Nakaji(ナカジー)の日々のギターとか音楽ネタとか。     ~Slight Return~

Nakaji(ナカジー)です。ギター弾いてます。講師も。気まぐれで採譜したTAB譜を公開したり、ギタリスト主体の音楽ネタや自身の日々を緩く書いていきます。                  更新は不定期ですが最低でもひと月に一回は何か書きます。諸々のご連絡やご依頼はCONTACTからどうぞ。

EMMA electronic ''ReezaFRATzitz2''

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デンマーク製のディストーション、EMMA ''ReezaFRATzitz2''です。(2という名の通り、改良を加えた後継機です)

最近はあまり名前を聞かないメーカーですが、現在も続いております。新製品は出してますが、ラインナップは昔からほぼ変わらず少なめですね。

TC Electronicのエンジニアが独立して立ち上げたブランドだそうで、それだけでも品質面に信頼があります。笑

ちなみに同じくデンマーク出身のバンド、Dizzy Mizz Lizzyティム・クリステンセンも贔屓してるようです。(DML好きだったなあ)

 

このペダルはアンプライクとかそういうのが流行り始めた頃にジャズコ対策としてよく挙がっていた印象で、当時から良いペダルなのは知ってましたが、今更ながら手に入れました。

個人的には、

めちゃくちゃ良いです。

 

 

このリーザは、かなり強いサウンドキャラクターを持っていて、ジャズコだろうが関係なくポテンシャルを発揮します。

それゆえ「リーザ繋いでんねえ!」って感じの音にはなりがちですが、ハマれば普通に良い音なので寧ろそういう意図で購入する人は多いかと思われます。

 

コントロールは、Level、Low、High、Gain、Biasの5つ。

Biasだけ特殊でしょうか。

これは真空管の挙動を再現したノブだそうですが、用途的にはミドルに近い捉え方でいいと思います。(違うっちゃ違うんですけど)

左に回すと少しダークな音に、右に回すと明るく前に出てきます。特に終点付近の効きが顕著で、かなり局所的な持ち上がり方をします。

効き幅はあまり大きくはないですが、無いよりは絶対あったほうがいい機能です。

操作時にガリノイズが入りますが、回路的な仕様ですね。(LovepedalのCOT50と同様です)

 

 

EQはLow、High共に無難な効き具合ですが、Lowに関してはガラッとサウンドを変えるものではなく、ギターの特性に合わせて全体のシェイプを整えるような印象です。

シングルコイルならLowを上げてみたり、逆にハムバッカーだと結構カットして丁度良かったりしますね。

対してHigh側の方が効き幅が広く感じました。

惜しいのが基本的にややドンシャリな傾向にあるので、Low、Highだけだと微妙に手が届かない面があります。(Biasでいくらか補正は効きます)

 

ゲイン幅は思ったよりも広く、ディストーションは勿論のこと少し絞ったセッティングでもコシのあるオーバードライブになります。

この''コシ''の部分ですが、何か独特な音の芯が常にあるんですよね。これが中々うまい表現が思いつきません・・・。

弾力あるゴムみたいな何かが常に入ってるような感じというか・・・。

そのせいかピッキングした時に特有のムチムチした感触があり、音の立ち上がりやキレ、粘りに影響してるように思います。

「何いってんだコイツ・・・?」とか言わないで。ホンマにそんな感じなんや・・・。

マイルドで伸びの良い歪みとは対極にバシン!としたアタックがあるんですよ。

 

 

ともかく自然なタイプではなく、完全に固有のキャラを持っています。そうとうコテコテです。

これを苦手だと思ってしまったらペダル側のセッティングで何とかするのは無理ですね・・・。

 

深く歪ませてもコードの分離がしっかりしているのも特徴ですが、その反面ピッキングはサボれないというか、ハッキリちゃんと弾ける人向けです。

サステインはあるんですが、レガートとかで滑らかに聴かせる傾向では無いなーと。

ジョン・サイクスみたいなマシンガンピッキング(死語)でバリバリ弾けるとかなり気持いいんじゃないでしょうか?

て書いてて思ったけど、実際サイクスの感じ近いですね。

パワーコードの音圧感とか単音ミュート刻みの食いつきがイイ線いきます(サイクス奏法分かる人向け)

低音をタイトにズクズクやるのにも最適です。

 

 

あと一つ良かったポイントは、ギター側のボリューム絞った時なんですけど、意外にも毛羽立ったチリチリ感のある歪みにもなるんですよね。

こういうディストーションってボリューム絞るとノッペリしがちで、実際リーザもその傾向は含んでるんですが、それに加えて少しファズっぽい毛羽立ちを感じます。

この毛羽立ちが巻き弦を弾いた時にちょっとした喰いつきを出してくれますね。

流石にそういうのが得意なミドルゲインのペダル程のものではありませんが、そこそこハイゲインなペダルにしてはポイント高いです。

ちなみにこの部分の挙動はBiasノブに依存します。一番左に振り切った状態が分かりやすいですね。

 

 

柔軟なペダルではなく、キャラクターも強いですが、環境に左右されにくい優秀なペダルだと思います。

流石のTCの元エンジニアの会社なだけあってちゃんと設計されてるな〜という作りの良さも感じます。

 

ただ、これ一台で手元を工夫して幅広く聴かせるというよりは、割り切った用途でのカッチリとした演奏(編成)に向いてるかもですね。

 

 

余談ですが、買う前に自作も検討しましたがそこそこ面倒な回路だったので断念しました。

部品が多くて手間かかるやつです・・・。