Nakaji(ナカジー)の日々のギターとか音楽ネタとか。     ~Slight Return~

Nakaji(ナカジー)です。ギター弾いてます。講師も。気まぐれで採譜したTAB譜を公開したり、ギタリスト主体の音楽ネタや自身の日々を緩く書いていきます。                  更新は不定期ですが最低でもひと月に一回は何か書きます。諸々のご連絡やご依頼はCONTACTからどうぞ。

常に目標にある存在、ブレット・ガースドについて語る。

我が心の師匠、ランディ・ローズ、ガスリー・ゴーヴァンに続きまして、

オーストラリアの名手、Brett Gased(ブレット・ガースド)について自分語りも含めて書いていこうと思います。

ちなみに心の師匠は挙げるとキリが無いほど存在します。

 

 

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           Brett Garsed(ブレット・ガースド)

 

ガースドは古くはシンガーのJohn Farnhum、バンドのNelson等を筆頭にサポートメインで活躍していたセッションプレイヤーでした。

レーベルの手引きによりShawn Laneとコラボレーションしたことでソロプレイヤーとしても頭角を現すようになり、その後はTJ HermerichやVirgil Donati、Planet X等、様々なテクニカルアーティストとの共演を経て、現在では一部のマニアが知るフュージョンギタリストとして認知されています。

一時期ではありますが、アメリカのMIで講師をしていました。(当時のMIに通っていた僕の従兄弟はガースドのプライベートレッスンを受けていたそう。羨ましい)

 

ホールズワースから影響を受けたレガートプレイヤーとして有名ですが、

昨今では当たり前になりつつあるロック・フュージョンスタイルのハイブリッド・ピッキングの名手(元祖)でもあります。

 

とはいえ実際のプレイスタイルは幅広く、テクニカルなリードプレイ以外にもアンサンブルを意識したバッキングワークや、ジャンルを問わず馴染ませられる引出しの広さ、更には結構良い声のボーカルまで・・・と、サイドマンとしての仕事もしっかりこなせる職人ギタリストですね。

バンドサポートでバックボーカルが出来るのは仕事の需要としてもかなりポイント高いと思います。

アコギやスライドギターも相当巧いです。

 

 

僕がガースドの存在を知ったのは、ガスリー経由で色々とテクニカルギタリストを探していた時でした。何かしらネット経由で知りましたね。

とりあえず1stソロアルバムの''Big Sky''から聴き始めたのですが、正直最初の印象は「地味」でした。

今でこそ愛聴してますが、全体的に静かな曲が多く、テクよりはエモーショナルな要素を重視していたので慣れるまで分かりにくかったですね。笑

勿論、随所で技巧は披露してますが、あくまで楽曲に寄り添う演奏なので、派手な弾きまくりを期待してた分、尚更地味に感じました。

 

とはいえ聴き込むうちにハマっていき、TJとのコラボ作品やMVPへの参加音源を探したりしてるうちに熱心なファンになりました。

2ndソロに関しては国内盤を待つより先に本人のサイトから直輸入しました。笑(直販だとサイン付きです)

 

ガースドはいくつかの作品にゲスト参加していて、僕はそれら全てを揃えた訳ではありませんが、気になったものはチェックしてますね。

 

それなりに参加作品を聴きましたが、僕が知る限りでガースドがおかしな演奏をしている録音は見当たらず、どれも個性やテクを出しつつも楽曲に馴染んでいる印象です。

ソロの組み立て方が上手いのもそうですが、リズム感も相当高いレベルにあり、それが聴きやすさや全体のまとまりに繋がっています。(ガースドに限らず上手いプレイヤー全般に言える事ですが)

全体の熱量のコントロールが上手いと言いますか、変に主張し過ぎず、サラッと難解な事もやってしまう印象です。それでいて個性を感じます。

 

 

ハイブリッドピッキングやレガートの技量の高さに加えて、僕が好きなのは独特な跳躍を含むフレージングですね。

顕著なのは「レガートの随所で一瞬だけ低い音へ跳躍するパターン」で、これは完全にトレードマークと言えます。

正直同じフレーズを使い過ぎな感じはありますが、嫌味がなく普通にカッコイイので問題なしです。笑(マイク・スターンのようなお決まり感ですね)

その他、全体的にフュージョン要素はありますが、意外にもジャズのツーファイブだとかの常套フレーズは殆ど無く、意外と独自解釈なのかな?とも思えます。

ホールズワースを分かりやすくした、みたいな感じです。

 

速いフレーズに注目されがちですが、同様に伸びやかに歌うフレーズや間を意識しての表現力も高く、長尺のソロでもマンネリしない辺りも一流です。

 

 

 

最初にオススメしたい作品は、もちろん1stの''Big Sky''ですが、現在は入手困難となっています。

mp3での流通は続いていますので、興味ある方はそちらからどうぞ。(Amazonだと2nd共にプライム会員無料です)

Big Sky

Big Sky

Amazon


 

 こちらは2nd。

Dark Matter

Dark Matter

  • Brett Garsed
Amazon

 


 

本人サイトからの直販だと、1st&2nd&教則DVDの三点セットで30ドルくらいでしたが、残念ながら現在は取引きを停止してるようです。

 

 

ギターテクニックを楽しむのであれば、これまた非常に入手困難ですが、TJ Helmerichとの共作'' Quid Pro Quo''、''Exempt''の二作がオススメです。

リリース時期が90年代なので時代相応のサウンドですが、寧ろこの感じが好きな人はいるでしょう。(僕)

 

 

 

このコラボはヘルメリッチもブッ飛んでるんですよね・・・。強い。

 

 

そして、現代のテクニカルフュージョンの源流のようなものを総括した内容のアルバムが、MVP ''Centrifugal Funk''です。これまた入手困難・・・一昔前はアマゾンで普通に買えたんですけどね。

こちらもコラボ作品で、ガースドとショーン・レインの対決(バケモノにはバケモノをぶつけんだよッ!!)がメインですが、フランク・ギャンバレも参加しており、

フルピッキング、スピードピッキング(エコノミー/スウィープ)、ハイブリッドピッキング、レガート・・・などなど、あらゆる奏法が高次元に展開されています。

ぶっちゃけこれ一枚で十数年前に起きたテクニカルフュージョンブームにおける奏法のほぼ全てを学べます。

これは僕にとって教科書のようなもので、困った時には度々参考にしています。

ちなみにオリジナル盤とリイシュー盤が存在しており、前者はショーンのフリーソロ、後者はヘルメリッチのフリーソロが収録されています。(上記の動画だとどちらもカットされてますね・・・)

 

 

これら以外にもオススメの参加作品はありますが、キリがないのでこの辺で・・・笑

 

 

 

ガースドの使用ギターは時期によって変わりますが、古くはスタインバーガーGS、比較的新しめでESPのシグネチャー辺りが有名かと思います。

ただ最近はトラディショナル志向になったのか普通にストラトテレキャス、SGをよく見かけますね。

出音も昔と比べて生々しくなってます。スタインバーガーの時は時代背景もありそうですが、かなりヌルヌルのディストーションサウンドという感じでした。

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スタインバーガーGSはヘッドありのモデルという事で世界的にもかなり希少ですが、稀に日本市場で見つかる事もあります。

僕も行こうと思えば試せる距離に在庫を見つけてたんですけど、数年スルーしてたらつい最近売れてしまいましたね・・・笑

買う気は無くとも一度は弾いてみたいギターです。

ガースド本人も凄く気に入ってたようで、''Big Sky''もほぼほぼこのギターで録音したそうです。

 

エフェクターは、MI AudioのTube Zoneをワンオフでカスタムしてもらったものを使っていて、空間系にはホールズワースと同じYAMAHA UD-Stompがあります。

勿論その他ありますが割愛します。笑

 

 

うーん、いろいろ書いてたらかなり長くなってしまいました・・・。

思いついたままを書き込んだのでまとまりのない記事ですが、とにかくガースドは僕の憧れのギタリストの一人、という話です(強引解決)

 

 

実力に対してあまり表に出てこないギタリストですが、名の知れたプロ以外にもちょくちょくセミプロ?っぽい人達とコラボやゲストソロ弾いてたりするので、割と気軽に依頼できるのかもしれませんね。

 

最後に個人的に好きな動画を貼って終わりにします。

ジョー・ヘンダーソンの''Inner Urge''のカバーです。ベースはRic Fierabracci、ドラムにMarco Minnemannの強力メンツ。