前から気になっていたSterling製のAxisタイプです。
SterlingはMusic Manの廉価ブランドでインドネシアで製造されています。
以前ジャンクで買ったOLP(中国製)のAxisをご紹介しましたが、実質的にそれの後継ブランドですね。
Music Manといえばエディ・ヴァン・ヘイレンを始め、昨今ではやや新し目の世代のヒーローに愛用者が多い印象です。
僕はエディの大ファンなので、前々からこれに憧れがあったのですが、まあ〜〜〜本家は高過ぎるし、昨今では高騰してるしでこの先も一生買うことは無いだろうと思ってます。笑
となると廉価版しか選択肢が無く・・・。
SterlingのAxisシリーズは昔から気になりながらもスルーしてましたが、2~3年前にこのAX3FMというモデルが登場した事であらためて気になってました。
モデル名に''FM''とある通り、トップにフレームメイプルを採用しているのが売りですが、やはり値段なりでショボ目ですかね。笑
特に僕の個体はかなり控えめかも。
新し目のモデルなので、組み立てのノウハウも良くなってるのでは??と勝手に推測してますが、どうなんでしょう??
過去のシリーズを知らないのですが、ざっくりチェックした感じはインドネシア製なので仕方ない部分はあるにしても、他のメーカーの同価格帯のギターではちょっと見ないような塗装の粗や傷があります。
致命的なのがフレットの仕上げですが、僕の個体に関しては1音チョーキングで音が詰まるポジションがありました・・・。
このシリーズというかSterling製品は結構個体差がある印象で、このAX3FMを3本、Cutlassを2本で計5本を試奏しましたが、正直どれも仕上がりが違い、酷いものだとフレットが浮いてたりも。
ネックセンターも油断ならない感じで、ちゃんと見極めないと若干偏ってたりあります。
僕の個体は、全体的に良い感触だったので購入しましたが、上述の音詰まりは看過できない状態だったので、購入店に相談してみたところ初期不良として無料で擦り合わせ対応をしてくれました。
※擦り合わせ済みのフレット。
ネックの握り自体はやや小ぶりな印象で、特徴である非対称シェイプも露骨に主張ある感じではなく、純粋に握りやすいネックです。
無塗装なので触り心地が良いですが、気温に対してどうなのか不安はあります。
次にハードウェア面。
本家とは違ってコストダウンに伴い、トレモロがフロイドローズではなくシンクロになってますが、これは僕にはありがたいくらい。
アームのアクション自体は悪くないですが、捻じ込んで固定した先での噛み合わせが微妙なのかバーが細かくガタつくのは気になりました。
あと裏バネがキリキリと異音を出す事もしばしば。
ちなみに出荷時だとベタ付けに設定されているので、僕はある程度フローティングさせてます。
ピックアップはこの手のランクにありがちなハムバッカーという印象で、個人的にはあまり良いモノではないですね。(レンジが狭く、低音がブーミー)
それ以外のペグだったり、内部の電装周りも値段相応の仕上がりと品質です。
・・・という具合に全体のハードウェアは価格帯相応にありがちなクオリティなので、ある意味で文句は出ないと思います
総評すると、演奏性はまずまずな感じで、出音もこんなもんだろう、な範疇。
ネックやボディの重量バランスが良く、構えた時のフィット感は中々のものですね。
特に気になった点を挙げるなら1弦が指板から落ちるのに気をつけながら弾かないといけない手応えがあります。
センターズレも無い個体なので仕様の範疇かもですが、僕としてはそこがマイナスポイントでした。(一応、調べると他所でAxisの指板落ちに言及してる方はいました)
フレットの処理は音詰まりや浮き等の『論外な部分』を除けば、まあまあな仕上がりですが、実際に音詰まりはあったので各ポジションをチョーキング込みでちゃんとチェックした方が良いと思われます。
あと、新品にも関わらずトラスロッドが硬過ぎでいきなり回し切りを疑うレベルだったので、フレットと合わせて楽器店/代理店に確認してもらったところまだ回る余裕はあったものの「このシリーズのロッドはこれくらい硬い事が多い」・・・だそうです。(ホンマかあ???)
正直、期待してたよりは細かな粗が散見される印象ですが、やはりこの唯一無二のAxisシェイプは他では替えがきかないので、まあ納得した買い物ではあります。
でももしこれが10万近い価格で流通してたら結構厳しいものがあるかな・・・。
ウルフギャングみたいにフェンダー傘下になってEVH名義で発売されてたらメキシコ製のラインナップも出てたかもですね。