Nakaji(ナカジー)の日々のギターとか音楽ネタとか。     ~Slight Return~

Nakaji(ナカジー)です。ギター弾いてます。講師も。気まぐれで採譜したTAB譜を公開したり、ギタリスト主体の音楽ネタや自身の日々を緩く書いていきます。                  更新は不定期ですが最低でもひと月に一回は何か書きます。諸々のご連絡やご依頼はCONTACTからどうぞ。

Victory ''V30 The Countess''


輸入しました。最近一部で話題のVictory Amplificationの小型ヘッド、''V30 The Countess''です。前回の来日でガスリーも使ってましたね。
比較的リーズナブルなアンプかとは思いますが、現在は円安傾向にある為、購入は結構悩みました。日本にはまだ未入荷なので現物を試す事も出来ませんしね・・・。

Victoryはイギリスのメーカーで、同じくイギリスのCornfordの創設者?だか何かしら中の人が独立して新たに立ち上げたメーカーになります。【追記】Cornfordのマーティン・キッド氏のようです。

Cornford自体は本国での評判は高く、日本では荒井貿易(ARIA)が代理店に付いてましたが
、イマイチこっちでの知名度は上がらず、普及する前に代理店業務は終了してたみたいです。
そんな状況がしばらく続き、日本では品薄なままメーカーは2年程前に消滅しました。(サイトは残ってます)
製品の傾向はさておきVictoryは実質的にはCornfordの延長にあるメーカーと言えますね。

と、まあ前置きはこれくらいにして肝心のこのアンプの事を書いていきます。

最初に書いた通り、日本には入ってきてないので現状では輸入するしか購入手段がありません。僕はアメリカの店から購入しました。
値段は1229ドル。そこに送料の150ドルが掛かります。
最初に提示された額は合計1350ドル。この時点で既に30ドルは値引きしてくれてたのですが、ダメ元でもう少し安くならない?と聞いてみたら1300ドルにしてくれました。
その時点では在庫切れだったので、入荷するまでしばらく待ちはしましたが、比較的スムースに進んだかと思います。

一番不安な輸送に関しても問題無く、大きなダメージも箱潰れもなく無事に届きました。(ソフトケースの縫合が一部破けてはいました)


重量は8kgちょっと。出力は30Wですが小型アンプによくある低出力モード(Single-Ended Mode)に背面のスイッチで変更できます。
サイズはかなり小さいです。
2ch仕様でクリーンchとドライブchでゲインとマスターボリュームがそれぞれ独立しています。残りのEQは共通。
EQはBass、Middle、Trebleのベーシックなものです。
スタンバイスイッチはセンターでスタンバイ、上側でフルパワー、下側でローパワーでの動作となります。電源は背面にあります。

真空管は6L6又はEL34(パネルを空けてバイアススイッチで変更可能)を2本に、12AX7を4本です。
デフォルトだと6L6が搭載されてます。
Send/Return、チャンネル切り替えスイッチ、スピーカー用のジャック(16Ω、8Ω、8Ω)があります。


サウンドはかなりまとまっていて綺麗で癖が少ないです。僕的にはやや硬めというかツヤツヤした印象で、モダンな部類かと思いますが、低域の感じは割とヌメッとしてます。
全体的にはややダークな傾向でしょうか。
Cornfordとの違いが気になるところかとは思いますが、あれよりはずっとまとまった音です。
僕はRoadhouse50しか持ってませんが、Cornfordはわりと甘いニュアンスで角も丸い(というか高域が物足りない)んですが、V30はかなり粒がハッキリしてます。
キャビネット、スピーカーの差はありますし、そもそもRoadhouse50は50Wの2x12キャビなので自宅音量の時点でおそらく良さを引き出せてないかとは思います。高域の物足りなさはそのせいかも。
この条件の中で見るならどちらも傾向は違うタイプかと思います。ただどちらもやたらサステインが良いところは似てますね。

クリーンはほんとに素直で癖が無くて、人によっては面白くない、味気ないと感じるかも知れません。
シングルch系アンプのようなクランチなクリーンは出ないのでその辺の好みは分かれそうですね。いかにもch分けされたクリーンって感じ。扱いづらいという意見もありそう。
歪みchに関してはめちゃくちゃ歪みます。でも露骨にメタル系ではないですね。硬めとは言ってもメタル特化型のそれとは違ってもう少し汎用性あるというか使い勝手良いです。
その分、いかにもメタルといった低音弦の刻みなんかをやる場合にもっと歯切れの良さが欲しい、という事もありますね。
EQは極端な感じは無くバランスよく効くので、おそらくこのアンプの傾向が気に入った人ならこのEQに大きな不満は持たないかと思います。最初から出音が完成されてる感じあります。

まだまだ音出しには時間を割けてませんが、これから色々試してみます。
にしても壊れなきゃいいんですが・・・。僕が輸入した機材はやたら壊れるので・・・。
それと余談ですがガスリーに関しては、SuhrのギターとSuhr Badger30を使ってた頃の方が好きですね。


〜Single-Ended Modeについて〜


所謂、ワット数を下げて環境に応じて出力を変更できるモードスイッチなのですが、イマイチ使い方が分かりません・・・。
そもそもまだ動かしてすらないのですが、V5、V6と表記されてるだけでどちらに倒せばどう変化するのか、というのがまだ分かってません。センター位置のOFFがフルパワーなのは分かります。
公式サイトの説明もアメリカの楽器屋と説明内容に差があり、ワット数の変化も違ってます。(本家だと37Wがアメリカだと30Wだったり)
この辺は分かり次第追記していきます。すいません・・・。
もし情報ありましたらご一報下さると嬉しいです。

【追記】Single-Ended Modeですが、メーカーに直接聞いてみたところ、V5とV6の位置でどちらもワット数は同じだそうです。
なら何故2点式のスイッチなの?って感じなんですが面倒なのでそれ以上は聞かずに終りました。
なんにせよV5、V6共通して以下のようなワット数変化のようです。
【追記2】2点スイッチについては、Single-Ended Modeで低出力(ハーフワット)にする際に必然的に「2本ある真空管の内の片方を使わなくなる」ので、ずっと同じ側の管を使い続けてしまう事による摩耗の具合に差が出ないようにV5、V6で使う管を切り替えれるようにしているのでは?とのコメントを頂きました。(情報提供ありがとうございます)
「alternate for even valve wear」と表記があるのでそういうことのようです。



なので、まとめると「Single-Ended Modeの際にはV5とV6で2本ある内のどちらの管を使うか選べる。いずれも出力の下がり方に違いは無い」が正解のようです。

〜スイッチOFF〜
Clean Channel High Power: 42 Watts
Clean Channel Low Power: 7 Watts
Dirty Channel High Power: 37 Watts
Dirty Channel Low Power: 6 Watts

〜V5/V6〜
Clean Channel High Power Single-Ended: 1.6 Watts
Clean Channel Low Power Single Ended: 0.5 Watts
Dirty Channel High Power Single Ended: 1.2 Watts
Dirty Channel Low Power Single Ended: 0.5 Watts

ちなみに最大42Wと表記されてますが、これらはイギリスの電圧220〜240vで動作して計測された数値だそうなので、アメリカの110〜120vでの動作だとまた事情が違ってくるのかもですね。
そしてさらに日本だと100vでの動作になるのでこれまた違うかも。