Nakaji(ナカジー)の日々のギターとか音楽ネタとか。     ~Slight Return~

Nakaji(ナカジー)です。ギター弾いてます。講師も。気まぐれで採譜したTAB譜を公開したり、ギタリスト主体の音楽ネタや自身の日々を緩く書いていきます。                  更新は不定期ですが最低でもひと月に一回は何か書きます。諸々のご連絡やご依頼はCONTACTからどうぞ。

CAJ ''DC-DC Station''の仕様上のノイズ問題。

※【追記】バージョン1での話しになります。現行品の2では動作確認しておりません。

 

 

CUSTOM AUDIO JAPAN ( カスタムオーディオジャパン ) / DC/DC Station II

パワーサプライの話し。

今回、レビューじゃなくてこの製品の問題点についての記事になります。

先に言っておくと【故障ではなく、製品の仕様】だという回答を代理店から頂いているものになります。

 

こちらが僕のメインボードのパワーサプライで、CAJから発売されている''DC-DC Station''という製品。

小型/軽量でフルアイソレート(重要)、DCポートは100mAが6つ、500mAが2つの計8つに、500mAポートには電圧計までも搭載・・・という中々に充実した仕様であるにも関わらず、お値段は比較的リーズナブルなのも評価ポイントです。

 

アイソレート電源って大体は大きめな筐体(重い)だったり、なにより結構高価なものが多いので手付かずでしたが、これが目に止まり、去年から使っています。

 

安価ながらもアイソレートを謳う製品はここ数年でかなり増えた印象ですが、その多くは中国製造のノーブランド品のようなもので、

「そもそも全くアイソレートされていない詐欺仕様」だったり、「一応アイソレートされてるものの売り文句とは異なる物」だったり、「電気的にちょっと不安が残る設計」だったり、中華クオリティと言いますか、やはり値段なりの仕上がりの製品が多かったです。

そういった中、徐々に信頼性の高いものも増えてきて、今回のCAJのものが登場した、という感じですね。

この流れに比例してアイソレート詐欺はかなり減った印象です。

 

 

今回紹介するCAJのこれは「完全なアイソレート」となっており、実際に分解してチェックされてる方もいましたが、性能に偽りは無いようです。

CAJと言えばやはり信頼できる筋のメーカーですし、今まで僕が使っていた簡易的なタコ足分岐や、安いサプライに比べてノイズは減ったと思います。

ただ、最近一つ気づいてしまった点がありまして・・・。

 

それが、ポート毎によるノイズ量の違い。になります。

 

 

見ての通りこのサプライは、100mAと500mAの二通りの出力ポートがあるのですが、100mAに比べて500mA側は明らかにノイズが乗るんですね・・・。

 

500mAには消費電流量が多くなりがちなデジタルのディレイ/リバーブといった静かなものを繋いでいたのですが、先日ふと歪みを繋ぐと妙にノイズが気になりまして、

「え?この歪みこんなだっけ??」と思いつつも100mAに繋ぎ直してみるとノイズはピタリと治りました。

100mAから供給すると問題ありませんが、500mAからだと急にサーーーっといったノイズがハッキリと乗ります。

念のためDCケーブル自体の品質や欠陥を考慮してケーブルをあれこれ交換してみてもノイズの発生源は変わらず・・・。

これはもうポート自体に原因があるな、と・・・。

 

 

そこからは手持ちの機材を繋ぎかえて地獄の検証の始まりです。

 

めんどくせ〜〜〜〜〜〜。まじ勘弁や。

 

 

検証にあたりサプライはボードから外し、エフェクターも外し、コンセント周りも整理し、PCやモデムの電源も落とし、なるべく他からの干渉が起きないようにしたうえで、手持ちのエフェクターを引っ張り出し、ひとつずつ100mA、500mAの端子へと繋ぎ替えてそれぞれのノイズ比をチェックしていきました。

 

それで分かった事は、他機種の接続や干渉が無い状況でも500mAポートは間違いなくノイズの発生源になる事。

そして、ややこしいのは単純に「500mAポートはノイズが出る!」って訳でもなく、発生条件には接続する機材の相性も含まれていました。

それ自体にも少しバリエーションがあり、例えば下記のように、

 

・エフェクトオフ時(トゥルーバイパス)でもDCジャックを接続した時点(待機時)でノイズが乗るエフェクターもある。

・オフ時は静かでもオン時のノイズが多い。

エフェクターによっては特に影響がなく、100mAと500mAのどちらでも全く同じ挙動になる場合もある。

 

あと組み込みの精度なのか、DC端子にはやや遊びがあり、プラグを挿した状態で根元を少しグリグリするとノイズ量が変化する事も・・・。

物理的欠陥もあるやんけ・・・(絶句)

 

 

といった具合でした。

衝撃だったのはエフェクトオフ時のノイズですね。調べたところこの現象はこれに限らず起こりうる事のようですが、オフやのにそんな事あるんか〜って感じでした。

オフ時でもバッファ通ってるとかなら分かりますけど、トゥルーバイパスでしたからね。

 

・・・といった感じだったので、このサプライをご使用の方は念のため100mAと500mAを繋ぎかえて比較してみる事をお勧めします。サプライ側の線を入れ替えるだけですしね。

ちなみに上記のチェックはほぼ歪みモノで行いましたが、機種によってはどちらのポートでも全く問題ない場合もあります。

ただ、一応の確認として、500mAに繋いでいるものを100mAに移す事でノイズが減るかもしれません。

 

そして、

これらは仕様らしいですよ。

 

せっかくなので実際の検証結果を覚えてる範囲で載せておきます。

【500mAポート時】

・Jetter Gear Altair IV・・・オフ時、オン時どちらもノイズ有り(今回の戦犯。要はこれを組んでると常にノイズが乗る)

・Xotic BBpreamp・・・オフ時◎、オン時ノイズ有り

Mad Professor Little Green Wonder / Deep Blue Delay・・・オフ時、オン時どちらも◎

・TC Electronic Dark Matter / Polytune(初代)・・・オフ時、オン時どちらも◎

・ZVEX Super Hard On(自作)・・・オフ時、オン時どちらもノイズ有り(もはや使用に難ありレベル)

・Xotic Soul Driven(自作)・・・オフ時、オン時どちらも◎

 

他にも試しましたが、近い記憶にあるのはこの辺です。

自作品に関しては設計の問題も考えられるので判断材料としては不適切ですが、一応書きました。

 

冒頭にある通りこれらの症状は「仕様」との回答を頂いておりますので、もし購入検討されている方は少し注意した方がいいかもですね。

500mAポートが必要となると大体はデジタル製品向けになり、例えば最近の流行りだとストライモンのディレイやリバーブ(300mA)を使ってる方も多いと思いますが、相性次第ではいざ繋ぐと予期せぬノイズが混入される可能性があります。

100mA以下のエフェクターだったなら繋ぎ変えで対応出来ますが、500mAに旨味を感じる人は普通に大容量なものを想定するでしょうし、そうなると100mAでは足りず、結局まともに使えないというケースも十分に考えられます。

※一応お断りしておくとストライモンでの動作確認は行ってませんので実際どうなるかは分かりません。

 

スペックに対してリーズナブルな製品なので、ノイズ問題がクリア出来ればかなりイイと思いますが、完璧ではないのかなという印象です。

やはり100mAと500mAでは電流量の違いは勿論のこと電圧計の有無もあるので、両ポートでは何かしら回路的な違いがあるのだと思います。

 

CUSTOM AUDIO JAPAN ( カスタムオーディオジャパン ) / DC/DC Station II