Nakaji(ナカジー)の日々のギターとか音楽ネタとか。     ~Slight Return~

Nakaji(ナカジー)です。ギター弾いてます。講師も。気まぐれで採譜したTAB譜を公開したり、ギタリスト主体の音楽ネタや自身の日々を緩く書いていきます。                  更新は不定期ですが最低でもひと月に一回は何か書きます。諸々のご連絡やご依頼はCONTACTからどうぞ。

マニア向けのテレキャス無双作品。''The Hellecasters''

久々のCDネタを・・・。
The Hellecastersと聞いて即座にメンバー三人の名前が出る人は中々にオタクだと思います。笑

今となってはややプレミア付きのCDですが、先日なんと無く探したら幸い安く見つかったので全作買いました。

バンド名から分かるようにテレキャス使いによるギターバンドです。
''HELL''を''TELE''に掛けた安直なジョーク混じりなバンド名にB級感の凄いジャケですが、内容は超絶テクのカントリーロックです。
テクニカルフュージョン枠でMVP(Mark Varney Project)というCDが存在しますが、あれの2ndの''Centrifugal Funk''のカントリー版みたいに捉えてもらっていいと思います。

曲調はカバーを含め王道的なカントリーロックをベースにしており、めちゃくちゃぶっ飛んだアレンジとかは無いですね。
3枚とも音楽性に大きな変化はなく、ひとつ気に入ればどれも安心して聴けそうです。



ギタリストは、Jerry Donahue、John Jorgenson、Will Rayの三人。全員テレキャス使いで異なる特技を持った個性派です。
Jerryは異質なベンディングテクを持っており、グネッグネにうねる音がものすごいです。カントリーギターには必須とも言える技術にスティールライクベンドがありますが、これは通常は保留音に対して一つの音をベンドしたり、長3度もしくは完全4度関係の2音を同時にベンドする(これはダブルチョーキングってやつになるんですかね? ちょっと曖昧・・・)いわゆるハーモニーチョーキングの一種ですが、Jerryの場合は保留音に加えて同時に二つの音を異なる方向にベンドしてきます。
これは見てもらうのが早いです。

紹介こそ初ですが、実は何年も前からこのスタイルをモノにしたくて気まぐれで練習してますが物理的な壁を感じますね・・・。
理屈は結構シンプルなのですが、どうしてもピッチが上がりきらなかったり、音が途切れたり、かなり難しいです。何よりこの技術の使いどころがウマすぎる・・・。
フェイバリットプレイヤーの一人です。





次にJohnは、元々僕はジプシーギター界隈で名前を知ってたのでこの作品で見かけた時は意外に感じました。笑
どちらが専門のフィールドかは分かりませんが、正直ジプシーギターの技術的にはどこか胡散臭く聴こえてしまう部分が無くはないです。(下手と言ってるのでは無いですよ!)
一つのスタイルよりはなんでも手広く、な感じなんでしょうか。
本バンドでは、オーソドックスなカントリースタイルには珍しい?タッピングも使っています。
特別変態的な要素はありませんが、その分堅実な感じ。

Johnのジプシーギター。






そして最後。Will Rayはスライドバーを使ったフレットレスなフレーズが特徴です。
普通のブルーススライドとは違い、一般的な運指のフレーズも弾けるように関節の妨げになりにくい小型のバーを使用しており、それがなんと右手にもあるので結構自由なタイミングでスライド音を入れてくる印象です。
他二人に比べて飛び道具的なプレイになってしまってる感じはありますが、なかなかありそうで無い発想で面白いです。笑

Sweet Dreamsを演奏するWill。このアレンジはロイ・ブキャナンのリスペクトですね。ヘルキャスのCDにも収録されてます。この曲好きでロイのバージョンはよく聴いてましたね〜。





そして肝心のThe Hellecastersのライブ映像。