E.W.S.のファズ系オーバードライブ、''Little Fuzzy Drive(LFD)''です。
’’Fuzzy Drive(FD)''の後期型で、その名の通りミニ筐体になり、
モードスイッチが追加されました。ゲインも増したそうな。
サイズのわりにはズッシリした重みある筐体です。電池も使用可能。
EWS ( エンジニアリング・ワーク・ストア ) / Little Fuzzy Drive
モードスイッチにより、
・''Fuzzy Drive mode'' (FDのままの音)
・''FAT FUZZ mode''
の二つが選択できるようになっているので、序盤はFDモードについて書き進めます。
基本的なサウンドはFDと同じなので、ほぼほぼFDとの比較レビューになります。
(FDのレビューはこちら↑)
前機種のFDのサウンドを踏襲していて扱いやすい『ファズライクな歪み』です。
・・・ですが、ゲインが増したからかそもそも回路に変更が加わったのか、FDとは少し音が違います。
単純なアップデートと思うとちょっとアレ?ってなるかも・・・。
オペアンプ回路なのは変わらずです。
まず、上述の通りFDよりもゲインが底上げされているので、よりディストーションらしさが増しています。
そして僅かにノイズも増えちゃいました。
流石に歪みの上限だけ増やす、というワケにはいかなかったんですかね・・・。
クランチ的な割合が少し減ってしまって、FDのゲイン領域とは違います。
リードは弾きやすくなりましたが、トレードオフな要素なのでここは好みの別れどころ。
とはいえボリューム操作への追従性は相変わらず悪くないので評価ポイントです。
次にトーン。
FDのトーンノブにはセンタークリックがあり、左右で可変するキャラクターが特徴的でしたが、今回のLFDではセンタークリックは廃止され、わりと普通な可変になっています。
キャラの可変もありますが、クセが減ってますね。
トーン最大でもFDほどのハイ上がりなピーキーさは軽減され、その分全体的な重心がややローミッドに寄った気がします。
FDの頃の軽快さはやエッジさは薄れているので、
浅めなオーバードライブ要素に旨みを感じてた人には、少しディストーション過ぎるかもしれません。
そしてこれが微妙に厚ぼったい弾き心地になってます。
追加要素のモードスイッチは、
上側のポジションが『Fat Fuzz』、
下側が『Fuzzy Drive』です。
要は下側が従来の音ってことですね。(説明不要でしょう)
Fatモードにすると、ローミッドが増えて音がグッと前に出てきます。
マイルドさも出るので単音のリードで安心感を得られる太さになる反面、分厚過ぎるかもという懸念もあります。
おそらくFDにもっと密度が欲しいという声があったのかも。
FDはひとりで鳴らしてると太いのですが、何かしら他の音に混じって弾いたら意外と細く感じる事もあるので、その補正になるのかな、と。
こっちのモードのが好きという人は絶対いるので有って困らないスイッチです。
サイズも小さく、ゲイン量もあり、オペアンプ回路で動作も安定、電池も入る、
値段もそこそこお手頃なので、ファズっぽい歪みが欲しい人には面白いペダルだと思います。
ガチなファズ好きからしたら物申し要素はありそうですが、FD同様に割り切って試してみるのも悪くないかと・・・。
そして、FDが好きだからこれも気になってる、という人には『念のため試奏はしたほうがいいかな〜?』と言いたいところ。
FDに何を求めるかで良し悪しの印象は変わりますが、とりあえずセンシティブなレンジは少し狭まってると思います。
文字通り良くも悪くも、って感じですね。僕は好きです。
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