Nobuの日々のギターとか音楽ネタとか。        ~Slight Return~

ギター弾いてます。ギタリスト主体の音楽ネタや自身の日々を緩く書いていきます。更新は不定期ですが最低でもひと月に一回は何か書きます。諸々のご連絡やご依頼はCONTACTからどうぞ。

FOXGEAR ''Ryder''(Doug Aldrich Signature)

イタリアのメーカー、FOXGEARのディストーションです。

投げ売りセールされてるのを見かけたので買ってみました。

ダグ・アルドリッチシグネチャーペダルです。Ryderは息子の名前だそうな。

 

FOXGEARは2017年設立の比較的新しいメーカーですが、Gurus AmpsとBaroni-Labという既存の二社による合同メーカーです。

設計はイタリアですが、製造は中国で行われており、どれもお手頃な価格帯で展開されています。

今回、そのお手頃価格から更に投げ売りセールでどれもかなり安くなってました。

人気無いんですかね・・・。

色々試してみたいものはありましたが、とりあえずダグモデルをチョイス。

 

未来的なデザインが目を惹きますが、意外にもラインナップの殆どが往年の名機の回路に基づいており、

例えば今回の''Ryder''の元ネタはProco RATなんですね。

厳密には先に''RATS''という機種が出てるのですが、そこからダグの好みに合わせてチューニングし直したのが''Ryder''です。

クリッピングゲルマニウムを採用しているので、''You Dirty RAT''に近いかもですね。

 

おそらく本人はもう使ってないと思いますが、デモを見る限りまあまあ好きな音だったのと、RAT回路という点に惹かれました。

本人による使用は2:25~辺りから。アンプの時点で音が完成されてるのでほぼブースト用途ですね。

ダグはピッキングテクニックが強力なので、どんな機材でもダグの音がしそうです。

ていうかなんでRATベースなんですかね?? ダグは昔RAT使ってたとかですか?

 

 

使ってみた感想としては、それなりに使い方を選ぶ印象です。

デザインのせいでモダンで万能そうに感じちゃうんですが、昨今ありがちな『とりあえず良い音が出る』というタイプでは無いですね。

ある程度のクセはRAT回路なので当然と言えますし、使いやすい系のディストーションは別でラインナップされてるようなので、割り切ったモデルに思います。

 

音の傾向は基本的にローミッドの主張が強く、ウォームでルーズ。泥臭いですね。

当たり前ですがRAT的です。

ただ、現行RAT2に比べて太く、温かみのある音というか、ゲルマニウムクリッピング特有のジュワッとした感触があります。

どちらかというと先日紹介したMosky ''Super Rat''(ヴィンテージRATクローン)のほうに近いです。

 

コントロールは、

 

・Gain

・Filter (時計回りに明るくなる)

・Volume

 

まず、全てのノブをセンター位置にして弾き始めましたが、全体的にかなり控えめな出力設定になっており、全部上げめにして丁度いいです。

特にフィルターノブは一般的な感覚で設定するとモコモコとした音になりやすいので、僕の環境ではもうフルに上げきっても良いくらい。

これは通常なら耳障りになるだけの領域を敢えて削ってるんだと思います。

なので、フィルターはほぼ3時〜最大の範囲で調整する事になりそうな可変幅ですが、

RATで考えるとこんなもんな気がします。カーブを逆にしたら納得する感じ。

 

ゲインに関しては、古き良き歪みといった感じの質感でOD〜Distの範囲をカバーしています。

ゲインノブは音量も兼ねているタイプなので、ゲインが低いと音量も下がります。

加えて上述のフィルターも上げめにしないと音量が(前に)出ないんですよね。

クランチ〜オーバードライブ程度の音を狙う場合はボリュームノブを最大にしてもいいくらいです。

 

という感じで、

結果的にほぼ全部上げめ(ラーメン二郎のコールみたい)になりがちです。

 

アンプとの相性に関しては、ジャズコで試した限りでは単体でも普通に使えますが、

ブースター用途の方が合ってると感じました。

なんていうか個人的には、昔のMXR Distortion+に近い操作感です。

ペダルやアンプ側である程度の音を完成させておいて、前段からブーストしてあとは手元でコントロールするのが美味しいのかなー、と。

ボリュームの追従性が良いんですよね。

あと、ローノイズ設計とのことですが、自分の環境ではそこまでローノイズとは思えず、ゲイン相応に出てる印象です。

 

面白いのが電源を繋げると筐体の内側からうっすら白くライティングされて、

文字やロゴが点灯する仕様。笑

これなら暗いステージ上でも視認できますね。

エフェクトのオン時にはブルーLEDが点きます。

 

・・・以上です。

見た目はモダンですが、やはりRAT回路という事でオールドスクールな歪みです。

ゲルマニウムの恩恵かそのホットな質感にはやや初期VHっぽさも感じるので、70~80年代なハードロックに向いてる気がします。

ただ、基本的にローは膨らむので、アンプ側のEQでカットなり積極的に調整した方が良さそうです。

用途と環境が合えばハマりそうな中毒性を感じます。

 

今なら(※6月現在)特価で安いですし、ちょっと変わり種のRATが欲しいという人にも良さそうですね。

他のも試してみたくなりました。

 

 

最後に余談になります。

ダグ・アルドリッチについては名前はよく目にしますし、プレイスタイルも知ってるのですが、

いかんせん代表曲(もしくは名リフ)のようなものが僕はパッと浮かばないんですよね。

Lionの2ndだけ持ってて、''Stranger in the City''という曲は結構好きなんですが、これも名リフ、名ソロという感じでもなく・・・。

何か代表的なのってありますかね??(Bad Moon Risingは少し聴いた事あります)

 

プレイスタイル的にはブルースロックを軸にゲイリー・ムーアランディ・ローズジョン・サイクスみたいなテクニックやアイデアを取り込んでいる印象を受けます。

特にサイクスに似てると思いますが、同じハイゲインサウンドでもサイクスの方が硬質な音で、

ダグはよりブルース的な温かみがある気がしますね。

こちらはレブ・ビーチとのセッションですが、ソロ序盤のゲインの落とし方とか好きです。

やっぱりダグはピッキングが物凄いのでこれが出来てる限りは常に自分の音とペースで弾けそうだな〜と羨ましくなります。笑

この''Crying In the Rain''という曲の方向性にはサイクスの功績が大きく、ダグもそれを踏襲したソロを弾いてますが、

ちょくちょく自分のフィーリングを入れてたり、レスポールでのギミック的な奏法の落とし込み方も上手くてカッコイイです。

 

 

Trouble in.. -Remast-

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  • アーティスト:Lion
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