Nakaji(ナカジー)の日々のギターとか音楽ネタとか。     ~Slight Return~

Nakaji(ナカジー)です。ギター弾いてます。講師も。気まぐれで採譜したTAB譜を公開したり、ギタリスト主体の音楽ネタや自身の日々を緩く書いていきます。                  更新は不定期ですが最低でもひと月に一回は何か書きます。諸々のご連絡やご依頼はCONTACTからどうぞ。

Allan Holdsworth来日、そして引退。それと教則DVD。

フュージョンギター界において唯一無二、孤高とも言える存在のアラン・ホールズワースが引退するようです。
それに伴い、ラストツアーというカタチで来日もするようです。大阪で9/29に、東京で10/2での公演予定です。

今回の引退に関して本人的にどういう思いでの決断かは分かりませんが、ビジネス的にも消極的なイメージがありますし、実際のところライブでの集客も(おそらく)それほど良くは無さそうなので、そういった部分からでしょうかね・・・。
まあ、アラン自身がもう結構な歳なので単純に疲れたのかも知れませんが。ここ数年は機材もレンタル中心という噂もありましたし、ギターへの情熱というか想い入れが冷めてきてたのでしょうか?
最後の公演ですし、見に行きたかったですが、ビルボードなので結構な値段します・・・。残念ですが予算の都合もあるので僕はパスします。

思えば5年程前に大阪BigCatでのライブを見ていますが、それが最初で最後のアランのライブですね・・・。
客入りは僕を入れても20人ちょっといたかどうかって感じだった気がします。

引退とは言っても何かしら音楽は続けるかも知れませんし、案外ひょっこり戻ってくる可能性もありますよね。
ちょっとした休憩なのかも知れません。ビール工場(まだやってるんでしょうか?)の方に専念したいのかも。


せっかくなのでアランの教則を紹介します。

本人曰く、「手の内を明かし過ぎた」らしい唯一の教則映像です。(書籍は他に存在します。それも持ってるので後日紹介します)
 
数多くの著名ギタリストの教則をリリースしている、''Alfred''製作のDVD(元はVHS)です。

最初に言ってしまいますが、この教則はこの世に多く存在する''参考にならない教則のひとつ''に数えていいと思います。
とりあえずおおまかな内容ですが、''Proto-Cosmos''をはじめライブでよくやる曲のバンドスタイルでのデモ演奏が7曲、そして肝心の教則部分は「アランがよく使うスケール10通り」と「スケールから見るコードの組み立て方」。

こ れ だ け で す 。



「手の内を明かし過ぎた」(大嘘)


しかもスケールの紹介もホントにただ紹介するだけなので、どういった場面で使うのか等の詳しい用法の説明は皆無です。まともなEx.フレーズも無し。
説明はアラン手製?のポジション図を用いて行なわれます。
一応、本人なりの簡単な解釈なんかは教えてくれますが、わりとどうでもいい事だったり、当たり前の事だったりします。

例:「G#dimは僕はG7b9としても捉えている」

コードの組み立ての説明も同様で、アドリブでいくつかのボイシングを見せてくれるだけです。構成音の説明も無し、分析するならリピートするかPDF(後述)を参照しましょう。

ハッキリ言ってファングッズですね。スタジオライブ映像にオマケでギター講座が収録されてるくらいの考えで買うのが吉かと。
これ買ったのはもう何年も前ですが久々に見ても相変わらずです。ちなみに日本語字幕に対応してるのでその点はまだ親切なほうですね。
字幕無いとホントに何も分からない・・・w
PDFファイルをディスクから抽出可能で、ビデオ内で紹介されたスケール表やデモ演奏曲のフルTAB譜(これは嬉しい)が載ってます。

アランのフレーズを分析するなら古くはテンペスト、ソフトマシーン、UK、新しくてもI.O.U.辺りの代表作の楽曲を耳コピするのが一番近道だと思います。
この年代までは楽曲的にもシンプルなほうですし、プレイ自体もロックの名残が大きいので取っ付きやすいです。
亜流になりますが、Bill Connors(ビル・コナーズ)のソロアルバムから多少のヒントを得るのもいいかもですね。

亜流は亜流ですし、フォロワーの域は出ませんが・・・。この人の場合はアランの特徴とも言える手の大きさというハンデをうまく工夫したフィンガリングにする事でクリアしてます。


そういえば、その名前と独特の浮遊感あるフレーズのせいか何故か「ホールズワースはホールトーンを使う」だとかいう分析や情報を耳にしますが、実際のところの使用頻度は少ないと思います。
(ちなみに教則内のスケール解説ではホールトーンに関しては一切触れられてません)