カールマーティンのユニヴァイブ系エフェクターです。
ユニヴァイブにファズを組み合わせたというなんともジミヘン好きにはありがたいコンセプトの製品ですね。
本来もう少し大きい筐体での2スイッチでしたが、今年から小型化されて1スイッチになりました。
コントロールは大きいノブがユニヴァイブ側でそれぞれDepth、Speed、Levelとなっていて、ファズ側は小さいノブでFuzz、Levelです。
回路はオールアナログのようです。
筐体は角が丸め込まれていてややスポーティーな分、やや小さく感じますが一般的なものとほぼ同じサイズですね。
ちなみに写真だと重そうにも見えましたが実際は普通か軽めな印象です。
少なくとも「デカイ、重い」とか「この特殊な筐体のせいで他の(一般的な)ペダルと混合してボードに組みにくい」とかは無いですね。
イン/アウトジャックが上部に有る以外は特に違いは感じませんでした。
電池は使用不可。
肝心な音ですが、
まずユニヴァイブ側は中々好印象な掛かり方でした。
揺れ方は特に低音が(''低音が''というのも変な表現ですが・・・低音の圧や押しがあるというか何というか・・・)グワングワンする感じで、Depthの加減にもよりますが結構音量の上下が出るような掛かり方します。
Speedノブの最大値はそれほど無いかも知れません。
あと揺れとは別にややチリチリした毛羽立ちも加わり、シュワシュワした雰囲気もあります。
(ちなみに僕は本物のUni-Vibeを弾いた事も無ければ音すら体感した事無いので悪しからず・・・)
次にファズ側。
これは熱心なファズ好きの人にはどうなのかな・・・というのが僕の正直な感想です。
僕はファズには詳しく無いですが、その僕が感じたままの印象を書くと、基本ゲインは高めでノブを抑えめにしても割と早い段階で歪みが強くなりますね。
個人的にこのゲイン感はディストーションっぽい。シリコン系ですね。
ファズ的な膨らみやそれらしい特徴はありますが、全体的に味気なく、反応性とかはディストーション的な弾き心地です。
ギター側でボリュームを絞るいわゆる「鈴鳴り」は期待しない方が良いです。
少なくとも僕の持ってるギターで試した感じはボリューム絞ってもノッペリとしてて旨味は感じませんでした・・・。
ガッツリ歪ませてのサステインとかは気持ちいいんですが・・・。色々惜しいかも。
そして肝心のユニヴァイブとファズを同時に使う場合。
これに関しては結構設定が難しかったです。・・・というのも恐らく両回路はパラレルな信号になっています。
具体的には、
・ヴァイブ側のクリーンな信号
・ファズ側の歪んだ信号
この二つの信号がブレンダーを介したような干渉の仕方をするので、ミックスバランスをうまく設定しないと「ファズでそこそこ歪んでるのに音の芯にクリアなキンキン、バキバキが混ざってるみたいな状態」になります。(説明分かりにくかったらすいません・・・)
要するに一般的な直列配置での掛かり方はしてくれないんですね。
このバランス取りが中々クセモノで、ファズとヴァイブの混ざり具合が中途半端になりがちです。
両者の絶妙に美味しい部分を出そうにも今の所は僕は完全に納得いく音には出来てませんね・・・。
その他の注意点というか仕様について・・・
ファズかヴァイブ、どちらか一方の音色のみ使いたい場合、公式の説明だと「ユニヴァイブ側のみ使いたい場合は、ファズ側のノブを絞りきればファズがカットされる」となっています。
要するにヴァイブ側は独立して使用できる、という事ですね。
しかし、その逆は無理らしく、「ファズ側には常にヴァイブの信号が乗ります」とあります。
でも僕が試した感じだとヴァイブ側を全部絞ったら実質的にファズ単体で鳴ってるように思います・・・。
とりあえずメーカー的には「ヴァイブのみは可能。ファズのみは無理」との事です。
あと、正規品なので代理店による日本語解説も付属してますが、原文全ては翻訳されておらず、ざっくりと各コントロールの役割を書いてるだけになっています。
本国解説では二つのLevelノブの相互関係について「この二つは中々インテラクティブだから各々で色々試して実験してくれ。そして、この先は是非君自身の目で確かめて欲しい!(Vジャンプ)(超意訳)」的な意味合いの解説もありました。
実際にパラレル出しの回路なのかは分かりませんが、Levelノブは要実験・研究な挙動です。
ファズがやや残念なのと、Level設定が難しい点を除けば、このサイズのペダルひとつでサッとサイケサウンドを作ってジミヘンごっこ出来るので結構便利です。
(ちゃんと揃えたらファズとヴァイブは結構場所取りますしね・・・)
定価で買う場合は要試奏、ですね。