Nakaji(ナカジー)の日々のギターとか音楽ネタとか。     ~Slight Return~

Nakaji(ナカジー)です。ギター弾いてます。講師も。気まぐれで採譜したTAB譜を公開したり、ギタリスト主体の音楽ネタや自身の日々を緩く書いていきます。                  更新は不定期ですが最低でもひと月に一回は何か書きます。諸々のご連絡やご依頼はCONTACTからどうぞ。

個人的にずっと手元に置いておきたい歪みペダル5選。

終わったと思ったらいつしか次が来る、そんな歪みへの飽くなき探求。



僕もこれまでいろんな歪みを試しては買って・・・というのを繰り返しておりますが、いまだに旅が終わりません。
正直そういう人はめちゃくちゃ多いんじゃないでしょうか。
全てのニーズに応えるペダルってまず無いんですけど、それを分かってても「やっぱりあれもこれも」と一つのペダルに対して次々と自分の理想を求める無限地獄。


そんな中、個人的に「これはずっと持っておきたいな」って思う歪みペダルを5つ選んでみたいと思います。
ちなみに順位とかは特に無いです。
僕が好きになる傾向は根本的には同じなので、評価の対象や言い回しが重複したりしますがご容赦の程を・・・。



【Xotic ''BBpreamp''】
   
今や定番中の定番ですね。TS系らしいですけど、いろんなシーンで重宝する守備範囲の広さに絶妙なコンプ感による独特な弾き心地の良さを持ってます。
エフェクターやアンプへのブースターとしても優秀ですし、2bandEQで細かい補正が効く辺り便利ですよね。
やや落ち着きのあるまとまったトーンで、どんな時にも機材や状況を選ばずポテンシャルを発揮してくれるので「何かの時にこれ一つあれば」的な安心感もあります。
ただこのキャラクターの強さを受け付けない人や、コンプ感からくるレンジの狭さによる一部での相性の悪さも存在するのは否めないです。
それでもポップス、ブルース、ロック、ファンク、フュージョン・・・と幅広いジャンルにマッチするペダルだと思ってます。
そういった無難に馴染むという傾向やXoticというブランドのイメージもあり「お仕事ペダル感」が強いですね。笑


【MI Audio ''Tube Zone Overdrive v.4''】
   
ブレット・ガースドの使用で一部でも知られるオーストラリア産のペダル。現在は惜しくも生産完了となり中古でしか買えませんが、これも優秀です。基本的にはディストーションの範疇にありますが、コントロールノブが6つ(内部にトリマー1つ)ととても多い上にそれぞれがかなり強烈な効き方をするので色んな音が作れます。
ただ、相互干渉EQであることや若干の癖の強さがある音なので初見では音作りがしづらいかも知れません。でもコツを知ると痒いところに手が届く作りです。
又、アンプを選ばないのでトランジスタアンプ相手でも「最早プリアンプか?」ってくらいキャラクターをこのペダルに寄せられるのも強み。(むしろクリーンなトランジスタアンプの方がニュートラルな状態から作れて向いてるかも)
ハリのあるクランチはあまり得意ではありませんが音の分離がとても良く、和音が潰れる事も無く、ソロにおいてはレガートを続ける時なんかに一音ずつの立ち上がりがハッキリと聴こえてきやすいです。
まさにブレット・ガースド!といったサウンドが出ますね。(彼のファンなら買わない理由が無いと思います)
生産完了してますが、特にプレミアもつかず中古ではわりと安価に買えたりします。
マイナーチェンジを繰り返し、最終的にv.4まで存在しますが僕は断然v.4をオススメします。


【Lovepedal ''Tchula''】
   
元々はジョシュ・スミスの為に作られたオーバードライブです。回路的にはLovepedalお得意のCOT50系ですが、諸々仕様が違います。
COT50譲りの反応性の高さとアンプを選ばない絶妙なクランチは唯一無二で、特にギター側でのボリュームコントロールへの追従性の良さはクレイジーなレベルですね。
オールド志向な音色でゲインもさほど高くは無いですが、「謎にオマケしてくれる弾きやすさ」を持っています。ブーストを最大にするとファジーで割れたようなドライブ感があり、その気にさせてくれる心地良さも秀逸。
特に指弾きでブルージーなプレイをするには最適ですね。万能では無いですが、ブルース、ファンク等のセッションにこれだけ持って行けると安心感はかなり得られると思います。
コントロールも一つなので素早い転換でも迷う事が一切無いですし、アンプを選ばずこれの音になるのでこれ一つで完結させたい人向けですね。
お世辞にも器用な作りとは言えないペダルですが、このコンセプトにハマれば手放せない味があります。
何かしらコントロール類を増やしたものを作っても売れるんでは?とか考えましたが多分それやっちゃうとそもそもの音が変わっちゃうというか良さも犠牲になるんでしょうね〜。


【Hermida Audio Technology ''Zendrive''】
   
ロベン・フォードの使用で有名なオーバードライブペダルです。
これに関しては、現在入手困難なのでプレミア的な理由が大きいですが良いペダルです。一時期の値段の釣り上がりや神格化もあり、多くを期待すると肩透かしを食らうかも知れませんがそのスムースなトーンはブルースやフュージョンにおいて高いマッチングを見せます。
ピッキングの強弱への追従性は高いですが、ボリュームコントロールへの反応はそれほど良くなく、アンプにもかなり左右される歪みです。
個人的にはフェンダー真空管アンプセミアコで繋いだ時は神が降臨しますが、それ以外だとあまり使いこなせてません・・・(猛省)
Lovepedal委託後の現行品で2万円後半、Hermida期のものなら中古でも5万円くらいと着々とプレミアが進んでますが、正直そこまでのコスパは無いかもですね。
ただ、独自の持ち味は強みですし、相性の良いアンプを常に用意できるなら最高じゃないでしょうか。少なくとも僕は現場によってアンプが都度変わるという方にはあまりおすすめしません。
特にトランジスタアンプの場合は要注意かもですね。

と、少し厳しめな意見にもなってしまいましたが、音・デザイン共に代えが利かない個性を持っています。急にフッと繋いで鳴らしてみたくなる中毒性と言いますか。
今では個人製作のクローンや安い中華ペダルで回路がパクられまくってますが、本家からくる満足感は不思議と良いインスピレーションを与えてくれます。
エフェクターの求める良さってこういう気持ち的な部分も含めてって感じあるというか、音さえ良ければ筐体は無塗装、無表記で良いっていう人も多々いる(僕もそう)とは思いますが、楽器のデザインや想い入れからくる演奏への影響って少なく無いですよね。
良いビルダー、良いペダルってそこも上手く取り入れるセンスがある気がしますし、Zendriveはその辺り上手だと思います。
まあそれでも箱に置きっ放しになってるんですけどね(台無し)


【EMMA electronic ''PisdiYAUwot''】
   
メタルディストーションです。これはもうメタル用途だなってくらいのメタルディストーションですね。メタル以外に幅広いジャンルで使える事をアピールする動画を見かけた事もありますが、正直これ一つにそこまで無理させるなら他にペダル用意した方が良いように思います。
音の生々しさが結構なもので一聴すると硬質、シャリシャリなのですが録音に混ぜるとこれが思いのほか良い感じにミックスされます。
基本は結構ハイが暴れるのでセッティングによっては暑苦しかったり煩く感じはしますが、ローが非常にタイトで分離も良く、和音が潰れる事はまず無いですし、一直線にザーッと鳴るような独特なサウンドはモダンメタルっぽい音を出したい時に重宝します。
ゲインはめちゃくちゃに高いという訳でも無いので、それが分離の良さや生々しさに影響してるんでしょうか。
EQは相互干渉系なので、Tube Zone同様に少し慣れのいる効きですが、思ってるよりも音作りを追い込めます。(ある意味で多ジャンル使用アピール動画の存在にも納得)
僕が普段過度なメタルサウンドを求めてない事もあり、この手のディストーションはこれ一つで完結してます。
メタルの音ならこれで困らない、そういう意味でもずっと持っておきたいペダルですね。
リードよりもバッキング向けだと思いました。




今の所はこんな感じでしょうか。
最初にも書いた通り、歪み探しの旅は終わりが見えないので今後追加したり諸々の変更もあるとは思います。
選ぶ理由は「なるべくアンプに左右されない」てのが大きいですかね。あとそれにしか出せない音、みたいなのも結構好きでその上で音の好みが自分のスタイルに合ってるペダルは手元に残したくなりますね。
このジャンルにはこれ一つあれば・・・みたいな優秀さを持ってるものも良いですよね。



これらのペダルはどれも過去に個別でレビューしてるものなので、もし興味があれば左上の検索欄から検索してみてください。
今と違う印象でレビュー書いてたりするとは思いますが・・・。





Wampler Hot Wiredを買ったので出来たら近日中にレビューしますね。