Nakaji(ナカジー)の日々のギターとか音楽ネタとか。     ~Slight Return~

Nakaji(ナカジー)です。ギター弾いてます。講師も。気まぐれで採譜したTAB譜を公開したり、ギタリスト主体の音楽ネタや自身の日々を緩く書いていきます。                  更新は不定期ですが最低でもひと月に一回は何か書きます。諸々のご連絡やご依頼はCONTACTからどうぞ。

耳コピについて。

ギターを通じて音楽の話しになると、よく聞かれるのが「耳コピ」の事。

僕自身、なんでもかんでも正確に聴き採れるとは言いませんが、耳コピ自体には特に抵抗も無く、それを譜面に起こす作業も割と楽しめる性格ではあります。(実際手間だし、面倒なのは間違いないですが)

ライブでやる曲とかレッスンでの生徒さんの希望曲、その他個人的な理由でちょくちょく採譜する事が多く、中には結構面倒なものとかもあるので、どうやってコピーするの?って尋ねられます。

なので今回、その辺り僕なりの考えとか方法を書いてみようと思います。

 

 

まず、よくある「音楽理論は必要か?」という質問。

これはコピーする曲にもよりますが、作業の効率、答え合わせの判断をするという意味では理論は知ってた方が絶対良い、とは思ってます。

最終的な判断が耳になるのは勿論ですが、理論やパターンを知ってると予測の範囲は広がります。

知らずとも聴き取れる人はそれでいいですが、もしそれを他人と共有する場合はコードネームや多少の楽典は理解してた方がお互いやり取りがスムースになります。

ただ、「理論だけを知ってれば耳コピ出来るようになる」とは全く思いません。結局は実践するのが一番かと・・・。

 

次に「何からやればいいか?」という質問も・・・。

 

これはシンプルで「何でもいいからやるべき」です。僕の経験上ですが、「OOが出来ない」と相談された時に「今どんな風にやってますか?」と聞くとそもそも「やってない(出来ないと思い込んでいる)」と返ってくる事があります。

こういう場合、分からないなりに何でもいいから手をつけてみるしか無いです。

結局、色々と数をこなして慣れるのが近道に思います。

何の音に関しても敏感になり、何か気がついたら(興味が沸いたら)拾うという癖をつけるのは効果あります。

これはラリー・カールトンが教則で実際に言ってた事ですが、彼も常にピッチパイプを持ち歩き、音楽以外に生活環境音でも何か気になる音があればパイプを鳴らして、音程を確認していたそうです。そうしてるうちに音程が分かるようになったとか。

「やってるけど出来ない」というケースについては、単純に弾く曲のレパートリーが少なかったり、まだまだ現在進行形だったりするかと思うので、とりあえず毎日ほんの少しでも耳で判断する癖をつけるのがいいかと。

いきなり完璧は無理なので、出来なくても嫌にならず、コツコツと軽い気持ちで取り組むのが長続きのコツでしょうか。どうしても個人差はあります。

 

あとは、和音やコード進行が分からないケースですが、これは僕も迷う事が多いです。

単音だと余程の超人演奏では無い限りはそれなりに採譜出来ますが、和音は解釈の違いも含めて正確なコードネームを判断するのも難しい事がありますね・・・。

ただ、パターンを知る事でコピーの速度を上げる事は可能です。

 

例えば、オールドロックを好きな方にジミヘンあるあるのE7#9でズンズンジャーン♪ズンズンジャーン♪って弾いて見せると言わずともすぐにコードネームが返ってきますが、ジャズ的な使い方で|| E7#9 - E7♭9 ||という流れで弾くと全く分からないという事もありました。(逆に言えば、ジミヘンのあのリズムが付けば分かる)

これって同じボイシングでやってるのに気づけない理由はただ一つで、パターンを知らないから違って聴こえる(もしくは自信を持てない)という感じだと思います。

パターンを知るのは結局コピーしか無いのですが、「それも耳コピで・・・」となると元も子もないので分からないうちは素直に楽譜頼りで問題無いと思います。

特にポップスのコード進行の多くは流行りモノである以上、大体の方向性や多用されがちなパターンがかなり存在しますので慣れてくると初見の曲でも再生と同時にコード追えたりします。

ただ、これに関して僕は相対音感持ちなので、音程で聴こえてるのではなく、あくまで「パターンで見えてくる」という状況ですが、やはりこういうのの積み重ねが後に繋がっていくと思います。

何か音楽を聴いた時に「既に音が運指で聴こえる」という経験を持つ人いると思いますが、程度の差はあれど、そうなる状況がどんどん増えていくといいんだろうなー、と。

やっぱり「どうやって弾いてるんだろう?」となったものを放ったらかしておくとずっと謎のままなんですよね。

 

 

 

ここまで単純に思うことだけをダラダラと書きましたが、あまりにも独り言なので、参考になるかは分かりませんが僕の普段の耳コピのやり方を書いておこうと思います・・・。

 

 

まず、単音を採る場合。

PCで音源を再生する前提にはなりますが、常に左手はネックをハンマリングで発音出来るように、右手はマウスを持ち、聴き取り箇所にカーソルを合わせておきます。

あとはクリック連打で何度も再生&ハンマリングで音程を探っていく・・・という感じです。(これは多分皆さんやってるかと・・・)

何度やっても聴き取れない時はそこは飛ばしてしまい、少し先の箇所をやってみて、それでそこから逆算するような感じにする事もあります。聴き取れた箇所からのインターバルで判断するやり方です。

特にベース音が低すぎて不鮮明で困った時はこの方法でその先を聴いてみるとなんとなく音の動きが見えてきますね。

あとは今はほぼやりませんが、単純にソフトで再生速度を落としたり、EQ処理で聴き取りやすくしたりも手です。

 

和音の場合。

これは僕はまずはベースから採ってます。で、メジャーかマイナーか、というのがあり、7thやテンションは入ってるか?という感じです。

これもやはりパターンや響きの特徴で大まかに見当はつくようにはなりましたが、どうしても知らないパターンだったり、音が混ざり過ぎて分かりにくい場合も・・・。

この時によくやるのが、ベースのルートを基に構成されてそうな音を実際に鳴らしてみる方法です。

 

例えばですが、かなり極端ではありますが、Cメジャーの和音が聴き採れなかったとして・・・

 

まず、ベース音のCを採ります。(これも分からなければお手上げですが)

それ以外がよく分からず「メジャーかマイナーどっちだ??」となった場合にとりあえずメジャー3rdのE、マイナー3rdのE♭のどちらかをポーンと鳴らしてみます。

そしてその音が耳に残ってる内に音源を聴き直してみます。すると、今まで埋もれて聴こえなかった音が少し際立って聴こえてくるようになるんですね。

他の音も同様で「多分この辺りの音を使ってそう」と感じたらそれを実際に鳴らして音を頭に残して聴き直すと結構聴こえてきます。もし間違っててもその音と相対的に近い音が浮いて来たりします。(急に暗闇に入る前に目を閉じて慣らすと見えやすいあの感覚に近い)

で、「多分この辺りの音を使ってそう」という判断は理論を知ってると見当つけやすくなります。

 

ただ、本当に聴こえない場合は僕は強引に理論でねじ伏せて勝手に納得してます。笑

そういうのもしばらく放置してやり直すと違う視点から見れたり新たな発見がありますね。

 

と、ここまでエラそうに書いてますが、まあ無理なものは無理ですし、所詮はギターの構造の範囲内での和音解釈ですので、ピアノの複雑なボイシングとかになると今だに手こずります。

パターンや経験則で絞り込む事が出来ても結局どれが正解?って曖昧な事も多々ありますね・・・笑

 

でも和音の際に構成音予測して耳を慣らす方法は結構効果あると思います。