ちょっと珍しく音楽理論のお話し・・・。
去年末に理論解説みたいなものを書くかも、と予告してましたが、その触りとして少しコード理論に言及してみたいと思います。
知ってる&分かる人にはどうでもいい内容ですが、コード理論を勉強していこうと思っている人は土台として認識しておいて損は無いと思います。
(最低限ダイアトニックコードは把握している前提での解説になりますのでご了承下さい)
作曲や分析をしていると「ダイアトニック''外''のコード(ノン・ダイアトニックコード)」の存在に疑問を持つ事があるかと思います。
それらは一時的な転調だったり代理コードだったり、コード進行によって発生条件も様々ですが、
今回解説したいのは、あまり細かい理屈抜きにただ知っておくだけで一部のノン・ダイアトニックコードについて柔軟になれるアイデアです。
一度に全ては量が多くなってしまうので、回を重ねながら順に進めていきます。
【モーダルインターチェンジ】
メジャーダイアトニックに対して同主短調のマイナーダイアトニックからコードを借りてくる手法です。
まず、基本となるメジャーダイアトニックは問題ないとして、これに加えて同じ主音を持つマイナーキー側からもコードを引っ張ってくる事が出来るんですね。
例えば、キーがCメジャーなら同じくCを主音とするCマイナーキーのコードが使えます。
(Cマイナーなので、イコールでE♭メジャーと捉えても差し支えないです)
一覧にしてみます。
まず、メインとなるCメジャーのダイアトニック。
CM7・・・IM7
Dm7・・・IIm7
Em7・・・IIIm7
FM7・・・IVM7
G7・・・V7
Am7・・・VIm7
Bm7-5・・・VIIm7-5
それと並行して、Cマイナー(E♭メジャー)のダイアトニック。
Cm7・・・Im7 ※はっきりと転調しない限りあまり使わないと思います。
Dm7-5・・・IIm7-5
E♭M7・・・III♭M7 ※Cm7と同様に少し使うタイミングは難しいかもです。
Fm7・・・IVm7
Gm7・・・Vm7 ※G7も。
A♭M7・・・VI♭M7
B♭7・・・VII♭7
キーCなのに、
|| A♭ | B♭ | C | % ||
とか
|| FM7 | Fm7 | Em7 | A7 |~
とか
スローなアルペジオで
|| C | Fm6 | C | Fm6 || ←(田舎感好き)
みたいなのを結構頻繁に耳にしてるかと思います。
借りてくる中でも実際はIIm7-5、IVm7、VI♭M7、VII♭7の頻度が高い印象で、ちゃんとCの範疇にありながら少し寄り道をするくらいの感覚ですね。
ここで大事にしたいのは細かい理屈は抜きに「マイナーキーからも引っ張ってくる事がある(出来る)」という知識です。
実際の分析においては、前後の流れによって判断方法は変わりますが、
例えば自分でコード進行を作りたい場合に頭でっかちに一つのダイアトニックに縛られて考えるよりは、こういう風に前提としてここまで使えるというのを知っていた方が視野は広がると思ってます。
(勿論、転調や代理を含めばもっと色々あります)
最後に実用的なものに絞ってまとめて一覧にすると・・・
CM7・・・IM7
Dm7、Dm7-5・・・IIm7、IIm7-5
E♭M7・・・III♭M7
Em7・・・IIIm7
FM7、Fm7・・・IVM7、IVm7
G7・・・V7
A♭M7・・・VI♭M7
Am7・・・VIm7
B♭7・・・VII♭7
Bm7-5・・・VIIm7-5
こんな感じですね。
くどいですが、あくまで知識的な土台としての提案ですので、理屈で考えるよりは「こういうもの」として把握して頂ければと思います。
用法に関しても同様で、マイナーダイアトニックから借りてくるための条件は特に無いです。
勿論、使ってみての響きの良し悪しは各々のセンスや経験に委ねられますが、シンプルにコードの手札が増えたと考えてみて下さい。
次回も同様のコンセプトで発展したアイデアを書きたいと思います。