Nakaji(ナカジー)の日々のギターとか音楽ネタとか。     ~Slight Return~

Nakaji(ナカジー)です。ギター弾いてます。講師も。気まぐれで採譜したTAB譜を公開したり、ギタリスト主体の音楽ネタや自身の日々を緩く書いていきます。                  更新は不定期ですが最低でもひと月に一回は何か書きます。諸々のご連絡やご依頼はCONTACTからどうぞ。

【超主観的】ジプシージャズ、ピックのススメ。

前回、ジプシージャズのギターについて書きました。

今回は使用するピックについて僕なりに思う事を書こうと思います。

 

ピックに関しては人それぞれピッキングフォームやプレイスタイル、音の好みが大きく関係するうえに選択肢もキリがない程に存在しますので、あくまで一個人の意見だと思って読んで頂ければ幸いです。

これまでにもちょくちょく書いてきた事とも重複しますが、今回は情報共有の一環としてまとめてみます。

長くなりそうなので、なんとなくで読むにはしんどい記事かもです、すいません。

 

 

【ジプシージャズにおけるピックの特徴】

まず世間でよく言われるのが、「分厚いのを使う」というもの。

確かに一般的なギター演奏と比べて厚めのものを使用しますが、プレイヤーによっては意外と薄いものが好まれているケースがあります。

 

厚めのものを使う理由(利点)としては、ジプシージャズ特有のピッキング(レスト・ストローク)時に、

 

・弦に負けづらい

・音量や出音の太さが得られる

・弦への引っかかりが軽減出来る(これは当てる面の形状やアールの処理も関係します)

 

等が挙げられます。(・・・ジャンゴの使用ピックは諸説あります)

又、''専用''とされるピックは厚さの他にもエッジに滑らかなアール処理が施されている場合が多いです。

形状に関してはティアドロップから丸めなおにぎりまで様々ですが、いずれにせよエレキ等の感覚で演奏される事は基本的には無いです。

 

ちなみに僕の思うところでは、厚さの最低ラインは1.5mmで、それを下回るとちょっとパワーに欠ける印象があります。

僕自身も1.5mmを愛用してますが、この厚さは現代のプレイヤーに好まれているようで、おそらくビレリ・ラグレーンダンロップの''Delrin''という汎用ピック(1.5mm~2mm)を使用している事に起因すると思われます。

ただし、汎用ピックとは言えども通常とは異なり、反対側(お尻側)が使われます。

これは上述のような利点を得るためにアールが滑らか且つワイドな面を使用している、というワケです。

「でも、なんでよりによってこんな普通なピックを??」と思いそうになりますが、実際に試してみると意外とバランスが良いです。ビレリの着眼点すごい。

 

【ピックの厚みによる違い】

僕が試したのは、1.5mm〜3.5mmの範囲になります。

それぞれ利点はあるのですが、僕自身はプレイスタイルからトータルで見た結果、1.5mmに落ち着きました。それを踏まえて主観バリバリですが思う事を書きます。

 

・厚め(2.5mm〜)

まず、分厚くなる程ピッキングのパワーと音の太さ、音量が得られますが、弦間におけるピックの可動域は物理的に狭くなっていきますので、細かいピッキングがしづらくなります。

又、ピックの先端が弦を振り抜くまでのストローク幅も伸びるので、瞬間的にハジくような音の立ち上がりや輪郭は出しづらく、その点に注意してしっかり振り抜かないとややヌメッとしたピッキング(押し込むようなピッキング)になりやすいです。

これは一見すると、弦抵抗が少ないので弾きやすく感じるのですが、僕の場合は手首の振り抜きが苦手な事もあり、思ったよりもモゴモゴとした出音になってしまってました。

1.8mm〜2.5mmくらいでティアドロップ型ならまだハジくようなピッキングはしやすいですが、3mm以上は結構大変な印象です。

 

・薄め(1.5mm〜2mm)

反対に薄ければ弦への接地面は減りますので、ハジくようにパチパチとした軽快なアタックや立ち上がりのスピードを出せますが、音の線が細くなります。

弦間において細かいピッキングをする為の可動域は確保出来ますので、弦に負けさえしなければモダンなテクニックの演奏をするのには向いてると思います。

スウィープピッキングでは特に粒立ちの良さを実感できます。

 

ピック形状に関しては、ティアドロップやおにぎり等、人それぞれですが、ティアドロップは通常通り先端の尖った部分で使用する場合はある程度の厚みがあった方が良いと思います。

でも、本当に人それぞれなので鵜呑みにせず色々と試して頂くのがイイですね。

 

 

【オススメのピック】

ジプシーピックは安価な汎用ピックから専用とされるややお高いものまで色々です。

界隈でよく目にするものをご紹介します。

 

・Dunlop(Delrin 、Gator)

ビレリ・ラグレーンを始め、以降の若手に人気のあるピックです。先端ではなく、お尻側の丸い面を使います。

価格も100円程度なのでお手頃。とりあえず試してみてもイイやつです。

これの先端側をエレキ、お尻側をジプシーで使い分けられると一枚で二度美味しくてコスパ最高ですね。笑

JIM DUNLOP DELRIN STD/150×12枚

Jim Dunlop Gator Grip Pick 1.50mm 12枚セット ゲ―タ― グリップ ピック & Musent Custom Players Pick 付き | 417B150-GRN-12P

 

・Wegen Picks

オランダのハンドメイドピック。様々なバリエーションがあり、ジプシーに限らずブルーグラス向きなものも作っているようです。

弦への引っ掛かりを軽減するアールの処理がしっかり施されており、表面には凹みや穴開け加工があるので、指にしっかりフィットしてくれて滑りづらいです。

一枚大体1000円〜といった感じです。

http://www.stringphonic.com/PICKS/wegen.html

 

・64picks

国内で精密な工程と技術で製造されているようで、かなり完成度が高いです。

Wegen同様にアールの処理が高精度に施されていて、更にこちらはポリアセタールという素材が使われているので強度があり消耗しづらいです。

そして表面に凹みがあるので指からズレたりしません。

とても優秀なピックですが、その分価格は結構なもので一枚3000円近くします・・・笑

あと、厚さやアール角度のバリエーションがとても多いので、逆にどれを買うべきか迷いが生じる敷居の高さもあります。

GYPSY JAZZ Series(ジプシージャズ) - guitarshoptantan (ギターショップタンタン)

 

その他、近しい形状や厚さのもので色々と試行錯誤してみるのがイイと思います。

例えばDunlopですと、こちらのPrimtoneなんかも候補になり得ます。

JIM DUNLOP Primetone 477-306 Classic Medium Tip Pick 3.0mm ギターピック 1枚

 

 

 

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