修正対応とかでは無く、「オイル塗装のメンテ方法をSuhrに確認してまた連絡するよ」という見当違いなもので、数日待っても連絡は無く、その間にもうこれでいいと思ったその旨伝えると「安心したよ!でもオイルメンテの事はSuhrに確認してるよ!私はあなたの事を忘れてません!」と言った返信をくれたもののそれを最後に結局メンテの事は何も連絡くれませんでした・・・笑
ちなみに自分でSuhr本社にメンテ方法を聞いたらすぐに推奨のオイルの種類(取扱店のリンク付き)と塗り方を解説したメールが来ました。笑

と、まあこんな具合でニューギターライフをしばらく満喫していたのですが、1年経つかなってくらいの時期に1弦の5フレット辺りに音詰まりが発生。
PLEKに出したところ原因はネックの捻れからくるものだったようで、その場はフレットの擦り合わせで何とかなったのですが、それ以降ネックに違和感を覚えるようになり、いくつかの工房や調整に詳しい友人に見せて相談したりしたもののこれという改善案が見つからず、そこからはギターを弾こうと手に取ると数分弾いては弦高を変えたり、ロッド回したり・・・という調整だけしてその日の練習が終る、という無限地獄に陥り、いつの日か諦めモードに入った僕は以前使っていたS1(こっちは安定してる)を再びメインで使うようになりました。
Modernには調整費用だけ10万くらいは余分に掛かってると思います。バカみたいな話しですが、それくらい気に入った仕様だったので何とかしたかったんです。
同仕様でもう1本オーダーしようかとも考えた事もありましたし、Suhr本社にネックのみ作り直しをお願いしようとメールも出して交渉してました。
しかし、もうこれ以上は修理にお金を掛けるのもツライですし、新たにオーダーするにしても前程の円高ではなくなっており、それでまた何かしら失敗したら・・・という不安もあり踏み切れませんでした。
ネック材が頑丈なパーフェローなだけに捻れと塗装ミスの因果関係は分かりませんが、この一件以来ギターに対して頑丈さやメンテに出す気軽さ、メーカーとの距離を優先する事になり、比較的近場にあるTUNE工房に目を付けたのがオーダーの始まりでした。
結果的にはこの選択は正解で、前回書いたように本当にいいギターを作ってくれました。

Suhrは今でも好きなメーカーですし、もし国内に工房があったらと何度妄想したか分かりません。笑
Modernは不具合がなければ今でも使ってた可能性は高いです。
でも、どうしてもあれ以来刷り込まれたネックの違和感と不安がつきまとい、どうにも気持ちよく弾けないのです・・・。
加えて単純にネックシェイプの好みが変わってしまったのも大きいですね。

やはりギターは海外のものが人気は圧倒的ですし、価値観はそれぞれとはいえ単純な所有欲の満足感も大きいと僕は思ってます。
ですが、ネットが普及した今、すぐやり取り出来るとはいえ、海の向こうである事に変わりはなく、「その後」を心配した場合、国産と比べて不利なんですね。
そういった理由や反省を踏まえて今回の一件では「安心感」を優先するに至りました。

楽器は想い入れや巡り合わせから来るモチベーションがプレイにモロに影響すると思ってるので例えば僕のModernみたいな境遇でも「どうしてもこれでやっていく!」という熱い感情をモチベーションにやる人も多くいると思います。
ただそうするにはあまりにも気持ちが離れてしまったうえに(これがもしヴィンテージのFenderとかだったら僕も話しは違ってました)、あの頃と価値観も変わってしまい、近場の工房でいつでも不満点、不具合を直せて改善できる気軽さと、それによって常に自分の意見を反映して楽器を育てる事ができるとこに惹かれました。
よく言われる経過による鳴りの変化とか材の馴染みとかの自然現象とは別の育て方ですね。明らかに人為的な育て方とも言えるので人よっては賛否あるとは思います。
楽器の味わい深さ、みたいなものは軽視して、とにかく頑丈にストレスフリーにという部分に重きを置いてます。


勿論、海外のギターを日本で調整するのは無理とか難しいとかそういう話しではないです。流石にそれは思わないですし、今まで利用させて頂いた工房のリペアに大きな不満を持った事はないですね。笑
ただ単純に製作者のノウハウがすぐ近くにあるに越した事は無いなあ、と。
メーカーのトップの人間や製法が大幅に変わらない限りはいつでも正解の状態(オリジナル)にもっていけるので、実際のところ精神衛生上めちゃくちゃ良いですね。
多少の不満が出てもそこに固執する事無く、「まあ、いつでも直せるか」という気持ちの余裕をひしひしと実感してます。
実際、前回お話ししたカッタウェイ周りのの浅さもこれがもし輸入したギターだったらメチャクチャ落ち込んでると思います。笑

この安心感は別にオーダーギターどうこうの話しに限らず、単純に信頼できる居心地の良い工房を見つけてリペア等で利用してる方々は同じ感情を持ってると思うんですよ。
飲食店でも床屋でも美容院でも安定して自分の要望が通る(もしくは期待から外れない)お店を見つけたらわざわざ他を探す必要がなくなるあの感じというか・・・。ホームを見つける感じです。
余計な心配が無くなるんですね。


輸入が良いとか悪いとか、価格差がどうとか、そういった優劣の話しではなく、あくまで僕個人の経験から来る価値観と反省から書いた内容ですので、そこだけ誤解が無ければと思います。
輸入でも理想通りのものが手に入ればそれが最高ですし、巷で上乗せが高いと言われるオカダ経由のSuhrでも店頭で試奏して吟味したうえで一生モノが手に入ればマージン分の価値はあると思います。
昔の記事にも書きましたが結局は「たら、れば」の話しになってしまうので、理想論を言い出すとキリが無いと言えばそうですね。笑


今でこそ良いですがこのテレキャスも今後どうなるかなんて誰も分かりませんしね。


Modernが届いた時も「これが最高!ベスト!旅の終わりや!円高万歳!」とか言ってたんだよなあ・・・(遠い目)







テレの受け取りと同時に調整から戻ってきたModern。TUNEさんが僕の不満を基にその原因を検証してフレットの高さ等を改善してくれてかなり良くなってます。
多分僕以外の人なら特に違和感ないかもです。

見た目これ以上無いくらい気に入ってます。



テレのカッタウェイの修正はすぐに出すつもりがちょっと予定が合わず、まだ持って行けてません。
修正済んだらまた報告させて頂きたいと思ってます。
その前に簡単なデモ動画とか撮れたらとは思いますが、例のごとくいつ取りかかるか分からないですね・・・。