フランスのジャズ・ギタリストのSylvain Lucが亡くなりました。
今のところ詳しい死因は公開されてませんが、「心臓が止まった」とあるので、
これが文章表現的な意味では無いなら突発的な発作みたいなものかも知れません。
まだ58歳だったそうで、あまりに早いと感じます・・・。
シルヴァンといえば、特にGodinのエレガットでコンテンポラリーなジャズを弾くスタイルでよく知られてると思います。
昨今のコンテンポラリー系同様にやや難解な印象ですが、ビレリ・ラグレーンとのデュオアルバムでは比較的聴きやすい楽曲が多く、僕はそこから入ったクチです。
当時は学生で、その頃はまだジャズギターの類をちゃんとは聴けてませんでしたが、
ビレリのスピーディな演奏には興味があったので、その流れでシルヴァンとのデュオアルバムを知る事が出来ました。
最初に聞いたのが、''Isn't She Lovely''をカバーしてるライブ映像で、
これの衝撃は凄まじく、動画を保存してmp3にも変換してiPodに入れてヘビロテしてた記憶があります。
僕はメタラーだったので、どちらかというとビレリの速弾きに注目して採譜もするくらいでしたが、シルヴァンのボイシングやバッキングの凄さ、リズムの正確さにも感動しました。(言うまでもなくソロも素晴らしい)
ただ当時の僕にはこれらを分析する程の知識は無く、まだ分かりやすいビレリに集中した感じです。
ちなみにこの曲はご存知スティービー・ワンダーのカバーで、一般的にはキーEで演奏されますが、上記のバージョンはGになってます。
当時の僕はそもそもこの曲をビレリとシルヴァンから知ったので、僕の中ではGでやるのが当たり前でした。笑
そういうものだと思ってましたね。
のちにEとかFでやる方が普通と知り、困惑した覚えがあります。笑
ポップスのカバーではありますが、僕にとってジャズギターに興味が湧いたキッカケともなった演奏なので、思い入れは強いですね。
デュオアルバムの''Duet''、''Summertime''の二枚はかなり聴き込みました。
ギターデュオにおける一つの指標というか、こんな感じに演奏出来たらイイなと常々思います。
ジャズ云々抜きにテクニカルギター目線で聴いても楽しめます。
感覚派暴れん坊のビレリ、知的で整然としたシルヴァンの演奏の対比がうまくまとまってます。
正直、ビレリとの作品以外でシルヴァンのファンを語れるほど聴き込んでませんが、
目に入った動画を再生するたびに感銘を受けるプレイヤーです。
まあ、バケモノ(直球)ですね・・・笑
これは2022年の映像で久々に(?)デュオでライブした時のもの。
アップされた時に見つけて「あ、またやってるやん!」と思って嬉々として再生したんですが、
中盤から差し込まれる''My Way''のパート(9:10~)で、おっさん二人が楽しげにギター弾いてる姿(バカテク)と旋律の綺麗さにやられて当時リアルに涙が出てしまいました・・・笑
再会のステージを楽しんでる感というかなんというか・・・。(僕が知らないだけで定期的にやってたのならすいません。笑)
シルヴァンを見る度にGodinのエレガットが欲しくなるんですよね・・・。
本当に早過ぎる死が残念でなりません。