CD語りシリーズの4回目です。
今回は、元Scorpionsとしても有名なギタリスト、ウリ・ジョン・ロートのバンド、Electric Sunから''Fire Wind''を紹介します。
Electric Sun名義では2枚目のアルバムですね。
ウリといえば熱心なジミヘンフリークで、その片鱗はScorpionsの頃から垣間見えてましたが、このElectric Sunでは全曲で自身がボーカルをとるのも相まって一層ジミヘン感が増しています。
基本的には様式美系ハードロックなのですが、ジミヘンをヨーロピアン・フィールで割ってサイケ要素をファンタジーに置き換えたような感じで楽曲のクセが強く、苦手な人は多いと思います・・・。
よく言われてますが、ウリのボーカルがまあまあキツイんですよね・・・笑
最初から最後までウリの世界観全開です。
とはいえギターワークはキレッキレなのでウリ・ファンはかなり楽しめると思います。(というかファンなら言うまでもなくマストバイか)
このアルバムを買ったのは確か高校生の終わり頃で、ちょっとクセのある店主がやってたCDショップで見つけたと思います。
店主に勧められたような気もしますが、ちょっと記憶が定かではないです・・・。
当初はやっぱりボーカルでズッコケましたが、既にScorpionsは聴いてたし、ウリのギターも好きだったのでそれほど抵抗なかったですね。
のちに1stの''Earthquake''も購入しましたが僕はこの2ndが好きです。
ウリの好きなところは、当時としてはかなり精密な演奏をしていたこと(今聴いても凄い)、音符のチョイスの秀逸さ、そしてジミヘンの影響からくるギター的な爆発力ですね。
丁寧な演奏をしているかと思いきや急に破壊的なウネリを見せるのがかっこよくて、ウリに限らずやっぱり自分はジミヘン的解釈を持つギタリストが好きなんだな〜と思います。
ジミヘン的解釈というのは、ギターにおける表現の自由というか今でこそ当たり前なノイズ要素だったり、アーミングでのウネリ、トリオでの立ち回りの面白さですね。
Electric Sunでは楽曲こそジミとは違いますが、トリオサウンドとして根底にある解釈は完全に同じで、そこにウリの持ち味となるクラシックなどの西洋音楽の要素がミックスされています。
リッチー・ブラックモアやイングヴェイもそうですよね。
ウリはスカイギターで有名かと思いますが、普通にストラトを使っていたこの時期が好きです。
このアルバムで一番のお気に入りは、''Chaplin & I''です。
(※ソロは3:49~から)
『ハードロックにおいてワウペダルを使ったベストソロを挙げろ』と言われたら僕はこの曲かガンズの''Sweet Child O' Mine''を挙げます。笑
こちらは以前アップした僕の動画です。あれから再度耳コピし直したところ微妙な間違いが発覚しました・・・。
今更弾き直すのは面倒なのでやりませんが、該当箇所を修正したTABを掲載します。
一部ポジションも見直しました。
ポジション取りに関しては不明瞭な箇所(特に5小節目)があり、どこまで正しく採譜できているかは分かりませんが、比較的近いニュアンスにはなっていると思います。
このソロは音符の選択以外にも細やかなニュアンスやタイム感が本当に秀逸で完成度が高く、特にタイムにはめちゃくちゃ絶妙なタメがあるので記譜するのが難しいです。
譜面よりは耳で合わせに行くのが必須ですね。
ワウ・ペダルはシェンカーのようなEQ的な使い方で、要所で僅かにニュアンスを操作しているようには感じますが、ほとんど固定な気がしますね。(僕はかなりワウワウさせてしまいました)
っていうかこれワウ使ってますよね・・・???
なんか今更不安になってきた。
名ソロだと思いますが、弾いてる人が意外といないんですよね。
ちなみにこちらは僕が作ったソロ用のバッキングトラックです。(超低需要)