Nobuの日々のギターとか音楽ネタとか。        ~Slight Return~

ギター弾いてます。ギタリスト主体の音楽ネタや自身の日々を緩く書いていきます。更新は不定期ですが最低でもひと月に一回は何か書きます。諸々のご連絡やご依頼はCONTACTからどうぞ。

【自作】MI Audio ''Crunch Box Distortion''

久々の自作エフェクターです。

見た目はTSですが、中身はMI Audioの''Crunch Box''(初代)です。

『MI Audioといえばコレ』なくらい知られてるエフェクターで、実はSuhr ''Riot''やJHS ''Angry Charie''の元ネタだったりもします。

他にもあったような気がしますが忘れました。

Crunch Box自体は、Marshall ''Guv'nor''の簡略化+音色調整をしたような回路だそうですね。

マーシャルライクな歪みとして一時期人気でした。

 

部品数も少なく、簡単に作れて音が良いのですが、今となっては安価な中華クローンが山ほどありますし、そっちを買っても金額的に大差ないので手間かけて自作する旨味は薄いですね。

僕は手持ちの部品で作れそうだったので試してみました。

本家は生産終了からもう何年も経つのであまり見かけなくなりましたが、今でも中古はそこそこ安価な印象があります。

 

 

今回も海外のレイアウト図を拝借しての製作。

筐体の穴空けが面倒だったので、ジャンクのTS9の筐体を再利用しました。

3PDTスイッチを取りつけるための元スイッチの除去、穴空けは初めての経験でしたが、これが意外と手間で、位置どりに気をつけないとイン/アウトのジャックに干渉してしまいます。

写真のようにボックスタイプのジャックだと、スイッチとの距離がギリギリでしたね。

結構シビアです。

 

コントロールは、

VOL、TONE、GAIN、そして本来は内部トリマーのPresenceを表面に出したので計4つ。

 

肝心のサウンドの方は、例のごとく自作品なので適切なレビューにはなりませんが、

それでもよければご参照ください。

 

歪みの傾向は、ストレートなディストーションですね。

クランチ~オーバードライブ的な領域よりもディストーションに強みがあります。

ブースターでの使用時はともかく、クリーンアンプにこれ単体で音を作りたい場合はゲインを上げめにした方が全体的に活き活きしてくるので、やはり基本はディストーション用途でしょう。

ローにしっかりコシがあり、常にローミッドに重心が存在するタイプなので、

人によっては厚ぼったく感じるかもしれませんが、バッキングとリードの両面で妥協しあえる上手いバランスを狙ってるとも思います。

リード的にはもう少しミドルが前に出ても良さそうですが、か細いこともなく飽和感のあるホットな音像です。

80sのロックに合いそう。

(この音に近いかも・・・。こっちのがやや腰高?っぽいですが)

 

トーンノブに関しては、プレゼンスの設定次第で効き幅が変動します。

個人的にプレゼンスはセンターを中心にそこから左右に少しずつ振る(10時~2時の範囲)くらいが美味しい使い方に感じました。

下げめだとトップが抑えられてウォームでスムースな音ですが、暗めな音になってしまいます。

逆に上げめだとローがクッキリと引き締まり、音も前に出てきますが、

同時にシャリシャリした成分も強調されるので耳障りになりやすく、これをトーンでカットしても超高域的なところは残るので、なんか耳につきます。

それと高域が増す分、ノイズも増えます。

 

このようにプレゼンスの調整次第では歯切れの良い音からスムースな音も狙えますが、

それほどポイントは広くないのと、わりと微妙なさじ加減を求められるので本来トリマーなのもちょっと納得というかそんな挙動です。

手回しのポットよりもトリマーの方が繊細に操作できそうですし、一度決めた位置から動きにくいのでよかったのかもですね。

 

基本的にノイズ量は少なく、ゲインを上げてもある一定で限界を迎えるローノイズさでした。

そもそもエグいハイゲインではないですが、それなりに歪むのでそれを考えたら十分ローノイズです。

人によってはもっとゲイン欲しいって声もあると思います。

 

ジャズコとの相性も良好。

どうしても硬い成分は残りますが、Crunch Boxの持つローミッドが幾らか補正してくれてる印象です。

音圧あるアンプライク系ペダルを繋いだ時のような奥まった感じや、極端なローの主張もなく、あったとしてもプレゼンスを持ち上げるか、ジャズコ側でローカットすれば解消できそうです。

音抜けは良さそうですね。

 

そして、これを基に作られたとされるSuhr Riotですが、

昔持ってた時の記憶と比較すると、確かに似た傾向の音です。

Riotのほうが分かりやすくミドルが強調され、相対的に高域成分もマイルドになり鼻づまりっぽい音だった気がします。

うろ覚えですが・・・。

 

 

基本となるトーンシェイプにややクセは感じるので、万能とは言いづらいですが、

ある意味では完成された音を出してくれるので気に入った人は愛用しそうな音です。

逆に合わない人は試行錯誤の余地が薄く、手放すのかな〜とも思えます。

 

ちなみに現行では大幅にコントロールが追加された後継機、''Super Crunch Box v2''が出てます。

EQやクリッピングなど、『ここをこうできたら良くなりそう』って思いがちな要素が全て操作できるようになっています。笑

出来ることが多過ぎて迷子になりそうな見た目ですが、じっくりセッティングを詰めれる人にはそっちのが良さそうですね。