Nakaji(ナカジー)の日々のギターとか音楽ネタとか。     ~Slight Return~

Nakaji(ナカジー)です。ギター弾いてます。講師も。気まぐれで採譜したTAB譜を公開したり、ギタリスト主体の音楽ネタや自身の日々を緩く書いていきます。                  更新は不定期ですが最低でもひと月に一回は何か書きます。諸々のご連絡やご依頼はCONTACTからどうぞ。

【自作】Oddfellow FX ''Caveman Overdrive''

【追記】ブーストセクションの調整用ポットを増設しました。(筐体左側面)

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相変わらずの組み込みの汚さ。

 

 

Oddfellowの歪みペダルで、OD+Boostという構成。

 

Oddfellowは2010年頃に突如現れたメーカーで、無名ながらもこのCavemanが一部で高い評価を得ていました。

僕も当時から気になってましたが買うまでには至らず、その後もチラホラと中古を見かけては迷った挙句やめておく、という事を繰り返していたペダルです。

 

そして評判の良さと共に話題になっていたのは中身の回路。

 

これ実はほぼほぼFulltoneのOCDなんですね。笑

というかほぼほぼどころじゃないくらいOCDです。

 

一部の定数は変えられていますが、自作する人が自分好みに変える程度の内容ですので、オリジナルと呼ぶには厳しく、実質的にOCD Mod.といった回路ですね。

 

「いやまあ独自にブースト回路も付いとるしええやろ!」って思いたいですが、

このブースト回路・・・

OCDにあるピークスイッチ(HP/LP)をフットスイッチ式にしただけなんですね。厳密には定数が変えられてますが、仕組みは同じです。

 

この手のブーストセクションって自社のクリーンブースターとかを組み込むパターンが多いですが、そうじゃないです。

(Oddfellowは''Napoleon Boost''とかいうの出してたからそれ使ってくれればよかったのに・・・)

 

それでも音の評判が良かったのは事実ですし、個人的にはデザインも好きなペダルです。

今更本家を買おうにもメーカーが消滅してるようで中古すら見かけなくなりました。

ちなみに機能性が増したv2も出てましたが、そちらはそもそもの回路が違うっぽいです。

 

自作した感想。

音は普通に良いですね。僕はOCDを試した事が無いのですが、評判通りの感じと言いますか、ジャンルを選ばずに使えそうな音色に十分なゲイン幅があり、これ単体でブルース、カントリーからハードロックまで弾けます。

ピッキングの強弱や、ボリューム操作への反応も良い。

欲を言えばもう少しトーンノブの効きが良ければ・・・。全体的に暗いですかね。

 

歪みの傾向はすごくオーソドックスです。

何系という表現でいい例えが見つかりませんが、過度に味付けされてたり、滑らかなコンプ感がある感じでもなく、ストレートなロックサウンド

強引に解釈するならマーシャル系かなあ?といったところです。

 

ただ、評判が良い反面「ゲインを高く設定した際、ローの圧が邪魔で音抜けも悪くなる」みたいに言われるのも納得です。

ミドルゲインくらいまでなら気になりませんが、ガッツリ歪ませると途端にローの主張が強くなります。この場合、アンプ側のベースEQを結構カットして丁度良いくらい。

その状態でミドルゲインにすると逆にカリカリになり過ぎかな・・・。

気になるのはゲインに応じてのローの主張くらいで、基本的にはかなり良いです。

 

僕の環境だとテレキャスのシングルコイルで鳴らした時が好きですね。

 

ブーストスイッチの値は固定で、回路的には20kの抵抗を通すか通さないかの選択になります。

一旦は本来の回路図に準じて作りましたが、ここは改良ポイントですね。

ぶっちゃけブースト量がデカイので、弾いてる最中にオンオフで使い分けるには双方とのギャップが大きすぎると思います。

抵抗値をもう少し調整するか、もしくはポットに置き換えてしまってブースト量を可変出来るようにするか、といった手段があります。やるならまあ後者でしょう。

【追記】ポットを加えてブースト量を可変できるようにしましたが使いやすいです。

やはり固定値より自分で調整できる方がイイですね。

 

あとはロー出過ぎ問題については、入力段か増幅後にあるフィルター回路の定数を変えれば好みに持っていけそうです。

ローの加減はゲイン量に起因するので、フィルターは二通りくらいの定数を用意しておいて、ゲイン量に応じてスイッチで切り替え可能にするのが無難そうです。

ちなみにデフォルトの回路のままでもミドルゲイン時のバランスは良好です。ただ、ハイゲインにした時がボヤける、という感じですね。

【追記2】結局はコンデンサの値を減らす方向で手持ちの値をいくつか試してみました。

ローカットするとOCDらしさはかなり薄まりますが、好みには近づいています。

最終的に''ガッツリ減らした値'' と ''オリジナルに近い値''(それでも元よりは少ない)をミニスイッチで切り替え出来るようにしました。

 

ダイオードは出回ってる回路図だと種類が曖昧ですが、僕はBAT41を使いました。

指定ではBAT85、1N60Pだったり、OCDだと1N34Aだったりするそうです。

BAT85は入手出来ず、それ以外で軽く試してみた結果、BAT41が一番好きでした。

BAT41かBAT46で迷い、どちらも殆ど差は無いのですが、直感も込みで41に落ち着いてます。

1NよりもBATのがザラつきもありつつ、ゴリっとしたタイトさや食いつきの良さを感じます。

ノイズに関しては、驚く程にローノイズでした。シングルコイルでも気になりません。

 

筐体は普通のMXRサイズで作りましたが、ブースト周りをポットにしたり、フィルター切り替えを増設するなら本家同様にやや背の高いタイプにした方が良さそうです。

 

やはり元がOCDという事もあり、良いペダルだと思います。

出来に不満があってもOCDは回路情報が充実してますので、それらを参考に何かと手を加えやすいでしょうし、そもそもの部品数も特に多くは無いので試してみる価値ありかと。

 

OCDのレビューなのかCavemanのレビューなのか分からなくなってしまった・・・。

 

Justin Derrico(うまい)によるデモ。

これ見てるとLSLのテレキャスが欲しくなってしまう・・・。