Nakaji(ナカジー)の日々のギターとか音楽ネタとか。     ~Slight Return~

Nakaji(ナカジー)です。ギター弾いてます。講師も。気まぐれで採譜したTAB譜を公開したり、ギタリスト主体の音楽ネタや自身の日々を緩く書いていきます。                  更新は不定期ですが最低でもひと月に一回は何か書きます。諸々のご連絡やご依頼はCONTACTからどうぞ。

メキシコ製テレキャスの音がめちゃくちゃ良くなった話。── Seymour Duncan ''APTL-3JD(Jerry Donahue Model)''


セイモア・ダンカンのピックアップのレビューです。よくよく考えたらピックアップの記事は全然書いた事ないですね・・・。というか買うの自体が久しぶりです。
昔は入門向けのギターを使ってた事もあり、ピックアップの交換とかしてましたがそこそこ弾けるようになったくらいからスペック的にもデフォルトのままで満足いくギターを使う事が増えたので改造パーツを買う事が殆ど無かったです。


今回、メインはリアのAPTL-3JDですが写真に写ってる通り、フロント用にクォーターパウンドも購入しました。


フェンダーメキシコのスタンダードモデルを少し前に中古で安く買ったのですが、デフォルトで搭載されているオリジナルPUが思ったよりもパワーのあるモノでして、これはこれでリードは弾きやすく、歪みのノリも良かったのですが、そもそも「フェンダー」を買った理由がパキパキした音でカントリーを弾きたいというものだったので若干出力過多なメキシコPUに不満を感じてました。(最近好みが古くなりつつある)
メキシコPUは高域がマイルドな印象で全体的にややファット、良く言えばモダンで幅広く使えるような出音でしたがこれは僕の思うテレキャス感とは少し違う感じ。あくまで主観ですが。
ただこの傾向自体は扱いやすいですし、僕はこのPUは結構好きですね(なんだそりゃ)
しかし求めてる音とは違うのでビンテージ寄りに変えてみようと思って見つけたのがドナヒューPU(JD)です。

このPUは日本だとあまり具体的なレビューは見かけませんが、海外のレビューだと絶賛の嵐のようで、音色もですが特にポールピースの高さの改善によって弦全体の出力バランスもかなり良いそう。製品説明によると、ドナヒュー本人の52年製テレの音を再現したそうです。

とりあえず軽く調べた感じだと悪い評判は全然見かけませんし、ドナヒュー好きなのでもうこれでいいやってノリでチョイス。正直フロントの方がかなり悩みました。


実際に載せてみた感想としては記事のタイトルにあるようにめちゃくちゃ良くなりました。
まあ、元のPUも別に悪くは無かったので「良くなった」ていう表現もアレですが僕の狙いとしてはドンピシャ過ぎる音の変わり様で、弾いてると軽くニヤけるレベルです・・・。
クリアで立ち上がりが良くてアタッキー、なのに高音が耳に痛くない。ローミッドの張り出しも絶妙で、低出力なわりには巻き弦がコシの弱い細い感じにはならず、ガツンとした存在感があります。
なんというかちゃんと出るとこは出てるけど、うるさくならない程度に蓋をしてる様なまとまり具合。かと言ってレンジが狭い印象も無く、かなり優秀なPUだと思います。
こういうのはフェンダーのチャンプとかツイード系のそういうのに繋いでみたいですねえ・・・。


ナチュラルでローゲインな歪みペダル(僕の場合はLovepedalとか)と組み合わせると絶妙で、ブルースなんかも心地良く弾けます。
結果としては大化けしました。すごい。


で、次はクォーターパウンド(QP)。
こっちは正直ミスチョイスでした・・・。

狙いとしてはフロントでジャズ寄りな音も出したいと思い、高出力でメーカーの言うところの「ハムバッカーと同等」らしいQPを選んだのですが、これがかなりローの膨らみが凄い上にハイが物足りない。
と言うのもこれ単体での音作りならアンプ側のEQでなんとかできますが、リアのJDと組み合わせるとお互いが両極端過ぎてどうしてもバランスが取れず、JDを優先した結果、QPはモコモコのボンボンになります。笑
良く言えばウォームでスムースなのですが・・・。
又、スペック上の出力は「ハムと同等」とはいえやはりそこはシングルコイルなので、音の細さは否めませんね。
ブレント・メイソン師匠にならい素直にハムバッカーかミニハムを載せればよかったか・・・?とも思ってます。
又、電気系には詳しくないですが聞くところによると高域の出方は結線するボリュームポットの抵抗値も関係してるそうで僕の意図に合わせるなら1Mくらいのポットでもいいかも、との意見をお世話になってるTUNE工房さんから頂きました。ちなみに今は250kです。
ただ抵抗値を変えると同じく結線してるJDの音も変わっちゃうので下手に交換できません。つっても変えたところでどれ程の変化をもたらすのかはやらないと分からない感じの様ですが・・・。
一応、フロントにのみフィルターを噛ませる手もあるそうです。
新たにPUを買い直すのは流石に馬鹿らしいのでとりあえずは当分はこれで様子見です。今はフロントPUの高さを6弦側を低め、1弦側を高めで調整して対応してます。




伝統的なテレキャス観で言うとそもそもリアとフロントはバランスを取るのが難しいみたいで、割り切って考えた方がいいという意見も見かけるので今回のPUのチョイスはどうあれ根本的にテレキャスはこういうものなのかも知れませんが・・・。

と、こんな具合なピックアップレビューでした。主観と憶測バリバリですがこんなのでも少しは参考になれば幸いです。
とりあえずドナヒューPUは本当に良かったです。笑