Nakaji(ナカジー)の日々のギターとか音楽ネタとか。     ~Slight Return~

Nakaji(ナカジー)です。ギター弾いてます。講師も。気まぐれで採譜したTAB譜を公開したり、ギタリスト主体の音楽ネタや自身の日々を緩く書いていきます。                  更新は不定期ですが最低でもひと月に一回は何か書きます。諸々のご連絡やご依頼はCONTACTからどうぞ。

L.Luthier ''Le Light S''

                 

マレーシアのメーカー、L.Luthierのアコギです。

こちらは''Le Light(ラ・ライト)''という入門的なシリーズで、その中でもピックアップ(ピエゾ/マイク)を搭載しているモデルです。

 

このメーカーは全く知らなかったのですが、2009年発足の比較的新しいメーカーのようですね。

安価なモデルからそれなりに高価なものまでアコースティック楽器をメインに製造しており、どれも手頃な価格ながらも中々にモノが良いと評判のようです。

特にこの''Le Light''は一番安いモデルでお値段は新品でも6万円程・・・。アコギとしてはコスパ系の部類ですが侮れないギターです。

 

 

まず基本的なスペックですが、

・スプルース/トップ

マホガニー/ネック

・ローズ/指板

ラミネートマホガニー/サイド・バック

 

という構成で、PU非搭載のモデルだとトップはシダーになるようです。

あと結構大事な点ですが、ネックはショートスケールになります。

 

全体的に独特なデザインが目を惹きますが、そのサウンドは評判通りしっかりしたもので、価格を考えるとかなり良いです。

なんというか安いギターにありがちな鉄っぽいシャバシャバした感じが無いんですよね。

構造的に特殊なのは、サウンドホールの位置だったり、ボディサイドにモニターホール(サイドポート)加工が施されている点ですが、それらが要因かはともかくこのサイズにしては結構低音が出る印象で、全体的に暖かい鳴りをしてくれます。

単音でも適度に太く出てくれるので、ストローク以外にも指弾きでのソロギやリードにも映える音色だと思います。

というかむしろストロークでキレを出したい場合はピッキング位置に少し注意が必要で、僕の場合だと普段よりもブリッジ寄りで弾いた方がしっくりくる感触でした。

 

 

ショートスケールのネックは、やや小ぢんまりした手応えはあるもののそれ自体はさほど気になりません。

圧さは太くもなく薄くもなくといった感じで、そこそこ万人受けするシェイプかなと思います。

フレットサイドの処理はまずまずな具合で、これは「この価格帯ならこんなもんだろうという仕上がりの範疇」か、もしくはそれよりは「もう少し気を遣った仕上げ」な感じで全然悪くはないです。

フレットのレベリングも問題なく、出荷時のセットアップで変なビリつきは無く、擦り合わせがちゃんとしてる印象です。

ただ、安価なアコギあるあるですが、弦高はそれなりに余裕をみた高さにされてるようなので、人によってはすぐにナットやサドルの調整が必要になると思います。

あとは僕だけかも知れませんが、このモデルは指板上の弦が全体的に中央に寄り気味(?)な印象で・・・。

なんというか普段のノリで押弦すると、自分の感覚より少し違う位置に弦があるみたいな感じです。でもこれはしばらく弾いているうちに慣れてきますね。

 

 

上述の通り、サイドにホールがある「サイドポート構造」を採用しているのですが、

   

これが思ったよりも恩恵あるみたいで、丁度顔の方にも音が飛んできてくれてモニターしやすいです。

めちゃくちゃ聴こえが良くなるというワケでもないんですが、あるのと無いのとでは音の広がりが結構違っていて、実際にここを塞いで聴き比べもしましたが、断然開いてるほうが良いです。

ステレオ感と言うと大袈裟ですが、鳴りや音色、耳への届き方が豊かになる印象は受けました。

 

 

電装部分にはピエゾとマイクの両方が内蔵されており、コントロールはピエゾVol、マイクVol.、Toneの3ノブ。

ピエゾとマイクそれぞれにVol.ノブがありますが、これは独立して調節できるワケではなく、まずピエゾありきでそこにマイクをどれだけ乗せるか調整する、という方式です。

要はマイク単体では出力出来ないんですね。

なので、マイクだけで鳴らしたいからといってピエゾ側を絞りきるとそもそも音が出なくなります・・・。

音が良いだけにそこだけ少し惜しいかな。

あとはマスタートーンがあるので、高域がうるさい場合はカットが可能です。これがあるのはありがたい。

 

 

肝心の音については生音/PU共にかなり好印象で、本体の仕上がりも全体的に値段以上の作りの良さを感じます。

塗装が薄いサテンマットなので触った質感もサラサラ、スベスベしていて気持ち良いですし、不自然な塗装の厚みが無いので鳴らした時の軽快さもあり、手に取っていて楽しいギターです。

あと本体自体がめちゃくちゃ軽い!(重要)

わりとマジでギグバッグ(付属します)に入れて背負った時に入れ忘れてないか不安になる軽さです。笑

 

 

総評すると「この値段でこんな音良いのか」って感じで僕的にはかなりコスパが良かったですが、昨今の楽器界隈の値上がりを考えると今後どうなっていくのか・・・ってところですね。

でもまあとりあえず6万くらいのアコギで良いのを探している方は是非一度試してみる事をお勧めします。

 

 

ここからは余談ですが、見てて気づいた人もいるかもですが、台湾メーカーのaNueNueとめっちゃ似てるんですよね。

aNueNueも同じ2009年発足なので、なんか関係あったりするんですかね?

偶然にしては、デザイン諸々似てます。

関係あったところでなんなの?って話しではありますが。笑