Nakaji(ナカジー)の日々のギターとか音楽ネタとか。     ~Slight Return~

Nakaji(ナカジー)です。ギター弾いてます。講師も。気まぐれで採譜したTAB譜を公開したり、ギタリスト主体の音楽ネタや自身の日々を緩く書いていきます。                  更新は不定期ですが最低でもひと月に一回は何か書きます。諸々のご連絡やご依頼はCONTACTからどうぞ。

NUX ''Mighty Lite BT''

昨今、流行りのポータブルアンプです。中国メーカーのNUXから発売されています。

似たところだと、BlackstarのFly3がありますが、どうやら同じ工場で製造してるそうな。リリース元は違えど基本的なノウハウは共有されているデザインですね。

 

今回、Fly3との比較も交えつつレビューしていきます。

 

大まかなスペックは、

 

・3インチスピーカーの3ワット出力

・クリーン、OD、Distの3チャンネル搭載(コントロールはGain、Vol、Tone)

モジュレーション、ディレイ/リバーブ内蔵

・リズムトラック内蔵

Bluetooth対応(外部オーディオ、アプリ操作)

・単三が6本での電池駆動可能(アダプターはDC9v)

 

といった感じで、このサイズのポータブルアンプとしてはかなり充実しています。

Fly3とかなり近いですが、こちらの方がエフェクトの種類が圧倒的に豊富なのと、専用アプリを使う事でスマホと連動しての細かいプリセットや音源コンテンツが利用できます。

Fly3には無かったリバーブがあるだけでもありがたい。

電源もFly3は6.5vというかなり特殊な仕様で専用アダプターが必須だったのに対して、こちらは汎用9vで動作するのも大きいですね。

 

コントロール面。

まず、3インチ、3ワットという出力環境ですが、このサイズからは十分過ぎる程の音量感があります。

ただ、いきなり難点を挙げてしまいますが、

音量を大きめに上げると、6弦を弾いた時にスピーカーの共振なのか音割れなのか、結構気になる異音が混じります・・・。

これはクリーンchが顕著で、例えばジャズのようにハムバッカーで太く丸い音での演奏を前提で検討されている方がいましたらぶっちゃけオススメ出来ないです。

シングルコイルならいくらかマシにはなります。

OD/Dist.chにすると、そもそも歪んでいる事やコンプレッションの関係なのかさほど気にならないので、そちらの用途としては我慢出来ますが、低音の再生能力に関してはFly3の方が優秀に思います。

結果として、せっかく音量を出せる振り幅があるにも関わらず、音割れを気にするとあまり音量を上げられないという状態になっています。

僕の個体が不良品である可能性は否定出来ませんが、海外のレビュー動画でも言及してる人がいたので仕様な気がします。でも、動画越しだと割れの度合いが伝わりにくく判断が難しかったです。

(所有している方がいましたらコメント頂けると嬉しいです)

 

 

次にToneの可変は一般的な挙動ですね。絞ればこもり、上げればジャキジャキします。Fly3のように左右でシームレスに二つのキャラクターを可変させるものではないです。

Fly3のアレはカット方向には効かない特殊な挙動なので、こういう普通にカット/ブースト方式の方が直感的で自分は好きですね。

 

 

Gainレベルは3つのチャンネルから選択できるので、クリーン〜ハイゲインまで十分に対応できます。ハイゲインはハウるレベルまで出ます。

クリーンchに関しては、上述の音割れ問題があるので実用的な範囲は限られますが、案外ゲインを上げられるので余裕でクランチくらいまで出ますね。(音割れさえなければジャジーな演奏にも困らない気はします)

OD/Dist.ch時の歪みの質感には変な癖もなく、極々普通に耳馴染みのいいドライブサウンドです。モダンにまとまった傾向にはありますが、これを嫌いな人はあまりいないんじゃないでしょうか。

なんというか万人ウケを狙ったような印象です。Fly3よりもエッジの効いた感じで、最大ゲインも上っぽいです。

 

 

次にBluetoothによる専用アプリとの連携ですが、このアンプの実力(というかお得感?)を出すにはアプリは必須ですね・・・。ちなみにアプリの画面はかなり直感的に理解しやくて好印象です。

 

アプリで出来ることは、

 

・アンプch毎のプリセット保存

・エフェクトタイプの選択(ノイズゲート、モジュレーション、ディレイ/リバーブ)

・リズムトラック再生(メトロノーム、ドラムトラック9種、バッキングトラック数曲)

 

の3項目で、

特にエフェクトに関しては、モジュレーション中でもコーラス、トレモロフェイザーだったり、ディレイ/リバーブの種類(プレートとかスプリング)だったりの選択があり、こういう細かなところでアプリじゃないと設定できない項目があります。

 

 

リズムトラックは、定番なジャンルの中から''いかにも''な曲調のものがそれなりの数用意されています。

ぶっちゃけYoutubeから適当に引っ張ってきて流すのも似たようなものですが、アプリ上で手軽に選択できるので、ふと思い立った時に試せてイイですね。

僕の場合はレッスンでのちょっとした説明に使えたら便利かなーとも考えているので、メトロノームや即席のドラムパターンは助かります。

ただ、音源を流す場合にも音割れ問題があり、やはりドラムに帯域を持っていかれるので、音量にはシビアにならないとギターの発音のタイミングによっては音がぶつかりグシャッたり割れますね・・・。

これはもう単純にこのサイズのスピーカーの限界だと思います。そもそも音源単体で聴いてもお世辞にも解像度は良くないので・・・笑

 

 

 

 

と、まあこんな感じで、機能性は文句なしに優秀なのですが、スピーカーの性能なのか音割れが惜しいと思える製品でした。

音量をセーブすれば許容範囲にはなりますが、それだと持ち味を出しきれてない感が・・・。とはいえ住宅事情によってはそもそも僕の指摘するレベルまでは音量を上げられない事もあると思います。

この辺りの評価は違ってきそうですね。ちなみにモニターヘッドフォンでの使用の場合、耳に痛くない範囲(実用の範囲)の音量では音割れは気になりませんでした。

 

重ね重ねにはなりますが、僕の個体が不良品の可能性はありますのでそれだけは宜しくお願い致します。