Nakaji(ナカジー)の日々のギターとか音楽ネタとか。     ~Slight Return~

Nakaji(ナカジー)です。ギター弾いてます。講師も。気まぐれで採譜したTAB譜を公開したり、ギタリスト主体の音楽ネタや自身の日々を緩く書いていきます。                  更新は不定期ですが最低でもひと月に一回は何か書きます。諸々のご連絡やご依頼はCONTACTからどうぞ。

Lovepedal ''Englishman''

お久しぶりです。

前から欲しかった歪み、''Englishman''を購入したのでレビューです。僕の好きなメーカー、Lovepedalのオーバードライブ/ファズ的な位置付けのペダルです。
回路的には同社の顔とも言える''COT50''の系統のようですね。

メーカー的には「VOXアンプが壊れる瞬間の音」を再現したとかいうメチャクチャなコンセプトで製作されたようですが、これはラブペダルお得意のイメージ商法ですね。笑

昔は''Death of VOX''という名前でも売られていたようで、その頃はツマミ2つだけだったようです。
Englishmanになってから筐体やデザインも変わり、クリッピング切り替えの3wayスイッチが増設されました。
一度、廃盤になり、数年前に限定的に復刻されたきりのように思います。これは中古で購入しましたが、箱から察するに復刻版のような気がします。(おそらく初期版は無地の白箱です)
初期と復刻で回路に差があるかは分かりません。
ちなみに''Englishwoman''という似たモデルもあり、そちらはクリーム期のクラプトンの音を目指したもののようですが、ラブペダルの事なのでこれと同じ回路かもです。

音は粗めでややファジーな印象のローゲイン、ミディアムゲインです。VOXか?と言われると僕はそうは思えませんけど、好きな人は凄くハマるタイプの音に思います。
ゲインを上げるに連れてほんのり「割れたような」歪み方をしていきます。どう表現すればいいか分かりませんが、例えばオモチャみたいな小さなスピーカーの音量を無理矢理上げてピークさせて少しザラつく時の感じに似てますかね・・・。
そういう意味ではかなり自然な歪み方をしてるのかも知れません。綺麗に優等生に、って感じじゃないですね。
でもこれがわりと「使える音」なんですよね。ブルースなんかにピッタリだと思います。

FAIL(3way)スイッチにより結構キャラが変わります。
左側はコンプ感も程々にクランチ程度って感じで、特に基準はありませんが僕的にはこれが一番このペダルのベーシックな音の印象を受けました。

真ん中はコンプ感は一気に薄れて、ほぼクリーンブーストですね。ジャズコのようなクリーンアンプに繋いでると左側、右側に比べて音量がメチャクチャ持ち上がるので急なスイッチ切り替えの際には少し注意が必要ですね・・・笑
ファジーさも薄れて張りと艶のある綺麗な音です。味付けもかなり薄く、アンプの音に少し補正掛けたい時にはかなり使えますね。
他の歪みと併用して前段からのブースターにしても優秀でした。でもゲインを上げていくとフルアップ付近から少し歪んできますがこれもいい感じ。

最後に右側ですが、これが最もコンプ感が強まり、ゲインも高いです。とはいってもODの範疇ですが。
左側のポジションの感じでもう少しゲインが欲しければ・・・って感じの時に使えますね。コンプ感が増す分、音色の印象もまとまりある感じ。


ラブペダルらしい何か癖になるサウンドの歪みでした。現在では廃盤ですが、また気まぐれで復刻するかもですね。
前と比べて中古を見かける機会は減りましたが、たまに出てきます。Engishwomanのほうはわりと見かけますね。おそらく比較的新しいモデルだからですかね。
確認はしてませんが、同社の''High Power Tweed Twin''(ツイードアンプの歪みを目指したやつ)も同じ回路かも・・・。(ラブペダルの回路使い回しの多さに疑心暗鬼になっている)

なんていうか「Vox(というかアンプ)の壊れる瞬間」と言われれば先述の「無理矢理音量上げた感じ」という印象の通りそうなのかな・・・?て気にもなりますし、クリーム期クラプトンの音と言われれば、使い方によっては確かに似た音出せそう・・・?って思えますし、ツイードアンプの歪みって言われたらこの自然な増幅感確かにそうかも・・・?って思わされるそんな歪みです。(便利やな)


ジャズコとの相性も良いです。ジャズコの場合は当然ですが少しエッジの効いた歪みになりますね。ジャズコの硬さを良い具合に丸くしてくれて、案外これくらいが丁度いいかもって感じです。
真空管アンプの場合は丸みやファジーさが強調されやすいので、どちらのアンプで弾いたかでかなり印象や好みが分かれる歪みに思います。