Nakaji(ナカジー)の日々のギターとか音楽ネタとか。     ~Slight Return~

Nakaji(ナカジー)です。ギター弾いてます。講師も。気まぐれで採譜したTAB譜を公開したり、ギタリスト主体の音楽ネタや自身の日々を緩く書いていきます。                  更新は不定期ですが最低でもひと月に一回は何か書きます。諸々のご連絡やご依頼はCONTACTからどうぞ。

Henretta Engineering ''Emerald Prince Preamp''


Henretta Engineeringのミニシリーズのブースターです。製品名的にはプリアンプと言うべきなのか・・・。見ての通りの四角い小型の筐体でそんな大層なものではないです。

中身はいわゆるエコープレックス(EP-3)系の回路となっています。有名どころだと、Xoticの''EP Booster''がありますね。(余談ですが、正式にエコープレックスの名前を使う権利は今はJim Dunlopが保有してるそうで、まさにエコープレックスの名を冠した製品を作っています)

本家エコープレックスのメイン用途はテープエコーですが、なんでもプリアンプの質が良い(と言うか特徴がある)そうで、そのプリアンプ部分だけを再現したペダルがいくつかのメーカーからチラホラ販売されています。これもその一つというワケですね。


この手のEP-3回路によく挙げられる特徴は「音に艶と張りとコシを与える」みたいなのが多いと思いますが、
このEmerald Prince Preamp(以下、EPP)も同様で、アンプの素のクリーンが味気ないと感じる時に踏むと少しだけリッチな出音になり、僅かながらに物足りなさを補正してくれます。
ただ、EP Boosterに比べると薄味な掛かり具合に感じました。EPは評価が高い一方で音の変わり方が露骨なので、それが苦手な人はとことんダメという印象がありますね。
両者の違いに関して具体的にはEPPはEPほど低音の持ち上がりはありませんし、歪み具合も弱いです。そう言う意味ではEPの方が効果は大きいですし、表面にノブが出ているので操作性も良いですね。
逆にEPの感じは好きだけど、もうちょっとさり気なく掛けたいという人はEPPは良いかも。音色としてはこちらの方が柔らかい印象です。



四角い筐体にスイッチ一つのみという潔い仕様が特に気に入ったポイントですが、中にトリマーがあり、ブースト量を設定できます。

注:日本語の解説だと「最大で+3dbのブースト」となっていますがメーカーの英文解説だと「最大で+9db」となっています。



加えて内部にはブライトをオンオフするスイッチもあるので、好みに合わせて音色を微調整出来ます。
この点はEPとも近いですね。


ノイズも少なく、ボードに納めやすいサイズ感やシンプルさが良い感じですが、問題は結構良い値段しちゃう点・・・。
よほどこの仕様が必要ではない限り、あまりコスパは良くないですね。僕も中古で安く出てなかったら買ってないです。
EP-3系ペダルは探せば色々見つかるので、このサイズに旨味を感じないのであれば他をあたった方が良い気はします。


ちなみにEP Boosterのクローンで中国製のMosky ''XP Booster''というのが存在しますが、内部のミニスイッチまで再現されてお値段3000円です。笑
実際に弾いたことも無ければ耐久性も知りませんが、レビューを見る限りだとかなり本家に近いデキだそうで・・・。

最近は中国ペダルの数が増えすぎて把握しきれてませんが、だいたいどれも回路のネタ元は同じと言うか下手したら供給元も同じっぽいのがいくつかありますね。