Nakaji(ナカジー)の日々のギターとか音楽ネタとか。     ~Slight Return~

Nakaji(ナカジー)です。ギター弾いてます。講師も。気まぐれで採譜したTAB譜を公開したり、ギタリスト主体の音楽ネタや自身の日々を緩く書いていきます。                  更新は不定期ですが最低でもひと月に一回は何か書きます。諸々のご連絡やご依頼はCONTACTからどうぞ。

Maxon ''SD-9 Sonic Distortion''

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日本が世界に誇る大手ブランド、Maxon(Ibanez)から発売されているディストーションです。

SD-9、正式名称は''Sonic Distortion''だそうで、中々かっこいい響き。

マイケル・ランドウやスコット・ヘンダーソンの使用が有名で、彼らに憧れて買う人も多いんじゃないでしょうか。

かくいう僕もその一人です。

 

サウンドは少し粒の粗めな古き良きディストーションという感じで、昨今のアンプライク系のような音色補正とは違い、「いかにも正面からストレートにゲインを足す!」といった正統派な歪みです。

 

コントロールはLevel、Tone、Distの3つで必要最低限のものですが、中でもトーンノブには特有のクセがあり、かなりトレブリーにチューニングされています。

これはSD-9ユーザー全員が言及する点ですが、普通の感覚で使うと12時位置辺りでもかなり高音が耳につきます。その為、多くの人が9時前後に設定するそうですが、実際僕も使ってみて「なるほどな〜」と思いました。

上げれても11時くらいまでという印象で、それ以上はカリカリな音になってしまいます。

この操作性に慣れてトーンを上手く設定すれば、マイルドで太く、スムースな音が作れます。

 

もう一つ気になった点は音量。こちらは逆に控えめな印象で、Levelは結構上げ目・・・というかほぼほぼ最大で設定してます。

それでも聴感上、音量が下がって聴こえてしまうんですよね。実際には下がってないとは思いますが、引っ込む感じがあります。

 

そして、Distによるゲイン量は、よほどのハイゲインを求めなければリードを弾くには単体で十分扱いやすい程度には稼げると思いました。

あまり上げ過ぎるとブーミーになります。それはそれで良い音とも思いますが、適度に抑えて設定した方が僕にとっては良い感じ。

又、トーンを抑えて音色をウォームにした方がリードの伸びやかさも増していきますので、そうすればミドルゲインでも伸びのいいリードになります。

先述の通り、トーンの効きがかなり強いので、あまり明るい音にすると音の線が細くなりやすいです。

 

といった具合に特有のクセはありますが、こういった要素がスコヘンのあの音を作り上げているとも思える操作感でもあります。笑

これに加えてSuhrのシングルコイルが混ざるとあの感じになりそうですね。笑

 

 

総評すると、「太く伸びのあるリードトーン」、「ピッキングの強弱への反応の良さ」、「ボリューム操作時の自然な減衰」等、めちゃくちゃポテンシャルは高く、職人的プレイヤーからの評判が良いのも納得です。

まあ、コントロール面で明らかな弱点要素を持っているにも関わらず一流からの評価が高いのは言うまでもなく純粋に音が良くて使いやすいからでしょう。笑

・・・とはいえトーンとボリュームの可変をもう少し扱いやすく出来たら更にバランスの良い歪みになりそうという印象は否めません。実際、いくつかのMOD品もリリースされてますね。

スコヘンやランドウも長年ストックのまま使ってると思いますので、不満はあれど基本的には問題ないのでしょうけど・・・。

 

 

最後に、これはSD-9に限らずMaxonのこのシリーズに共通する点ですが、独自のフットスイッチの踏み心地があまり良くなく、オンオフがやりにくいという・・・。これは最早ご愛嬌でしょう。笑

 

【余談】

ちなみに現時点では海外のみの情報ではありますが、スコヘンの要望に合わせた''SD-9SH''という公式な改造品の話しも出ているようです。

改造内容はやはり高域成分の見直しで、全体的に低~中域に寄せた設定になっており、更には控えめだった音量のブースト量にも余裕を持たせバランスを取っているようです。

歪みモノは悪い部分も含めてオリジナルの良さに繋がってる場合もあるので、何でも改善すれば良いというものでも無いのかも知れませんが、今回スコヘンの要望(シグネチャー)である事や、開発には設計者の田村進氏が関わっている事から信頼性は高そうです。