Nakaji(ナカジー)の日々のギターとか音楽ネタとか。     ~Slight Return~

Nakaji(ナカジー)です。ギター弾いてます。講師も。気まぐれで採譜したTAB譜を公開したり、ギタリスト主体の音楽ネタや自身の日々を緩く書いていきます。                  更新は不定期ですが最低でもひと月に一回は何か書きます。諸々のご連絡やご依頼はCONTACTからどうぞ。

TC Electronic ''VPD-1 (Vintage Pre-Drive)''

これも結構前に買ったTCの歪みです。

TCといえばどちらかといえばモダンで洗練された傾向のペダルを作るイメージですが、Vintageシリーズというラインナップもあります。
噂では、このシリーズの大半がT-Rex製品と同じだそうです。
確かにどちらもデンマークのメーカーですし、筐体のデザインやコントロールまで同じだったりしますね。
確か社員が同じだったような・・・。
同じくデンマークのEMMA ElectronicsはTCの社員が立ち上げたメーカーとして有名だと思います。


三社とも高品質なペダルを作るので僕は好きです。




典型的なOD/Dist切り替え式の2ch仕様の歪みです。売り文句としてはヴィンテージアンプライクなドライブサウンドといった感じで確かに新し過ぎず古過ぎずなサウンドです。
Level(音量)、Toneは両chとも兼用となっていて、Boost(実質Dist.chです)のみBassと三点のResonanceスイッチが効きます。
ResonanceはFlat、Mid-Boost、Top-Boostから選択出来ます。
スピーカーシミュレータースイッチもあり、ちょっとした箱鳴り感というか空気感というかウェットなサウンドにもできます。
BoostスイッチはDriveノブの設定に対して更に上乗せされる効き方をしますのでこの二つのコントロールは独立してません。

まず通常のODchから書きます。ゲインは控えめでローが結構膨張してムッチリしてます。その割にはToneの効きが弱いので僕としては使いづらいです。
なんだか中、高域に物足りなさを感じます。良く言えば暖かい音ですが、使い勝手の幅は決して広く無いです。
クリーンブースト的に使うにしてもなんだか張りの無い音ですね。クランチでジャギっとは鳴りません。
対してBoost側(Dist)ですが、ODとはうって変わってかなり硬めでハイ寄りなサウンドです。ギャリギャリでローもタイトです。
歪み方もまとまりのある綺麗な音です。どちらかといえば優等生系ですね。
好みの差はあるかもですが、存在的にキャラが立ってるの明らかにDist側に思います。OD側は必要性をあまり感じません・・・。
Resonanceは結構極端な効きです。Mid-Boostは半止めワウのように露骨な鼻詰まりサウンド。Top-Boostは更に音色が明るくなります。元々、Dist側はハイが持ち上がるのでこれ以上の上は必要無いかなって感じです。
だから僕は常にFlatに設定してます。・・・うーむ、あまり意味の無いスイッチ。

ちなみにフットスイッチの操作ですが、独立式ではなくトグル式の切り替えなので、オンオフかODかBoost(Dist)かといった操作です。
Boost単体での使用はできません。なので予めBoostオンにしておいて、エフェクトオン時にクリーンから一気にDist又はODに出来るのは強みです。

が! さっきも書いたようにOD側はハイが弱く、Dist側はやたら強いので切り替え時の差が酷いです。
OD側基準で最適なセッティングにしてるとDist時にキンキンになり過ぎ・・・その逆も然りといった感じで、二つのchが見事に互いを殺しにかかってます。
せっかくの一発切り替えが可能なペダルなのにこれは致命的ですね。機能的にはアンプのchを切り替えてる感じで使いやすいのに音が・・・。
常にBoost側で使う感じになる人が多いんじゃないでしょうか? OD側に関してはこれに拘って使う魅力が無いかなー。

価格設定も結構強気なペダル(僕は中古で激安のを買いました)ですし、あのTCなので期待できそうな感じでしたが色々惜しいです。
ちなみにJC-120との相性はイマイチで、美味しい部分が全く出ませんでした。ODはモコモコ、ポコポコ、Distはバチバチ、ベキベキの音になります。
決してノリは悪く無いですが、Xotc BBplusとの比較ではBBのほうが明らかにギターの良さが活きると思いました。
まあこの辺の善し悪しは人によるので何とも言えませんが・・・。